校長挨拶
 「解」のない課題に立ち向かう
 
埼玉県立川口高等学校  校長 上原 一孝

 

 「未来を予測する最善の方法は、自らそれを創りだすことだ」

 (米国コンピュータ科学者 アラン・ケイ氏)

 このような時代を生きる皆さんは、どのような力を身に付けたらよいでしょうか。新たな世界、未知の領域に挑戦するとき、求められるのは「課題解決能力」。高校時代に、思考力と表現力を身に付け、自らの夢に向かって道を切り拓いてもらいたいと思います。

  本校は、昭和16(1941)年に埼玉県川口市立川口中学校(旧制)として開校し、埼玉県川口市立川口高等学校、埼玉県立川口高等学校と改称を重ねながら、今年で85年目を迎える伝統校です。この学び舎を巣立っていった卒業生は2万5千人余に達し、様々な分野で活躍しております。

 川口高等学校は「高く正し」を校訓とし、学習活動はもちろん、部活動や多彩な学校行事を通して、高い志を持って正しく生きるなかで人間的な成長に努めています。

 日本も、世界も、コロナ禍をとおして、「正解」のない課題を改めて気づきました。「正解」は一つではないでしょう。皆さんの今までの勉強の多くは、一つの答えのある問題を解くことでした。しかし、このように何が問題か分からない場合もあれば、問題が分かったとしても誰も答えを知らないという状況に遭遇します。21世紀を生き抜く皆さんは、この「解」のない課題に立ち向かう能力を身に付けることが必要です。

 川口高等学校では、「高く正し」の校訓に基づきながらも、時代や社会の変化に対応した教育を進め、充実した学校生活を送ることによって力を蓄え、高い志を持った次代を担う人材の育成に力を注いでまいります。

 皆さまには、ご支援、ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

                        令和7年4月1日

                        第26代校長 上原 一孝

 

 

 

 

ブログ

校長日誌

【校長ブログ】常に「当事者」としての想像力を持とう~卒業式を挙行しました~

 3月11日、県立川口高校では第78回卒業式を挙行しました。昨日の雪模様とは一転して青空の佳き日です。学校の中庭にある木蓮もほころび、春を感じます。壇上から見た呼名された卒業生一人ひとりの顔は、希望と期待にあふれていました。今、校長室では、下校する卒業生たちが斉唱している校歌が聞こえています…  県立川口高校第78期生の皆さんの前途に幸多きことを祈念しています。

 また今日は、東日本大震災から15年です。正門横の国旗掲揚塔の国旗と校旗は、午後からは追悼のために半旗になっています。最後に、卒業式式辞を紹介します。

 中庭の木蓮の蕾もほころび始め、春の息吹を感じる季節になりました。この春の佳き日に、埼玉県立川口高等学校 第78期304名が、この諏訪山の学び舎から旅立つことを、大変うれしく思います。

 御来賓の皆様の御臨席、多くの保護者の皆様の御列席を賜り、私たち教職員とともに卒業生の門出を祝していただけますこと、心より感謝申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与いたしました304名の第78期生の皆さん、卒業誠におめでとうございます。保護者の皆様におかれましては、お子様の晴れの日を迎えられ、お慶びもひとしおのことと存じます。この三年間、いつくしみ育ててこられた皆様の御苦労に対し、深く敬意を表しますとともに、本校の教育活動へ寄せられた多大なる御理解と御協力に、厚く御礼申し上げます。

 第78期生の皆さん。皆さんが歩んできた高校生活は、まさに激動の時代と重なりました。現在、人類が直面している課題の多くには、あらかじめ用意された「正解」が存在しません。皆さんが中学生、高校一年生の時に直面した新型コロナ・パンデミックへの対策には、これが正解と証明されているものはありませんでした。過去の成功例が通用せず、「正解」がない時代です。「正解」は一つではないでしょう。ロシアによるウクライナ侵略、イラン、パレスチナなどにおける中東の紛争など世界各地で起きている戦争・紛争・武力侵攻によって多くの人々が命を落とし、人権侵害が続いている状態、地球温暖化による気候変動など、どの問題も正解が定まっていない大きな問題です。これまでの学びの多くは、用意された答えにたどり着くためのものであったかもしれません。しかし、これからの社会では、何が問題であるかを探り当てる力、そして答えのない状況下で、他者と対話しながら「納得解」を導き出す力が求められます。失敗を恐れず、この「解のない課題」に立ち向かう気概を持ち続けてください。

 第78期生の皆さん。ポストコロナの新たな世界を創るのは、他でもない皆さん自身です。その未来を拓く鍵として、ある一つの詩を紹介します。1930年代のドイツにおける独裁者アドルフ・ヒトラー(1889-1945)のナチス政権への抵抗組織であった告白教会の指導者を務めた牧師マルティン・ニーメラー(1892-1984)が講演などで語った言葉をもとにして生まれた詩です。 

 ナチスが

 最初、共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。

 私は共産主義者ではなかったから

 社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった。

 私は社会民主主義者ではなかったから

 彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。

 私は労働組合員ではなかったから

 そして、彼らが私を攻撃したとき

 私のために声をあげるものは、誰一人残っていなかった

 この詩は、単なる過去の歴史の記録ではありません。現代を生きる私たちへの鋭い警鐘でもあります。例えば、現代のSNS空間。特定の誰かに対する偏見や、心ない誹謗中傷が溢れています。「自分には関係ない」「当事者ではないから」と傍観しているうちに、社会の寛容さは失われ、やがてその矛先が自分や大切な人に向くかもしれません。ニーメラーが悔恨とともに語った悲劇を繰り返さないようにしなければなりません。

 皆さんには、社会の出来事を決して「他人事」とせず、常に「当事者」としての想像力を持って関わってほしいと思います。人権侵害や不条理に対し、勇気を持って「それはおかしい」と言える良心と、弱い立場にある人に寄り添う優しさを忘れないでください。

 第78期生の皆さん。皆さんが県立川口高校の3年間で培った「高く正し」の精神と、共に歩んだ仲間との絆は、正解のない未来を照らす確かな灯火となります。自分の可能性を信じ、この学び舎を誇りとして、堂々と歩んでいってください。

 第78期生の皆さんの前途に幸多きことを心からお祈り申し上げ式辞といたします。

【校長ブログ】マニュアルに縛られすぎない柔軟さ~東日本大震災から15年~ 

 間もなく3月11日です。東日本大震災から15年を迎えます。テレビや新聞などでは、東日本大震災に関する内容が紹介されています。私の東日本大震災に関する体験をお話しします。

 平成23(2011)年3月11日14時46分に東日本大震災が発生してから15年がたちます。当時、私は県立高校の教頭をしていて、鉄道が不通になったため自宅に帰れなくなった生徒307名と、東京方面から徒歩で帰宅を目指す帰宅困難者の方160名を学校に宿泊してもらい、徹夜で対応したことを思い出します。避難者の最後の一人が学校から帰宅したのは、翌日3月12日の13時30分でした。

 私は、2016年に東日本大震災を岩手県陸前高田市で体験された 菅野 祥一郎 先生の講演を聞いたことがあります。菅野先生は、長年、岩手県で小学校の先生をされ、平成23(2011)年3月、岩手県陸前高田市立気仙小学校の校長先生で退職されました。ちょうど、在職中の最後の月が、平成23年3月11日の東日本大震災に遭遇されています。「3.11に何が起こったのか」というテーマでお話をいただきました。

 陸前高田市には奇跡の一本松があります。陸前高田市立気仙小学校は、当時92人の全校児童全員が無事に避難できたそうです。”奇跡なのか…”ということから話が始りました。当日、菅野先生は校外にいたそうですが、地震に遭遇し、まずは学校へ戻らなければと自動車を走らせたそうです。しかし、学校に向かう橋の入口で消防団の方(PTA副会長)が非常災害のための通行止めをしていたそうです。普段なら5分で学校に戻れるところを、30分もかかってしまいました。学校には、児童92名の他、教職員、地域の方も校庭に避難していました。菅野先生は自動車を運転していたので、津波が来ることをラジオで把握しており、学校に到着後、直ちに全員裏山に避難することを指示しました。裏山に避難直後、学校を大津波が襲い、校舎も体育館も失われたそうです。

 間一髪だったそうです。生死を分けたのは、何よりも早い判断、率先避難だったとお話しされました。平時に作成するマニュアルに縛られ過ぎると、有事の際には的確な判断ができなくなってしまいます。「津波でんでこ」の判断が大切だということです。気仙小学校の奇跡は、決断と判断をできる人がいて、指示を教職員と地域の方が速やかに従ったことだと実感しました。便利さに頼ろうとする社会は災害に弱い。気づき、考え、行動すること大切さが大切だということ、命の大切さを訴えられました。

 菅野先生は、教育者として、成長の礎は、素直な心、豊かな心が必要であり、「フォンより本だ」と訴えられました。スマートフォンよりも本をしっかりと読むことも強調されていました。

【校長ブログ】受験が終わった時のやり切った感を伝えたい~受験報告会~

 3月9日、県立川口高校では、学年末考査返却、受験報告会です。受験報告会は、3年生で大学一般選抜の合格者による合格体験報告会を行いました。今回は、現3年生9名が1・2年生に大学一般選抜受験へのアドバイスを行いました。

 今回は、現3年生9名が1・2年生に大学一般選抜受験へのアドバイスを行いました。9名の3年生が、後輩に向けての激励メッセージなど一人ひとりが工夫したプレゼンをしてくれました。

 「最後まで諦めない!」、「部活を最後までやりきると学力も伸びる!」、「受験期も学校を楽しむ!」、「大学で人生は決まらないが、大学で人生を変えることができる!」「スマホは使いこなせば最強!」「戦略✕勉強=得点UP!」などという具体的なアドバイスがありました。すべてのお話が「!」で強調したい内容でした。

 全員が「受験が終わった時のやり切った感」を語ってくれていたのが印象的でした。「やり切った感」。大切な言葉だと思います。プレゼンしてくれた3年生の皆さんに感謝申し上げます。

 がんばれ!川高生

【校長ブログ】2030年代を見すえて、今から未来を描こう~入学許可候補者発表~

 3月6日、県立川口高校では学年末考査最終日です。また、本日は午前9時に319名の入学許可候補者発表をオンラインで行いました。新入生が県立川口高校で充実した高校生活を送れるように、私たち教職員がしっかりとサポートしてまいります。

 今からわずか4年後、2030年代が始まります。その頃、社会はどのように変わっているでしょうか。AIやロボット技術の進化、再生可能エネルギーの普及、グローバルな課題である気候変動への対応など、私たちの生活や働き方は大きく変化しているはずです。今の常識が通用しない時代が、もうすぐそこまで来ています。

 こうした変化の中で、皆さんに求められる力は「決められた答えを出す力」ではなく、「問題を認識し、解決策を考え、実行する力」です。学校のテストでは一つの正解を求めますが、現実社会には正解が一つとは限りません。むしろ、誰も答えを知らない課題に挑む場面が増えていきます。例えば、AIと人間が共存する社会でどのように働くか、地球環境を守りながら経済を発展させるにはどうするか…こうした問いに、皆さん自身の考えと行動が必要になります。

 では、どうすればその力を身につけられるのでしょうか。まずは「自分で考える習慣」を持つことです。指示を待つのではなく、自分から課題を見つけ、解決の方法を探る姿勢が大切です。学習や部活動、学校行事など、日常のあらゆる場面で「文武自考」を意識してください。知識をただ覚えるだけでなく、それをどう活用するかを考えることが、未来への準備になります。

 2030年代は、AIやデータサイエンス、バイオテクノロジーなど新しい分野がさらに広がり、今は存在しない職業が生まれるでしょう。その一方で、人間にしかできない創造力やコミュニケーション力の価値は高まります。だからこそ、幅広い学びを通して多様な視点を持ち、柔軟に考える力を養ってください。芸術やスポーツ、家庭科なども、人間的な成長に欠かせない学びです。

 未来は不確実ですが、不安になる必要はありません。未知の大海への航海には「チャート(chart・海図)」が必要です。皆さんには、県立川口高校という「チャート」があります。先生方の経験と指導、仲間との協働、そしてこの『進路の手引き』が、航海の道標となります。自分の志を大切にし、可能性を最大限に伸ばすために、今から一歩を踏み出しましょう。

 県立川口高校は、生徒の皆さん一人ひとりを21世紀という未来の大海へ航海する若者と考え、その志を大切にして可能性を最大限まで伸ばすことを目指しています。2030年代を迎えるとき、皆さんが「自分で考え、挑戦し、未来を切り拓く力」を備えていることを願っています。その力こそが、どんな時代でも皆さんを支える最大の“強み”になるのです。

 

 

【校長ブログ】東大教授が本気で伝えたい「歴史のおもしろさ」~久しぶりに生徒登校~

 3月4日、県立川口高校は学年末考査3日目です。高校入試のために生徒は家庭研修が続いていましたが、小雨模様の中、7日ぶりの登校です。正午前からは青空になってきました。一人ひとりがしっかりと実力を発揮してくれることを期待しています。

 先日、本郷和人氏の『歴史をなぜ学ぶのか』(SB新書 2022年)を読みました。本郷和人氏は、東京大学史料編纂所教授で、テレビの歴史番組などにコメンテーターとしても活動されています。東京大学史料編纂所は、古代から明治維新期にいたる前近代日本史関係の史料を対象とする研究所です。国内外に所在する各種史料を収集・分析しています。本郷氏は、歴史研究者は自分でなければ語れないこと語るべきであり、それが歴史研究者のプライドであり、歴史研究者の腕の見せどころ考えている方です。

 本郷氏は、高校教科書の執筆に携わる機会を得て、教科書を作る側になって、客観的な事実に基づくことは大前提で、物語性の導入を一番の念頭に置き、原因があったら結果がある、因果が継起していく様子がわかるような教科書を理想としたそうです。ところが、高校の先生たちから「これは使えません」と言われたそうです。「本郷先生が書いたものはとても面白い。出来事の事情もよくわかる。けれど、無駄が多すぎる」と言われたそうです。「高校では授業で教科書に書いてあることは原則、すべて覚えろという教育を行っている、そうすると教科書に無駄があってはいけない」という高校教員の理屈の前に、高校教科書を作る情熱が萎んでいくのを感じたそうです。高校教育に携わる者として、ガックリとしました。

 本郷氏は、帰納的に考えることと演繹的に考えることの大切さを述べています。帰納法とは、史実のような様々な個別のデータを分析し、それぞれに共通するものや傾向を導き出して、歴史像を組み立てていく方法です。演繹法は歴史像から発想して、個別の史実を一つ一つ解釈し直す方法です。人間が物事を考えるということは、この帰納法と演繹法を繰り返して万度も物事を検証することの繰り返しです。本郷氏も帰納法と演繹法の循環は、「ああ、自分の考えは間違っているのかな?」「こっちの方がいいかもしれないな」と、自分の意見や考え方、物事の見方を鍛え直し、より良いもの、より正確なものに鍛えていく方法なのだと述べています。帰納法と演繹法のトレーニング、知的なトレーニングをやっておくということは、一般社会に出たときに決して損にはならないと本郷氏の考え方に私も同感です。堅苦しい本ではなく、テレビの解説のように「先の見えない時代にこそ、歴史を学ぶ意義がある」と熱く語っています。是非、ご一読ください。

 本書を読んでいて、東京大学名誉教授石井進先生がたびたび登場します。私は石井先生が、国立歴史民俗博物館館長だった時に、大学時代の恩師のご紹介でお会いし、高校における日本中世史の視点を丁寧に御指導いただいたのを覚えています。私には“学恩”という言葉にひたらせてくれた心温まる一冊でした。

【校長ブログ】これまでのがんばりは、必ず君の力になります~学力検査が終わりました~

 2月26日、県立川口高校は、埼玉県公立高等学校入学者選抜の学力検査日でした。曇空ですが、昨日のような雨ではないのでよかったです。おかげさまで無事に終了できました。

 受検生(埼玉県では学力検査を受けるので、“受験生”ではなく“受検生”と言っています。)の皆さんは、本日まで、勉強だけでなく、現在流行しているインフルエンザ対策など、本当に大変だったと思います。また、ご家族の皆さまは、誰よりも応援されてきたことと拝察いたします。

 入試業務は、事故がなくて当たり前ですが、担当する学校とすると、とても気を遣う業務です。大雪などの天候や、交通機関の遅延対策など、いろいろな危機管理の想定をして実施しています。そのような中で本日を迎え、受検生の皆さんに実力を発揮できる環境づくりができたことが良かったと思っています。

 不安な気持ちの中で一生懸命に取り組んできた受検生の皆さんに、改めてエールを送りたいと思います。

 これまでのがんばりは、必ず大きな力になります。今夜はゆっくりと過ごしてくださいね。

【校長ブログ】昨日の自分を乗り越えろ!~学年末考査2日目・明日は高校入試~

 2月25日、県立川口高校では学年末考査2日目です。あいにくの雨の登校となりましたが、1・2年生は学年末考査に立ち向かっています。明日は、埼玉県公立高校の入試日です。午後は受検会場の整備も完了し、受験生を迎えるだけです。

 川高生も、受験生の皆さんも、がんばった自分を信じて乗り越えていきましょう。

 昨日紹介したびーやま 氏が書いた『17歳の時に知りたかった 受験のこと、人生のこと。』(ダイヤモンド社 2025年)を読んで思たことをさらにまとめました。

 受験勉強に向き合う日々は、時に孤独で、成果が見えにくく、焦りや不安に包まれることもあるでしょう。しかし、あなたが毎日机に向かって積み上げている努力は、決してあなたを裏切りません。大切なのは、今日の自分が「昨日より一歩でも前に進んだか」を見つめ続けることです。勉強とは、誰かに勝つためだけのものではなく、自分の可能性を引き出し、自分の未来をつくるための営みだからです。

 びーやま氏は本書で、受験を「人生の縮図」として描いています。うまくいく日もあれば、計画通りに進まない日もある。それでも前に進める人は、“できない自分”から目をそらさず、課題と正面から向き合えた人です。点数が伸びない時こそ成長の芽が眠っています。せっかくの不正解にフタをせず、「なぜ間違えたのか」「次はどうすればよいか」と自分に問うてみてください。そこに、あなたの未来を変えるヒントがあります。

 もうひとつ大事なことは、「習慣」があなたをつくるということです。渋沢栄一の言葉にもあるように、習慣は良くも悪くもあなたを大きく変えます。短時間でもよいので、毎日机に向かうこと。スマホを見る前に問題を一問解いてみること。わずかな積み重ねが、ある日大きな力になります。受験とは、才能よりも「続ける力」が勝敗を分ける世界です。

 けれど、どうか忘れないでください。勉強だけがあなたの価値を決めるわけではありません。友人との語らいや部活動の汗、悩み、失敗、そして笑顔。そのすべてが、あなたを形づくる大切な経験です。志望校合格というゴールのために努力する過程で、あなたは「困難に向き合う姿勢」や「自分で道を切り拓く力」を身につけています。それらは、どんな大学に進もうとも、社会に出てからあなたを支える大きな財産になるでしょう。

 どうしても心が折れそうな時は、「なぜ自分は挑戦しているのか」を思い返してください。あなたには、叶えたい未来や、変わりたい自分がいるはずです。周りの誰かの評価ではなく、あなた自身が納得できる人生を歩むために、いま努力しているのです。

 そして、あなたは一人ではありません。家庭にも、学校にも、支えてくれる大人たち、仲間たちがいます。壁にぶつかったら、すぐに頼ってください。助けを求めることは弱さではなく、“自分を大切にする力”です。

 未来は、まだ白紙です。だからこそ、どんな色にも染まることができます。今日のあなたが選ぶ一歩が、半年後、一年後のあなたの世界を大きく変えます。焦らず、諦めず、自分を信じて歩んでください。努力するあなたは、すでに昨日の自分を超えています。

【校長ブログ】『17歳の時に知りたかった 受験のこと、人生のこと。』~学年末考査始まる~

 2月24日、昨日の初夏を思わせる天気とは一転した曇り空の1日です。県立川口高校では学年末考査が始まりました。自分の実力を正々堂々と発揮してもらいたいと思います。校内では紅梅、白梅が満開です。

 人気ユーチューバーの びーやま 氏が書いた『17歳の時に知りたかった 受験のこと、人生のこと。』(ダイヤモンド社 2025年)を読みました。本屋で目に入ったので立ち読みをしていて、はじめにと章立てに引き込まれて思わず買いました。

 「学歴がすべてじゃない。でも、学歴は君の人生の『選択肢』を爆発的に広げてくれる最強の武器になる。」YouTubeで活躍しているびーやま(中森泰樹)氏が著書『17歳の時に知りたかった 受験のこと、人生のこと。』で伝えたかったメッセージは、単なる勉強法の指南ではありません。それは、今この瞬間を全力で生きるための「生存戦略」のように感じました。

◆今、机に向かっている君へ。

 「なぜ、こんなに苦しい思いをしてまで勉強しなければならないのか」と、ペンを投げ出したくなる夜もあるでしょう。びーやま氏は、自身の経験をもとに、受験を「人生で初めて、自分の力で自分の環境を変えられるチャンス」だと定義しています。

 高校生という時期は、まだ親や学校が決めたレールの上にいます。しかし、大学受験というハードルを越えた先には、君がこれまで見たこともないような多様な価値観、圧倒的な才能、そして「自由」が待っています。高学歴を得るということは、単に有名な会社に入るための切符を手に入れることではありません。「やりたいことが見つかった時に、それを実現できる場所に自分を置いておく」ための準備だと述べています。

本書で強調されているのは、「戦略」の重要性です。がむしゃらに努力するだけでは足りません。

◆「ゴール」から逆算する力・自分の現在地を客観的に把握する力・決めたルールをやり抜く自制心

 これらは、受験が終わった後の人生、つまりビジネスや人間関係においても、自分を助けてくれる一生モノのスキルになります。受験勉強は、そのスキルを鍛えるための最高の「訓練場」だと主張しています。「自分には才能がない」と諦めそうになっていませんか?びーやま氏は、成功の秘訣は才能ではなく「徹底的なリサーチと継続」であると説きます。正しいルートを知り、一歩ずつ進めば、必ず景色は変わります。

◆17歳の君に伝えたい。

 今の苦労は、将来の君が「あの時頑張ってよかった」と笑うための貯金です。周りの声に惑わされる必要はありません。君の人生のハンドルを握っているのは、他の誰でもない君自身です。

 この一冊に込められた「熱」を受け取り、今日から一歩、踏み出してみようという気力が湧き出てきます。一読をおすすめします。

【校長ブログ】君に幸せあれ!~予餞会を開催しました~

 2月13日、県立川口高校では午前中は授業、午後からリノベーションしたアリーナ(体育館)で3年生に向けた予餞会を開催しました。3年生は久しぶりの登校です。予餞会では私も挨拶代わりに一曲歌いました。

 

 ♪乾杯 (作詞 長渕剛 作曲 長渕剛)

  かたい絆に 思いをよせて

  語り尽くせぬ 青春の日々

  時には傷つき 時には喜び

  肩をたたきあった あの日

  あれからどれくらい たったのだろう

  沈む夕陽を いくつ数えたのだろう

  故郷の友は 今でも君の 心の中にいますか

 

  乾杯! 今君は人生の

  大きな 大きな 舞台に立ち

  遙か長い道のりを 歩き始めた

  君に幸せあれ!

 

 この楽曲は、1980年リリースです。地元の友人が結婚すると聞いた長渕剛が、友人への祝福のために書いた、人生の大きな節目に置かれた人に対する応援歌です。

3年生の皆さん 応援しているよ

【校長ブログ】県立川口高校のさらなる活性化に向けて~学校評議員会兼学校評価懇話会を開催~

 2月10日、県立川口高校では、第2回学校評議員会兼学校評価懇話会を開催しました。会議では、学校自己評価システムシートの説明、保護者向けに行った学校評価アンケートの分析などの後、質疑応答を行いました。学校と保護者との情報共有の課題、進路実現に向けた取組など多岐にわたる内容でした。今後の学校運営に有益な内容であり、直ちに改善できることは4月から取り組めるようにしたいと思います。

 委員の皆様、ありがとうございました。今後とも、県立川口高校へのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。