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校長日誌

【校長ブログ】好きになった教科には、好きにしてくれた先生がいる。~教育実習が終わりました~

 6月20日、本日で3週間の教育実習は最後となりました。9名の教育実習生が3週間取り組んでくれました。3週間の間に、体育祭もあり、充実した教育実習ができたとおもいます。

 3週間の間に、教育実習生一人ひとりと校長室で個別に面談をしました。あえて一人ひとりの話題は変えて面談をしましたが、大学時代の経験や教師を目指した理由や高校時代の思い出、大学時代に経験など各自が熱く語ってくれました。埼玉県でなく東京都の教員採用試験を目指す実習生もいました。また、教員だけではなく、児童福祉施設で子どもたちの成長を支えたいという人もいました。教育実習生の皆さん、大変お疲れ様でした。良い先生になってください。

 「教員はブラックだ」という報道は、2010年代後半から特に増え始めました。2016年度の文部科学省の調査で、教員の勤務時間が増大していることが明らかになり、それ以降、教員の多忙化がクローズアップされるようになりました。

  教育実習生へのエールを込めて、コピーライター谷野栄治さんの元気が出る言葉を紹介します。教育に完璧はないと思いますが、理想を追い続けることが大切です。

 

誰にでも、好きな教科、嫌いな教科はあるものです。

大人になって振り返ってみると、好きになった教科には必ず印象に残る先生がいます。

世界の広さを語ってくれた英語の先生。

生き物の不思議に目を開かせてくれた理科の先生。

歴史に眠る人間のドラマを教えてくれた社会科の先生。

そんな先生たちの共通点は、その教科が好きで好きでたまらない気持ちが伝わってきたこと。伝えたいことがあふれ出てくること。だから、暗記しようと思わなくても、自然に記憶に残るし、次の授業が楽しみになる。

どんな時代でも求められるのは、教科指導を通じて、授業で想いを伝えられる教員。授業で子どもたちをひきつけられてこそ、プロフェッショナル教員なのです。

【校長ブログ】学校掲示板も今年度ヴァージョンに一新~イブニング学校説明会を開催~

 6月17日、県立川口高校では、東門の学校掲示板の学校案内を令和7年度版に更新しました。また、夕方にはイブニング学校説明会を開催しました。多くの中学3年生、保護者の皆様にご来校いただきました。梅雨の時期ですが、川口市では午後2時には36.4℃の猛暑日。お暑い中、ご来校いただき、御礼申し上げます。

埼玉県では今春の高校入試からインターネット出願になった影響か、受験校選びが早まっているようです。県立川口高校では、昨年度よりも約2カ月早く説明会を開催しました。県立川口高校の魅力を感じていただければ幸いです。

 県立川口高校では夏季休業や土曜日に学校説明会を年3回開催していますが、昨年度から平日の夕方に本校視聴覚室で100名の皆様を対象としたミニ学校説明会を開催しています。部活動見学も可能ですので、是非ご来校ください。

〇第1回学校説明会 令和7年8月19日(火) 9:00~10:30

〇第2回イブニング学校説明会 令和7年9月12日(金)視聴覚室(17:30~18:00)

〇第3回イブニング学校説明会 令和7年9月22日(月)視聴覚室(17:30~18:00)

〇第2回学校説明会  令和7年10月4日(土) 9:30~11:00

〇第4回イブニング学校説明会 令和7年10月22日(水)視聴覚室(17:30~18:00)

〇第3回学校説明会  令和7年11月8日(土)9:30~11:00

〇第5回イブニング学校説明会 令和7年11月26日(水)視聴覚室(17:30~18:00)

〇第6回イブニング学校説明会 令和7年12月12日(金)視聴覚室(17:30~18:00)

【校長ブログ】県立川口高校ウエイトリフティング部、インターハイ出場決定

 皆さんは、校長というとどのような仕事をしていると思いますか。生成AI(人工知能)で「校長の仕事」について聞いてみると、「校長の仕事は、学校の最高責任者として、教育方針の決定、教職員の監督、学校運営全般の管理など多岐にわたります。具体的には、教育課程の編成、時間割の決定、学校行事の実施、教員の評価、保護者や地域との連携など、学校運営に関わるあらゆる業務を統括します。」と回答してきました。

 私は県立川口高校の校長は4校目になります。校長職について考えてみるとその職務内容は多岐にわたります。学校外の職務もたくさんあります。そのうちの一つとして、私は埼玉県高等学校体育協会ウエイトリフティング専門部長を務めています。

 6月14日、ウエイトリフティング競技大会の全国高等学校総合体育大会埼玉県予選が埼玉栄高校で開催され、私も専門部長として出席しました。埼玉県夏季大会、さいたま市民大会も兼ねているため小学生、中学生の参加もありました。ウエイトリフティングは腕力勝負の豪快なスポーツのイメージがありましたが、競技をしている子供たちを見ていると全く違いました。ロンドンオリンピック銀メダリストの三宅宏実選手(埼玉栄高校出身)は、「力だけでなく柔軟性と瞬発力、それに精神面が結果に現れる、非常に繊細な競技」だと語っています。

 県立川口高校の生徒も奮闘し、三浦虎哲 君(3年生)と新井心優 さん(3年生)の二人が8月に鳥取県米子市で開催される全国高等学校総合体育大会(インターハイ)への出場を決めました。また、学校対抗戦では、県立川口高校は見事優勝しました。

 全国高等学校総合体育大会(インターハイ)は8月7日~11日まで米子コンベンションセンター(鳥取県米子市)で開催されます。応援、よろしくお願いします。

【校長ブログ】体育祭も時代で変わります

 6月13日、県立川口高校では、1日順延した体育祭を開催しました。お忙しい中、多くの保護者の皆様にもご来校いただき、感謝申し上げます。

 本校の体育祭は、定番の100m走、綱引き、対抗リレーだけでなく、私の高校時代にはなかった種目もあります(他校でも平成・令和の定番になっていますが…)。棒引き、台風の目、大縄跳びなどはありませんでした。大縄跳びは、テレビ番組の特番でも取り上げられたりして人気の種目で、チーム意識が高まる種目だと思います。

 昭和の体育祭では、棒倒し、騎馬戦、組体操などがありましたが、危険性が高いと認識され、時代とともに体育祭の種目も変遷してきました。

 体育祭は、体育技能を競うだけではなく、日頃の活動を披露する場でもあります。特に部活動対応リレーは、運動部、文化部が特色を出して参加していました。対抗リレーに教員チームも参加したり、応援合戦もあります。

 

 閉会式では校長の講評があります。私も校長になってわかりましたが、朝礼台壇上にあがると一人ひとりの生徒の顔がよく見えます。今日は意識して全校生徒の顔をよく見てみました。充実感に満ちた顔つきでした。PTA会長さんをはじめ、クラスの仲間たちの声援、多くの保護者の皆さんの応援は、確実に生徒一人ひとりの力になったようです。他人を応援することには、多くのポジティブな側面があります。まず、相手の成功や幸福感をサポートすることで、彼ら自身の自信が高まり、より高い目標を追求する意欲が生まれます。この相乗効果により、個人の成功がより大きな範囲に波及し、ポジティブな変化をもたらすことが期待されます。今日の「力」を大切にしてもらいたいと思います。

【校長ブログ】やり抜く力 GRIT(グリット)~関東高校ウエイトリフティング大会~

 6月7日、関東高等学校ウエイトリフティング競技が栃木県立小山南高校(栃木県小山市)で開催されており、県立川口高校の生徒も男子8名、女子1名が出場します。私も激励のために小山南高校に来ています。

 ウエイトリフティング関東大会は関東1都6県と山梨県を加えた1都7県で競います。これらの都県は、首都圏整備法や首都圏整備計画に基づき、首都圏として定義されています。埼玉県からは、男子が県立川口高校、埼玉栄高校、吉川美南高校、女子が埼玉栄高校、県立川口高校の選手が出場しています。

 ウエイトリフティングは個人競技です。自分のペースで練習を進められる、自己管理力と自律性が養われる、集中力が高まるなどのメリットがあります。しかし、チームワークが求められないため、協力心や他者との連携のスキルが高まらないなどともいわれます。しかし、応援席からのエールで、想像以上の力を発揮する場合もあります。

 グリット(grit)とは、「やり抜く力」または「粘る力」だと定義されている言葉のこと。困難に遭ってもくじけない闘志、気概や気骨などの意味を表す英語で、社会的に成功している方たちが共通して持つ心理特性とされています。アンジェラ・リー・ダックワース『やり抜く力 GRIT(グリット)~人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける~』(ダイヤモンド社 2016年)で一躍注目されました。心理学者のアンジェラ・リー・ダックワース ペンシルバニア大学教授は、「才能やIQ(知能指数)や学歴ではなく、個人のやり抜く力こそが、社会的に成功を収める最も重要な要素である」として、「グリット」理論を提唱しました。

 やり抜く力やがんばる力は、今日の学校教育の中では「非認知能力」としてその育成が求められています。ウエイトリフティングで奮闘する高校生を見ていて、改めて、「やり抜く力 GRIT(グリット)」の大切さを実感しました。

【校長ブログ】失敗は成功のマザー

 6月4日、県立川口高校では、本日午後からの三者面談のために短縮午前授業です。

 昨日、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督が亡くなりました。新聞・テレビ等でも大きく報道され、昨夜は日本テレビで特別番組が編成されていました。新聞各紙の一面を見てみると、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞では「ミスタープロ野球」という共通した見出しでした。

 私は、大学生の時に羽田空港で鮮烈な思い出があります。遠くの方から後光が差すようなオーラを感じ、何かあるのかなと思ったら、長嶋茂雄さんが羽田空港の国内線ターミナルから出てきたところでした。人々が集まってきましたが、あの独特のオーラをうまく表現することができません。

 長嶋語録はたくさんありますが、巨人が球団史上初の最下位から一転してセ・リーグで優勝した1976年に長島茂雄さんが言った「失敗は成功のマザー」という言葉が私の一番印象に残っている言葉。改めて、前向きな長嶋茂雄さんらしい言葉だと思います。昭和の名選手、平成の名監督としてまさに「ミスタープロ野球」だったと思います。謹んでご冥福をお祈りします。

【校長ブログ】高校の先生方も面談があります

 6月3日、県立川口高校では、校長と教職員の当初面談が始まりました。

 先生方は年に2回、先生方一人ひとりが策定した今年度の目標などを記載した自己評価シートに基づいて校長と個人面談を行っています。今日から7日程度の期間に授業のない時間帯に校長との個人面談を行います。今日は14人の先生方と面談を行いました。

 学校は学年、教科、分掌など集団としての活動が多く、チームワークによって子どもたちへの教育活動を行っています。これから、教育活動の経験の伝承・蓄積に積極的に取り組むなど学校組織全体が一つのチームとして力を発揮することが一層求められる時代です。学校組織全体のチームワークを高め、教職員一人一人がそれぞれの学校教育の担い手として自信と誇りを持って教育に取り組んでもらいたいと思っています。

 面談がない時間に校内を歩いていたら3年生の選択授業である 鹿野 浩 教諭の「美術Ⅲ」の生徒を発見。あいにくの雨模様の中、油絵の制作に取り組んでいました。素晴らしい作品になることを期待しています。

【校長ブログ】6月が始まりました

6月2日、県立川口高校では、教育実習が始まりました。今年の教育実習生は9名。1時間目に校長講話を行いました。実習生に聞いてみると、高校1年生の2月に新型コロナウイルス感染防止のための臨時休校が始まり、修学旅行も中止になった世代。充実した教育実習にしてもらいたいと激励しました。

 午後、校内で車椅子で移動する生徒を発見。佐藤美穂教諭の「家庭基礎」(2年4組)の実習でした。普段バリアフリーなど気にしていない生徒たちが、悪戦苦闘していました。きっと街中や自宅の段差が気になったと思います。体験したことは忘れません。

【校長ブログ】オリエンタルリリーの花言葉は「純粋」~華道部の素晴らしい作品~

 5月28日、県立川口高校では早朝から、野球部の朝自主練習、体育祭に向けた大縄跳びの練習などにぎやかです。

 昨日、華道部の生徒が校長室に素晴らしい作品を届けてくれました。今回の作品テーマは「清純」。事務室前玄関、管理棟とホームルーム棟の2階渡り廊下を中心に作品が展示してあります。作品が校内を華やかにしてくれています。今回の作品は、オリエンタルリリー、カスミソウ、トクサ、ドラセナで構成されています。

 オリエンタルリリーはヤマユリ、サクユリ、ササユリ、カノコユリなど日本原産のユリをベースにして品種改良されたそうです。オリエンタルリリーの魅力は、存在感がある花の華やかさと香りです。オリエンタルリリーの花言葉は、「清純」。堂々と伸びやかに咲き誇る姿の中に、気品や可憐な雰囲気を感じさせることに由来しているそうです

 華道部の皆さん、ありがとうございました。

【校長ブログ】みんなで参加し、みんなで話し合えるPTA後援会~PTA後援会総会~

 5月24日、県立川口高校ではPTA後援会総会を開催しました。PTAとは、Parent-Teacher-Associationの略で、「親と教師の会」という意味です。保護者と教師が互いに学び合い協力し合って、子どもたちの健全な成長を図ることが目的の団体です。

 県立川口高校では、戦後の混乱期であった昭和22(1947)年10月26日にPTA結成発会式が行われ、PTA会則も施行されました。県立高校の中でもとても早い時期の結成だと思います。当時は、教育制度の移行期で旧制中学校から新制高等学校への移行、旧制中学校の新制中学校への切り換えが同時並行で行われていました。

 今年度の県立川口高校PTA後援会の活動方針は、「1 みんなで参加し、みんなで話し合えるPTA後援会。2 地域、家庭、中学校と連携し、伝統を受け継ぎつつ躍進する開かれた学校づくり」への積極的な関与」です。新しいPTA会長・後援会会長のもと、県立川口高校を充実させるために、皆さんで知恵を出し合いましょう。

 以前勤務していた高校で保護者への「御願」と題した資料がありましたので要約して紹介します。なかなか興味深い内容です。

・家庭においては、絶えずお子さんの登校・帰宅に注意し、異常があった場合には、すぐに学校にご連絡ください。遅刻・欠席等はやむを得ない場合に限るようにしてください。

・起床・勉強等を規則的にし、夜間の外出・娯楽施設等への出入りは十分に注意してください。悪友の誘惑は青少年にとっては一番危険であり、堕落の原因になりますから、友人の選択には特にご注意ください。

・読物の影響も非常に大きく、雑誌や文学書を読みふけって、教科書を打ち捨てて顧みないなどは学力低下の最大の原因ですから、日頃の読物にご留意ください。

 ※今ならスマホに夢中ならないように、ということでしょうか。

・保護者会の開催のご連絡を差し上げた場合には、万障お繰り合わせの上、ご来校くださるとともに、機会あるごとにご来校・ご懇談をお願いします。

という4つの留意事項。

 今から92年前の1933(昭和8)年2月7日に出された「我等が學校」という、今でいう「学校便り」のような配布物の中の文章です。この「我等が學校」の中には、学校と保護者との連携の大切さや、社会との交流・協力の必要性、そして、そのことによる生徒自身の自覚と奮起によって、初めて教育効果が上がる旨の内容が、格調高い文章で書かれています。

 1933(昭和8)年とは、ドイツではヒトラーのナチス政権が成立したり、日本が1931(昭和6)年に勃発した満州事変の対応をめぐり国際連盟から脱退をするなど、世界的にも不安定な時代に突入した時期です。90年前も現在も、保護者と学校の連携の大切さなど同じようなことが言われています。子供を健全に成長させるという教育の本質は、変わらないということでしょうか。