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校長日誌

【校長ブログ】ひんやりする本~県立川口高校図書館の展示コーナー~

 県立川口高校の図書館入口にはショーウインドがあります。毎月、川野司書さんと図書委員が工夫をしながら展示物を更新しています。先日、通りがかったら作業中でした。

 図書委員に聞いてみると今月のテーマは「ひんやりする本」。どのような本を展示してくれるのか楽しみでした。

次の6冊が選ばれています。

●吉野雄輔『海の本』(角川書店 2005年)…原初、生物がそこか生まれた海。初めて触れる、広大で生命あふれるもう一つの世界。海のすべてを知り尽くした水中写真の第一人者が、人知れず息づく神秘の世界を1冊にまとめました。

●村崎なぎこ『ナカスイ!~海なし県の水産高校~』(祥伝社 2023年)…この高校、濃すぎる! 栃木県立那珂川水産高等学校(ナカスイ)は、内陸県にある日本唯一の水産高校。“脱普通”をもくろむ鈴木さくらは、淡水魚専門の水産高校“ナカスイ”に入学。青春を謳歌するはずが、鮎に恋する神宮寺先生、魚ファーストの小百合、アニオタの地元ギャルかさね、釣りバカの渡辺ら、くせ者ぞろいで大打撃を受ける。水産実習では溺れかけ、おまけに少子化で学校は存続の危機。水没寸前のさくらの前に、あるポスターが……。「求ム! 地元食材&オリジナルレシピ&仲間 一緒に”ご当地おいしい!甲子園”を目指そう!」ナカスイの未来と青春をかけて、さくらは大勝負に挑む!

●岡本 信明・川田洋之助監修『金魚 長く、楽しく飼うための本』(池田書店 2009年)…魚は、たとえば、家族が集まるお茶の間や、オフィスの応接間のテーブルにさりげなくいるのがよく似合います。口をパクパクさせてエサをねだる金魚と対話する。そんな光景は、どんなにすてきでしょうか。本書は、今まで金魚の飼育が上手くいかなかった人、金魚はすぐ死んでしまう生き物だと思っている人に向けて、とてもシンプルでかんたんな飼い方を紹介しています。ぜひ、金魚のかわいさ、飼育の面白さを体験してみてください。

●『アイス一年中』(地球丸 2016年)…手づくりするのには、理由があります。それは、アイスをいちばんおいしく食べられるタイミングが「つくりたて」だから。生クリームや卵を泡立て、ふっくらと空気をふくんだつくりたてのアイスは、驚くほどなめらか。フレッシュなおいしさにあふれています。ご家庭で、手づくりアイスの世界を、ぜひ、ご堪能ください。人気料理家8人の絶品氷菓レシピ集。

●汐見夏衛『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』(スターツ出版文庫 2016年)…親や学校、すべてにイライラした毎日を送る中2の百合。母親とケンカをして家を飛び出し、目をさますとそこは70年前、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰に助けられ、彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。しかし、彼は特攻隊員で、ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だった――。のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る…。

●凪良ゆう『星を編む』(講談社 2023年)…第20回本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語

【校長ブログ】好きになった教科には、好きにしてくれた先生がいる。~教育実習が終わりました~

 6月20日、本日で3週間の教育実習は最後となりました。9名の教育実習生が3週間取り組んでくれました。3週間の間に、体育祭もあり、充実した教育実習ができたとおもいます。

 3週間の間に、教育実習生一人ひとりと校長室で個別に面談をしました。あえて一人ひとりの話題は変えて面談をしましたが、大学時代の経験や教師を目指した理由や高校時代の思い出、大学時代に経験など各自が熱く語ってくれました。埼玉県でなく東京都の教員採用試験を目指す実習生もいました。また、教員だけではなく、児童福祉施設で子どもたちの成長を支えたいという人もいました。教育実習生の皆さん、大変お疲れ様でした。良い先生になってください。

 「教員はブラックだ」という報道は、2010年代後半から特に増え始めました。2016年度の文部科学省の調査で、教員の勤務時間が増大していることが明らかになり、それ以降、教員の多忙化がクローズアップされるようになりました。

  教育実習生へのエールを込めて、コピーライター谷野栄治さんの元気が出る言葉を紹介します。教育に完璧はないと思いますが、理想を追い続けることが大切です。

 

誰にでも、好きな教科、嫌いな教科はあるものです。

大人になって振り返ってみると、好きになった教科には必ず印象に残る先生がいます。

世界の広さを語ってくれた英語の先生。

生き物の不思議に目を開かせてくれた理科の先生。

歴史に眠る人間のドラマを教えてくれた社会科の先生。

そんな先生たちの共通点は、その教科が好きで好きでたまらない気持ちが伝わってきたこと。伝えたいことがあふれ出てくること。だから、暗記しようと思わなくても、自然に記憶に残るし、次の授業が楽しみになる。

どんな時代でも求められるのは、教科指導を通じて、授業で想いを伝えられる教員。授業で子どもたちをひきつけられてこそ、プロフェッショナル教員なのです。

【校長ブログ】学校掲示板も今年度ヴァージョンに一新~イブニング学校説明会を開催~

 6月17日、県立川口高校では、東門の学校掲示板の学校案内を令和7年度版に更新しました。また、夕方にはイブニング学校説明会を開催しました。多くの中学3年生、保護者の皆様にご来校いただきました。梅雨の時期ですが、川口市では午後2時には36.4℃の猛暑日。お暑い中、ご来校いただき、御礼申し上げます。

埼玉県では今春の高校入試からインターネット出願になった影響か、受験校選びが早まっているようです。県立川口高校では、昨年度よりも約2カ月早く説明会を開催しました。県立川口高校の魅力を感じていただければ幸いです。

 県立川口高校では夏季休業や土曜日に学校説明会を年3回開催していますが、昨年度から平日の夕方に本校視聴覚室で100名の皆様を対象としたミニ学校説明会を開催しています。部活動見学も可能ですので、是非ご来校ください。

〇第1回学校説明会 令和7年8月19日(火) 9:00~10:30

〇第2回イブニング学校説明会 令和7年9月12日(金)視聴覚室(17:30~18:00)

〇第3回イブニング学校説明会 令和7年9月22日(月)視聴覚室(17:30~18:00)

〇第2回学校説明会  令和7年10月4日(土) 9:30~11:00

〇第4回イブニング学校説明会 令和7年10月22日(水)視聴覚室(17:30~18:00)

〇第3回学校説明会  令和7年11月8日(土)9:30~11:00

〇第5回イブニング学校説明会 令和7年11月26日(水)視聴覚室(17:30~18:00)

〇第6回イブニング学校説明会 令和7年12月12日(金)視聴覚室(17:30~18:00)

【校長ブログ】県立川口高校ウエイトリフティング部、インターハイ出場決定

 皆さんは、校長というとどのような仕事をしていると思いますか。生成AI(人工知能)で「校長の仕事」について聞いてみると、「校長の仕事は、学校の最高責任者として、教育方針の決定、教職員の監督、学校運営全般の管理など多岐にわたります。具体的には、教育課程の編成、時間割の決定、学校行事の実施、教員の評価、保護者や地域との連携など、学校運営に関わるあらゆる業務を統括します。」と回答してきました。

 私は県立川口高校の校長は4校目になります。校長職について考えてみるとその職務内容は多岐にわたります。学校外の職務もたくさんあります。そのうちの一つとして、私は埼玉県高等学校体育協会ウエイトリフティング専門部長を務めています。

 6月14日、ウエイトリフティング競技大会の全国高等学校総合体育大会埼玉県予選が埼玉栄高校で開催され、私も専門部長として出席しました。埼玉県夏季大会、さいたま市民大会も兼ねているため小学生、中学生の参加もありました。ウエイトリフティングは腕力勝負の豪快なスポーツのイメージがありましたが、競技をしている子供たちを見ていると全く違いました。ロンドンオリンピック銀メダリストの三宅宏実選手(埼玉栄高校出身)は、「力だけでなく柔軟性と瞬発力、それに精神面が結果に現れる、非常に繊細な競技」だと語っています。

 県立川口高校の生徒も奮闘し、三浦虎哲 君(3年生)と新井心優 さん(3年生)の二人が8月に鳥取県米子市で開催される全国高等学校総合体育大会(インターハイ)への出場を決めました。また、学校対抗戦では、県立川口高校は見事優勝しました。

 全国高等学校総合体育大会(インターハイ)は8月7日~11日まで米子コンベンションセンター(鳥取県米子市)で開催されます。応援、よろしくお願いします。

【校長ブログ】体育祭も時代で変わります

 6月13日、県立川口高校では、1日順延した体育祭を開催しました。お忙しい中、多くの保護者の皆様にもご来校いただき、感謝申し上げます。

 本校の体育祭は、定番の100m走、綱引き、対抗リレーだけでなく、私の高校時代にはなかった種目もあります(他校でも平成・令和の定番になっていますが…)。棒引き、台風の目、大縄跳びなどはありませんでした。大縄跳びは、テレビ番組の特番でも取り上げられたりして人気の種目で、チーム意識が高まる種目だと思います。

 昭和の体育祭では、棒倒し、騎馬戦、組体操などがありましたが、危険性が高いと認識され、時代とともに体育祭の種目も変遷してきました。

 体育祭は、体育技能を競うだけではなく、日頃の活動を披露する場でもあります。特に部活動対応リレーは、運動部、文化部が特色を出して参加していました。対抗リレーに教員チームも参加したり、応援合戦もあります。

 

 閉会式では校長の講評があります。私も校長になってわかりましたが、朝礼台壇上にあがると一人ひとりの生徒の顔がよく見えます。今日は意識して全校生徒の顔をよく見てみました。充実感に満ちた顔つきでした。PTA会長さんをはじめ、クラスの仲間たちの声援、多くの保護者の皆さんの応援は、確実に生徒一人ひとりの力になったようです。他人を応援することには、多くのポジティブな側面があります。まず、相手の成功や幸福感をサポートすることで、彼ら自身の自信が高まり、より高い目標を追求する意欲が生まれます。この相乗効果により、個人の成功がより大きな範囲に波及し、ポジティブな変化をもたらすことが期待されます。今日の「力」を大切にしてもらいたいと思います。

【校長ブログ】やり抜く力 GRIT(グリット)~関東高校ウエイトリフティング大会~

 6月7日、関東高等学校ウエイトリフティング競技が栃木県立小山南高校(栃木県小山市)で開催されており、県立川口高校の生徒も男子8名、女子1名が出場します。私も激励のために小山南高校に来ています。

 ウエイトリフティング関東大会は関東1都6県と山梨県を加えた1都7県で競います。これらの都県は、首都圏整備法や首都圏整備計画に基づき、首都圏として定義されています。埼玉県からは、男子が県立川口高校、埼玉栄高校、吉川美南高校、女子が埼玉栄高校、県立川口高校の選手が出場しています。

 ウエイトリフティングは個人競技です。自分のペースで練習を進められる、自己管理力と自律性が養われる、集中力が高まるなどのメリットがあります。しかし、チームワークが求められないため、協力心や他者との連携のスキルが高まらないなどともいわれます。しかし、応援席からのエールで、想像以上の力を発揮する場合もあります。

 グリット(grit)とは、「やり抜く力」または「粘る力」だと定義されている言葉のこと。困難に遭ってもくじけない闘志、気概や気骨などの意味を表す英語で、社会的に成功している方たちが共通して持つ心理特性とされています。アンジェラ・リー・ダックワース『やり抜く力 GRIT(グリット)~人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける~』(ダイヤモンド社 2016年)で一躍注目されました。心理学者のアンジェラ・リー・ダックワース ペンシルバニア大学教授は、「才能やIQ(知能指数)や学歴ではなく、個人のやり抜く力こそが、社会的に成功を収める最も重要な要素である」として、「グリット」理論を提唱しました。

 やり抜く力やがんばる力は、今日の学校教育の中では「非認知能力」としてその育成が求められています。ウエイトリフティングで奮闘する高校生を見ていて、改めて、「やり抜く力 GRIT(グリット)」の大切さを実感しました。

【校長ブログ】失敗は成功のマザー

 6月4日、県立川口高校では、本日午後からの三者面談のために短縮午前授業です。

 昨日、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督が亡くなりました。新聞・テレビ等でも大きく報道され、昨夜は日本テレビで特別番組が編成されていました。新聞各紙の一面を見てみると、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞では「ミスタープロ野球」という共通した見出しでした。

 私は、大学生の時に羽田空港で鮮烈な思い出があります。遠くの方から後光が差すようなオーラを感じ、何かあるのかなと思ったら、長嶋茂雄さんが羽田空港の国内線ターミナルから出てきたところでした。人々が集まってきましたが、あの独特のオーラをうまく表現することができません。

 長嶋語録はたくさんありますが、巨人が球団史上初の最下位から一転してセ・リーグで優勝した1976年に長島茂雄さんが言った「失敗は成功のマザー」という言葉が私の一番印象に残っている言葉。改めて、前向きな長嶋茂雄さんらしい言葉だと思います。昭和の名選手、平成の名監督としてまさに「ミスタープロ野球」だったと思います。謹んでご冥福をお祈りします。

【校長ブログ】高校の先生方も面談があります

 6月3日、県立川口高校では、校長と教職員の当初面談が始まりました。

 先生方は年に2回、先生方一人ひとりが策定した今年度の目標などを記載した自己評価シートに基づいて校長と個人面談を行っています。今日から7日程度の期間に授業のない時間帯に校長との個人面談を行います。今日は14人の先生方と面談を行いました。

 学校は学年、教科、分掌など集団としての活動が多く、チームワークによって子どもたちへの教育活動を行っています。これから、教育活動の経験の伝承・蓄積に積極的に取り組むなど学校組織全体が一つのチームとして力を発揮することが一層求められる時代です。学校組織全体のチームワークを高め、教職員一人一人がそれぞれの学校教育の担い手として自信と誇りを持って教育に取り組んでもらいたいと思っています。

 面談がない時間に校内を歩いていたら3年生の選択授業である 鹿野 浩 教諭の「美術Ⅲ」の生徒を発見。あいにくの雨模様の中、油絵の制作に取り組んでいました。素晴らしい作品になることを期待しています。

【校長ブログ】6月が始まりました

6月2日、県立川口高校では、教育実習が始まりました。今年の教育実習生は9名。1時間目に校長講話を行いました。実習生に聞いてみると、高校1年生の2月に新型コロナウイルス感染防止のための臨時休校が始まり、修学旅行も中止になった世代。充実した教育実習にしてもらいたいと激励しました。

 午後、校内で車椅子で移動する生徒を発見。佐藤美穂教諭の「家庭基礎」(2年4組)の実習でした。普段バリアフリーなど気にしていない生徒たちが、悪戦苦闘していました。きっと街中や自宅の段差が気になったと思います。体験したことは忘れません。

【校長ブログ】オリエンタルリリーの花言葉は「純粋」~華道部の素晴らしい作品~

 5月28日、県立川口高校では早朝から、野球部の朝自主練習、体育祭に向けた大縄跳びの練習などにぎやかです。

 昨日、華道部の生徒が校長室に素晴らしい作品を届けてくれました。今回の作品テーマは「清純」。事務室前玄関、管理棟とホームルーム棟の2階渡り廊下を中心に作品が展示してあります。作品が校内を華やかにしてくれています。今回の作品は、オリエンタルリリー、カスミソウ、トクサ、ドラセナで構成されています。

 オリエンタルリリーはヤマユリ、サクユリ、ササユリ、カノコユリなど日本原産のユリをベースにして品種改良されたそうです。オリエンタルリリーの魅力は、存在感がある花の華やかさと香りです。オリエンタルリリーの花言葉は、「清純」。堂々と伸びやかに咲き誇る姿の中に、気品や可憐な雰囲気を感じさせることに由来しているそうです

 華道部の皆さん、ありがとうございました。

【校長ブログ】みんなで参加し、みんなで話し合えるPTA後援会~PTA後援会総会~

 5月24日、県立川口高校ではPTA後援会総会を開催しました。PTAとは、Parent-Teacher-Associationの略で、「親と教師の会」という意味です。保護者と教師が互いに学び合い協力し合って、子どもたちの健全な成長を図ることが目的の団体です。

 県立川口高校では、戦後の混乱期であった昭和22(1947)年10月26日にPTA結成発会式が行われ、PTA会則も施行されました。県立高校の中でもとても早い時期の結成だと思います。当時は、教育制度の移行期で旧制中学校から新制高等学校への移行、旧制中学校の新制中学校への切り換えが同時並行で行われていました。

 今年度の県立川口高校PTA後援会の活動方針は、「1 みんなで参加し、みんなで話し合えるPTA後援会。2 地域、家庭、中学校と連携し、伝統を受け継ぎつつ躍進する開かれた学校づくり」への積極的な関与」です。新しいPTA会長・後援会会長のもと、県立川口高校を充実させるために、皆さんで知恵を出し合いましょう。

 以前勤務していた高校で保護者への「御願」と題した資料がありましたので要約して紹介します。なかなか興味深い内容です。

・家庭においては、絶えずお子さんの登校・帰宅に注意し、異常があった場合には、すぐに学校にご連絡ください。遅刻・欠席等はやむを得ない場合に限るようにしてください。

・起床・勉強等を規則的にし、夜間の外出・娯楽施設等への出入りは十分に注意してください。悪友の誘惑は青少年にとっては一番危険であり、堕落の原因になりますから、友人の選択には特にご注意ください。

・読物の影響も非常に大きく、雑誌や文学書を読みふけって、教科書を打ち捨てて顧みないなどは学力低下の最大の原因ですから、日頃の読物にご留意ください。

 ※今ならスマホに夢中ならないように、ということでしょうか。

・保護者会の開催のご連絡を差し上げた場合には、万障お繰り合わせの上、ご来校くださるとともに、機会あるごとにご来校・ご懇談をお願いします。

という4つの留意事項。

 今から92年前の1933(昭和8)年2月7日に出された「我等が學校」という、今でいう「学校便り」のような配布物の中の文章です。この「我等が學校」の中には、学校と保護者との連携の大切さや、社会との交流・協力の必要性、そして、そのことによる生徒自身の自覚と奮起によって、初めて教育効果が上がる旨の内容が、格調高い文章で書かれています。

 1933(昭和8)年とは、ドイツではヒトラーのナチス政権が成立したり、日本が1931(昭和6)年に勃発した満州事変の対応をめぐり国際連盟から脱退をするなど、世界的にも不安定な時代に突入した時期です。90年前も現在も、保護者と学校の連携の大切さなど同じようなことが言われています。子供を健全に成長させるという教育の本質は、変わらないということでしょうか。

【校長ブログ】県立川口高校吹奏楽部も参加します~第75回全国植樹祭~

 5月25日、秩父ミューズパーク(秩父市、小鹿野町)で、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、第75回全国植樹祭が開催されます。埼玉県では、昭和34(1959)年の第10回以来66年ぶりとなります。

 全国植樹祭は、豊かな国土の基盤である森林・みどりに対する国民的理解を深めるために、公益社団法人国土緑化推進機構と都道府県の共催により開催する国土緑化運動の中心的行事です。昭和25(1950)年に「第1回植樹行事並びに国土緑化大会(第21回大会からは「全国植樹祭」が正式名称)」として山梨県甲府市で開催されて以来、各都道府県において毎年春季に開催されています。

 埼玉県では県内の高校生から構成される式典音楽隊が結成され、県立高校14校、私立高校3校、さいたま市立中等教育学校1校の18校80名で構成されています。県立川口高校吹奏楽部も5名の生徒が式典音楽隊(吹奏楽)に参加します。3月から伊奈学園総合高校で練習を重ねてきました。24日もリハーサルのために日帰りで秩父へ向かいます。式典では県内の多くの高校生が、式典進行役、アシスタント、アトラクション等で活躍します。

 5月25日(日)午後0時55分からYouTubeでライブ配信がありますので、ご覧ください。

 配信はこちら → 第75回全国植樹祭ライブ配信

【校長ブログ】きのうの自分を乗り越えよう~遠足・実力テスト・中学校体育祭~

 県立川口高校では5月21日に中間考査が終了し、本日は、1・2年生は遠足、3年生は実力テストです。

 私は午前7時50分に川口市立グリーンセンター駐車場へ1学年の遠足見送りに行きました。広大な相模湖の森に囲まれたアドベンチャーリゾートであるさがみ湖MORI MORI(神奈川県相模原市)に向かいました。私が子供の頃は相模湖ピクニックランドと言っていたのを思い出します。高速道路で事故渋滞に巻き込まれたようですが、無事に現地到着です。

 2学年は東京遠足です。東京駅に集合し、班別行動で、浅草寺、東京タワー、東京スカイツリー、明治神宮のチャックポイントを通過します。午前中は山手線車両のパンタグラフ異常の影響でタイヤが大きく乱れて混乱していました。

 3学年は学校で実力テスト。自分の進路実現に向けてじっくりと取り組みましょう。

 午前中、私は、川口市立里中学校の第48回体育祭にお邪魔しました。開会式、里中応援団のエール、1学年種目を見学しました。「私たちは常に助けられながら生きています。この体育祭も多くの方々に助けられて成り立っています。そのことを忘れずに全力で楽しみましょう」という体育委員長の素晴らしい選手宣誓に感動しました。

 それぞれ取り組む内容は異なりますが、きのうの自分の乗り越えて、日々成長していきましょう。

【校長ブログ】AEDの使い方がわかりますか?~教職員AED講習会~

 5月20日午後、教職員はAED(自動体外式除細動器)の使用方法を学ぶ「救命入門コース」を受講しました。この講習会は、授業中や課外活動時に急病人や負傷者に対して、迅速かつ適切に応急措置を行うことができる知識を身につけ、AEDを用いてより効果的な心肺蘇生法を行い、救命率向上につなげることが目的です。AEDの設置は全国各地で広がっていますが、いざという時に利用できなければなりません。本校でも外部の方に対して使用した事例があり、先生方は真剣な眼差しでした。

 私も毎年受講していますが、定期的にトレーニングすることは大切だと思っています。ご指導いただいた川口市消防局救急課の小沢様をはじめとする職員の皆様、ありがとうございました。

【校長ブログ】不正解ではありません。未正解です。~中間考査が始まりました~

 5月19日、県立川口高校では1学期中間考査が始まりました。各教室では、生徒が答案と格闘していました。中間考査は21日まで続きます。

 生徒の皆さんは、新学期を迎えてからここまでに自分自身が学習の正しい方法と習慣を身につけることができたか、この機にしっかり確認しましょう。特に1年生は、生活環境も学習内容も大きく変化した中で、学びのスタイルを上手く適合できたかが試されます。

 定期考査は、各教科で、卒業までに身につけさせたい学力から逆算して、時期ごとに獲得させるべき学力を目標に設定し、その達成度を測れる定期考査問題を作成しています。学校の先生は、授業改善には熱心ですが、定期考査となると旧態依然とした暗記型ばかり…では、真の学力を測定することはできません。考査問題を変える工夫と努力は、授業改善にも同等以上のエネルギーを投じることで、より大きな実を結ぶと思います。

 どんな人間も間違いから学び、前進していきます。間違いを放置せず、改善のきっかけとしていくことで成長していくのです。そう考えると、「×」はまさに成長過程の印。「ここが伸びるところだよ」の目印です。先生と生徒が、「×」の意味をしっかり共有して、先生はしっかり「×」をつけ、生徒はそれを受け止めて、解き直しをして学びを深めていく。不正解ではありません。未正解です。まだまだ伸びしろがあります。がんばれ川高生!

【校長ブログ】先生も勉強しています~専門学校研修会~

 5月16日、県立川口高校ではCareer Concept株式会社取締役 小田島 功 様を講師にお迎えして教職員向け専門学校研修会を開催しました。

 高校からの上級学校の進学先としては、大学、短期大学、専門学校が一般的です。専門学校は、1976(昭和51)年に学校教育法に専修学校が創立されたことで制度化しました。専修学校には、専門課程(専門学校)、高等課程(高等専修学校)、一般課程の3種類があり、専門課程を指して「専門学校」と呼んでいます。

 専門学校は、職業に関する実践的な教育や資格取得のための教育を提供する機関として、また、生活や趣味に関する必要な知識やスキルの習得を支援する機関として、多様な生徒を受け入れてきました。

 大学への進学指導については大手予備校等が実施する模擬試験などの指導ツールがあるのですが、そのような指導ツールのない専門高校への進学指導が一番難しいと私は思っています。それは、専門学校に対する評価が、就職先や資格取得率などによる傾向が強く、学生がどのように専門性を学び、卒業後にどのように社会で活躍しているかなどは分かりづらい面があるからだと思います。

 研修会では、就職先や資格取得率だけでなく、いかに学生本位の教育を実践しているかなど最良の専門学校への進学指導について学ぶことができました。Career Concept株式会社 小田島 功 様、ありがとうございました。

【校長ブログ】なぜ働いていると本が読めなくなるのか

 5月15日、県立川口高校は、19日からの1学期中間考査に向けて試験勉強モードに入っています。昨日も放課後、自習室の他、廊下の自習スペースで試験勉強をしている生徒の姿がありました。中間考査に向けて、がんばってください。


 三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書 2024年)を読みました。中央公論新社の新書大賞2025で第1位になったベストセラーになっている話題の本です。
読書が「教養・修養」から「娯楽」を経て「ノイズ」へと変わるという変遷の指摘には驚嘆しました。現代のスマホによる手軽な情報入手に対して、本は「ノイズ」を含むために読まれなくなったと分析しています。そして、働きながら本を読める社会をつくるために、「全身全霊社会」をほめるのではなく、「半身社会」で生きることをすすめています。
 私は電車通勤をしていますが、電車の7人掛けのロングシートで7人中5~6人はスマホを見ています。本を読んでいる人は1人いるかいないか…。毎朝同じ電車に乗っていますが、本を読んでいる人は毎朝本を読んでいます。人間の習慣とはこういうものなのかなと思います。私は、スマホのセルフコントロールが大切だと思ています。
 高校時代に良い習慣をしっかりと身に付けてもらいたいと思います。

【校長ブログ】がんばる力は美しい~連休中の川高生の活躍~

 昨日の雨模様から一転、県立川口高校は、初夏を思わせる爽やかな風につつまれています。春の大型連休も終わりました。校内には元気な声があふれています。


 この期間中、高校スポーツでは各競技で大会が開催されました。私も激励に行きました。

 4月29日、埼玉県高等学校ウエイトリフティング競技大会関東予選が埼玉栄高校で開催され、川口高校ウエイトリフティング部も出場しました。強豪埼玉栄高校の活躍の中、川口高校の選手は奮闘し、男子8名、女子1名が、6月の関東大会(栃木県小山市)への出場を決めました。


 大会は一般参加の部もあり、本校ALT(Assistant Language Teacher・外国語指導助手)のマシュー先生も大活躍!


 5月4日、全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選南部支部2回戦が浦和西高校で開催され、県立川口高校サッカー部はシードの浦和西高校と対戦しました。前半は、県立川口高校の堅守で均衡を保っていましたが、前半終了近くに浦和西高校が先制しました。後半は開始直後にコーナーキックの流れで2点目を失い、さらに中盤に3点目の失点、後半アディショナルタイムに4点目を押し込まれました。結果的には0‐4でしたが、前半のGKを要とする堅守とあきらめないプレーを考えると伸びしろのあるチームです。

県立川口高校への応援、よろしくお願いいたします。

【校長ブログ】芝居はホール全体で創造するもの~演劇部春季発表会~

 春の大型連休に入り、高校の部活動は各地で大会が開催されています。4月26日、埼玉県高等学校演劇連盟南部地区春季演劇祭が、戸田市新曽福祉センター(埼玉県戸田市)で開催され、川口高校演劇部も出場し、私も激励に行きました。

 今回の上演作品はアシノユメさんの『予告状』。進路に悩むある女子高生 花恋 のもとに予告状が届きます。差出人は世間を騒がしている怪盗アルセーヌ。アクションあり、シリアスありのノンストップドラマ。アシノユメさんのオリジナル脚本です。

 オープニングは客席からの登場にビックリ。舞台と客席の境界を越え、一体となった素晴らしいステージでした。演劇では様々な人同士の「対話」が行われます。物語の中の登場人物の対話はもちろん、役者と観客との対話、そして演出家や演者の対話もあります。演者、照明、音響の息がぴったりと合っていました。ホール全体でお芝居を作るものだということを再認識できたステージでした。

 

【校長ブログ】エースが力投するも投手戦で惜敗~春季埼玉県高校野球県大会~

 4月25日、県立川口高校野球部が春季埼玉県高校野球県大会に登場しました。大宮南高校野球部と所沢航空公園記念野球場で対戦しました。私も応援に駆けつけました。

 父母会のAll for One. One for All.の横断幕のもと、野球部員、野球部OB、野球部父母会の皆さんの一体となった応援で終始スタンドは盛り上がりました。

 川口高校は、1回表から連続安打で素晴らしいスタートでしたが、2回以降は投手戦となりました。8回表には2死満塁のチャンスを迎えましたが、残念ながら無得点。逆に9回裏1死1塁3塁のピンチ。満塁策を取りましたが、内野ゴロを打たれ、サヨナラ負けを喫しました。エース長井君(3年)が好投していましたが、あと一本の安打がでませんでした。野球部父母会の皆様、応援ありがとうございました。

 引き続き、応援よろしくお願いします。がんばれ川高野球部!

 

【校長ブログ】ピンクのスプレーカーネーションの花言葉は「集団美」~華道部「春」~

 4月24日、県立川口高校では、1年生も高校生活になれはじめ、授業や部活動も活発に行われています。

 川口高校では、校内各所に華道部の素晴らしい作品があります。川口高校は創立の昭和16(1941)年から平成8(1996)年まで男子校でした。華道部は共学化の平成9(1997)年度に華道同好会として発足しました。

 今回の作品テーマは「春」。スプレーカーネーション、アイリス、ユキヤナギで構成した作品を校長室に持ってきてくれました。管理棟とホームルーム棟の2階渡り廊下を中心に作品が展示してあります。作品が校内を華やかにしてくれています。

 スプレーカーネーションは、一つの茎から多くの小さな花を咲かせる特徴を持つ花です。通常のカーネーションより小ぶりな花が集まって咲くため、華やかで可愛らしい印象を与えます。花色も豊富で、ピンク、白、赤など様々なバリエーションがあり、アレンジメントの幅が広がります。特に冬のブーケや花束に使用すると、温かみのある雰囲気を演出できます。切り花としても長持ちするため、贈り物として人気があります。

 スプレーカーネーションの花言葉「集団美」の由来は、その特徴的な咲き方と育て方に関連しています。「集団美」は、一つの茎から多くの花が咲く様子が、集団での協調や調和を象徴することから生まれました。

 校内では、つつじとポプラもまぶしいです。川口高校もチーム川高として、集団美を目指したいと思います。 

【校長ブログ】言葉や行動は、人から人へ「こだま」します。~アンパンマン誕生秘話~

 4月21日、県立川口高校の木々が勢いよく芽吹いてきます。春に植物が一斉に芽吹くことを「スプリングフラッシュ」と言うそうです。今日は春というよりは初夏のようは暖かさです。

 

 芽吹きと同じように川高生も活躍しています。野球部は春季大会で県大会出場を決め、4月25日に大宮南高校と対戦します。女子テニス部は学校総合体育大会南部地区予選会に出場し。ダブルスは笹川(3年)丸山(3年)ペアが2大会連続で県大会出場を決め、団体戦でも関東大会県予選会への出場権も獲得しました。

 連続テレビ小説「あんぱん」。“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった二人の人生。生きる喜びが全身から湧いてくるようなドラマとして人気のようです。

 先日、ノンフクション作家である門田隆将さんの『慟哭の海峡』(2017年 角川文庫)を読みました。アンパンマンの作者である漫画家 やなせたかし さんにスポットをあてた本です。私は授業では主に日本史を教えていましたが、歴史を学ぶなかで、常識を疑うこと、常に自分の立ち位置を意識することが大切だと教えてきました。「正しい」といわれていたことが間違っていたことはよくあります。

 アンパンマンは、他のヒーローと違いますよね。私たちのイメージする「正義の味方」といわれるスーパーマンやウルトラマンなどのヒーローは、悪役を徹底的にやっつけて、さっそうと去っていきます。街をめちゃくちゃにしても被害者に謝りはしません。

 やなせさんは、戦争を経験しています。私たちが想像を絶する場面も経験したでしょう。京都帝国大学出身の弟は23歳で戦死しています。そのような経験から「正しいこととは何だろう」「正義の味方といわれるヒーローは、一体だれを助けているのだろう」と考えたようです。

 真のヒーローとは、本当に困っている時、一人ぼっちで寂しくて心が折れそうな時などどうしようもない時などに、やってきてくれる人だと気付きました。本当に人を救おうと思えば、自分が傷つかずにはできない場面があると思います。アンパンマンはヒーローだけど情けない。だからチビッ子はすぐに見向きもしなくなる。お腹がすきすぎて困っている人に、自分の顔を食べさせて助ける場面があります。自己犠牲の大切さへのメッセージですね。でも、バイキンマンやドキンちゃんを絶対に殺さない。大人になるとアンパンマンの偉大さがわかります。それは君たちが親になる時です。

 本当の正義、正しいこととは何か。それは、自分のことよりも他人のことを考えて行動し、人を大切にすることです。困っている人を助けること、それはいつの時代にも絶対に変わらない正しいこと、正義だと思います。

 先日、バスの中で優先席に座りながらスマホゲームに夢中になり2人組の高校生を見かけました。高齢者の方が来たらあなたならどうしますか。教科書には出ていませんが、優先席は電車やバスで一番乗りやすい場所、降りやすい場所にあります。電車やバスでは優先席に限らず、高齢者や足の不自由な方、妊娠している方などいたら、席を譲りましょう。「どうぞ」の一言です。周囲の人への気ばたらきが大切です。

 たった一言で人は傷つく。たった一言で人は微笑む。たった一つの行動で人は癒されます。自分がやさしく話しかければ、きっと相手も穏やかに答えを返してくれる。言葉や行動は、人から人へ「こだま」します。

【校長ブログ】先生方への感謝を込めて~川口高校で離任式~

 4月18日、県立川口高校では今年度の人事異動に伴う離任式が行われ、長年にわたり多くの生徒から親しまれてきた3人の先生方が最後の挨拶を行いました。式には2・3年生生徒と教職員が参加し、体育館に温かい拍手が響きました。

 

 ご勇退された斎藤幸栄子教諭は、これまでの教員生活を振り返りながら、「生徒の成長を見届けることが何よりの喜びでした。皆さんの笑顔に、日々元気をもらっていました」と語りました。授業や行事での思い出を紹介すると、生徒たちは真剣なまなざしで耳を傾け、別れを惜しむ表情を見せました。美術部の生徒は、「厳しくも温かく接してくれる先生でした。寂しいけれど、感謝の気持ちでいっぱいです」と話していました。斎藤教諭は今後も油絵の創作活動を続ける予定とのことです。

 大宮工業高校に転勤された安倍孝司教諭は、人生を24時間に例えて「高校生の皆さんの人生はこれからできることがたくさんある。自分も毎日が刺激的だ」とエールを送っていました。川口東高校に転勤された横山哲也教諭は。川口高校と川口東高校の立地環境を比較しながら「高台には高台の良さ、平地には平地の良さがあり、それぞれの良さに気付くことが大切」と激励されました。

 転退職された19名の先生方のご活躍を祈念しています。

【校長ブログ】幸せの感じ方~春爛漫の川口高校~

 4月16日、早朝、校舎内を巡回していたら、久しぶりに富士山が良く見えました。真冬の富士山とは違う陽春の富士山。朝から清々しい気持ちになりました。

 1年生も高校生活になれてきたようです。幸せの概念は多様ですが、ポジティブ心理学の第一人者であるマーティン・セリグマンの唱える「幸せの種類」について紹介します。セリグマンが唱えたウェルビーイングの多面的モデルを解釈すると、幸せには5つの種類があるということになります。「達成」「快楽」「没頭」「良好な人間関係」「意味合い」の5つです。

 「達成」は何かを成し遂げたときに感じる幸せ。自信に繋がりやすい幸福感です。

 「快楽」は美味しいものを食べた時などに感じられる幸せ。幸せホルモンと称されるドーパミンが放出されるタイプの幸福感です。

 「没頭」は時間を忘れて夢中になっている時に感じる幸せのことです。

 「良好な人間関係」は、例えば、自分の好きな人と楽しく幸せに暮らすことや、気の合う仲間と時間を共有する幸せのことです。もしかしたら、コロナ禍で最も多く失われた幸せはこれかもしれません。

 「意味合い」は、自分が誰かに貢献していると感じることができている幸せのことです。自分の存在に意味を見いだせている状態といえます。これはモチベーションの源泉にもなり、毎日を快活で明るく過ごすために欠かせない幸せです。

 県立川口高校の皆さんには、たくさんの「幸せ」を高校時代に体感してもらいたいと思っています。

【校長ブログ】1年生のワクワク感が伝わります~対面式・部活動紹介~

 4月9日、春爛漫を感じる穏やかな日差しの中、県立川口高校のある諏訪山では桜が満開です。

 川口高校ではアリーナ(川口高校体育館は重層で「アリーナ」と呼んでいます)で対面式を行いました。1年生318名を、2年生315名、3年生306名が迎えました。2・3年生はクラスごとにショートコントや一発芸を披露して、笑いのあふれる対面式でした。午後からは、14の文化部、16の運動部がそれぞれ趣向をこらして部活動紹介を行いました。最後の書道部の書道パフォーマンスは圧巻でした。

【校長ブログ】「高く、正し」新たに318名の新入生~令和7年度入学式~

 4月8日午後、県立川口高校では第80回入学式を挙行しました。318名の新入生が、“チーム川高”に加わりました。壇上からは新入生一人ひとりの顔がよく見えます。一人ひとりの呼名の返事に、高校生活への決意と希望を感じました。式後の校歌披露では、2・3年生の運動部に所属する生徒有志約200名が各部のユニフォーム姿で登場し、川口高校校歌を声高らかに斉唱し、新入生を祝しました。

 入学式の校長式辞を紹介します。

 今日の晴れの日を待ち望んでいたかのように。ここ諏訪山の桜の樹々が、満開の花びらを揺らしております。この春の佳き日に、御来賓の皆様方の御臨席、多くの保護者の皆様の御列席を賜り、令和7年度 埼玉県立川口高等学校 第80回入学式を挙行できますことは、本校にとりまして大きな喜びでございます。ただ今、入学を許可いたしました318名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。教職員、在校生一同、皆さんを心から歓迎いたします。

 本校は、昭和16(1941)年に旧制川口市立川口中学校として開校し、今年で85年目を迎える伝統ある学校です。校訓「高く正し」のもと、生徒は高い目標を持ち、その実現に向かって正々堂々とひたむきに努力する校風を伝統としています。地域の大きな期待を担いながら、二万五千名の卒業生を世に送り出し、社会の様々な分野に、多くの有為な人材を輩出してまいりました。

 本校での第一歩を踏み出した新入生の皆さんに、「ビュリダンのロバ」について紹介します。「ビュリダンのロバ」とは、フランス中世の哲学者であるジャン・ビュリダンが作った話とされています。

 「ロバは、左の道の先と右の道の先に干し草を見つけた。ほぼ同じ距離、ほぼ同じ量の干し草が置かれている。どちらの干し草も美味しそうだ。どちらの干し草を食べるのがいいだろうか?ロバは迷った。左に二、三歩行くと、右のほうが良さそうに思えてくる。右に二、三歩行くと、左のほうが良さそうに思えてくる。そんなことを続けているうちに、ロバはとうとう餓死してしまった。」

 右の干し草を食べるか左の干し草を食べるか、これはどちらでもいいことです。さっさとどちらでも食べて空腹を満たしたらよいでしょう。しかし、人間には二つの刺激に挟まれて身動きが取れなくなるという場面があります。この話は、何かを選択することの難しさと同時に、何も選択できずにその場で立ち尽くしてしまう危険性を教えてくれています。

 私たちはコロナ禍をとおして、世の中には「正解」のない課題がたくさんあることに改めて気づきました。「正解」は一つではないでしょう。皆さんの今までの勉強の多くは、一つの答えのある問題を解くことでした。21世紀を生き抜く皆さんは、この「解」のない課題に立ち向かう力を身に付けることが大切です。

  新入生の皆さん。高校入学にあたって、最初に意識してもらいことを三点お話しします。

 一つ目は「一歩前へ」。これまでの小学校、中学校時代に思いどおりにならないこともあったと思います。今から、新しいスタートです。過去は変えられない。でも、未来は変えられる。皆さんには、過去よりも未来にエネルギーを使ってもらいたい。必ず楽しい時が増えていきます。

 二つ目は「失敗を恐れない」。川口高校は、自分がチャレンジしたことに対して、安心して何度でも失敗の経験が積める場所でありたいと思います。失敗から学び、失敗を糧にして成長できる場でなければならないと思います。失敗したり間違えたりすることが恥ずかしいのではありません。失敗したり間違えたりする人を馬鹿にしたり、笑ったりすることが恥ずかしいのです。

 三つ目は「お互いを認め合う」。全ての人が気持ちよく高校生活を送れるように、という願いを込めて、私自身が人に対する接し方として心掛けていることをお話しします。それは、「人を人と比べない」、そして「人を悪く言わない」ということです。お互いを人として尊重し合い、傷つけたりしない。皆さんが気持ちよく高校生活を送れるようにしましょう。

 比べるとすれば、その相手は過去の自分でしょう。目標は、昨日の自分を超えること。去年の自分を超えること。皆さんが入学した「今」と比べて、これからどれだけ大きく成長し、変わっていかれるか。私もとても楽しみにしています。

 御参列の保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。教育は、学校、家庭、地域が一体となってお子様一人一人を育むことが大切でございます。私達教職員は、お子様が、自らの生きる道を、自らが切り開いていけるよう、全力を尽くして参ります。お子様の健全な成長を望み、豊かな個性を育てていくためには、学校、家庭、地域がそれぞれの役割を果たしながらも、連携を密にしていくことが重要でござます。そのためにも、是非とも本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 結びに、本日御臨席を賜りました皆様に改めて御礼申し上げますとともに、新入生の皆さんの高校生活が充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。

【校長ブログ】君は卵を立てることができるか?~令和7年度第1学期始業式~

 4月8日、県立川口高校では令和7年度のスタートです。桜も満開です。早朝に校内を巡視していると、早くから登校している生徒も多くおり、新年度の活気を感じました。

 午前中、新入生を迎える新3・2年生だけで令和7年度着任式、始業式を行いました。川口高校では、19名の先生・行政職員の方々が転退職され、新たに13名の先生・行政職員の方々が”チーム川高”に加わりました。第1学期は新年度のスタートです。

 私は、校長として生徒諸君に最初にどのようなメッセージを伝えるか、毎年悩んでいます。今回は、昨年度の修了式のテーマを踏まえ、一歩前へ歩みだす気概について伝えようと考えました。今年度の川高生の活躍に大いに期待しています。始業式の校長講話を紹介します。

 

 皆さん、おはようございます。
 3月24日の修了式で、「春休みに、高校時代に全力で挑むことができる「野心」を見つけてください」と話しましたが、「野心」は見つかりましたか。皆さんの努力という車の後輪が機能するために、前輪の「野心」をしっかりと見つけてください。
 皆さんは、卵を立てることができますか?
 この楕円形の卵は立つのでしょうか?
 私は、立てることができます。たぶんここにいる先生方の中でも、卵を立てたことのある先生はいないと思います。
 「コロンブスの卵」という話があります。アメリカ大陸に到達したクリストファー・コロンブス(1451- 1506)の功績を祝う晩餐会で、ある男が「西へ西へと航海して陸地に出会っただけではないか」というねたみに対して、コロンブスは卵を取り上げ、「この卵を卓の上に立ててごらんなさい」と言いました。誰にもできなかったところ、卵の尻をつぶして立ててみせたという逸話から、「誰でもできる事でも最初に実行するのは難しい」という例えです。日本でも、1921年から1940年まで「尋常小学国語読本」に取り上げられていました。ただし、これは実話ではなく、16世紀頃に作られた話らしいです。
 ここでお話したいポイントは「情報」の大事さです。卵は立たないという先入観があれば、卵を立てようとはしません。しかし、「卵は立つ」という情報があれば、実際に試してみて卵を立てることは、難しいことではありません。
 卵が立つことを信じている又は卵が立つことを知っている子は成功させるのが早い。半信半疑な子はすぐに諦めちゃいますね。他の子が卵を立たせるのに成功したのを見て「ほんとにできるんだ」と分かってからようやく成功させます。
 私にとって、「コロンブスの卵」の逸話が面白いと感じたのは、その逸話によって、「卵は立たない」という先入観が与えられるという事です。その結果、卵を立てるという現象で人を驚かせる事も可能になります。
 このことは、皆さんの学習や部活動などにもあてはまります。「この勉強でも部活動でも、頑張って続けていたら必ず上手くいくんだ」と信じて取り組んでいる人は、受験でも何でも成功しやすい。
 この感覚がわかれば、今よりももっと高校生活が充実すると思います。
 まずは、卵を1個立ててみましょうか。

 川高生の皆さん
 元気に挨拶してますか。 挨拶は自分を伸ばしてくれます。
 他人に優しくしてますか。 他人への優しさは自分を見抜く力を与えれくれます。
 夢を諦めていませんか。 夢は今を楽しみ前進する原動力です。
 志高く。 

【校長ブログ】チーム川高

 3月28日、県立川口高校では、今週の暖かさの中で校内の桜も咲き始めています。グラウンドでは野球部、アリーナでは、女子バスケット部、女子バドミントン部、卓球部、柔道部、剣道部、音楽室では吹奏楽部が元気に活動していましした。

 川口高校では、松本恭介校長先生(第22代:平成28・29年度在籍)の時代から「チーム川高」を前面に打ち出しています。チーム川高とは、「教職員、生徒、保護者をチームとして捉え、一体となって生徒の可能性を追求し、全力で生徒の自己実現をサポートしていく集団である」と定義しています。

 人間が集団で行動する際、「グループ」や「チーム」、「組」、「班」、「団」などいろいろな呼び方があります。「グループ」と「チーム」には違いがあるそうです。

①「グループ」は強いリーダーに率いられる。「チーム」は状況に応じてリーダーシップを分かち合う。

②「グループ」はただ黙々としている。「チーム」は楽しみ、笑いが絶えない。

③「グループ」は必要だから集まる。「チーム」は仲間との集いを待ち遠しく思う。

など、「グループ」と「チーム」には違いがあるそうです。

 3月24日、誠に残念ながら、かけがえのない「チーム」の一員である県立川口高校に15年間ご勤務された先生がご逝去されました。心からお悔やみ申し上げます。幽明境を異にすることとなり、痛恨の極みです。先生の思いも受け継ぎ、よりよい「チーム川高」になるように全力で取り組んでまいります。

【校長ブログ】「野心」のすすめ~令和6年度修了式~

 3月24日、県立川口高校では、令和6年度修了式を行いました。

明日から学年末休業に入りますが、生徒諸君は奮闘努力してくれたと思っています。

修了式の校長講話を紹介します。

 

 

今日は、「野心」についてお話しします。

皆さんは、「野心」と聞くと、どのように思いますか。『広辞苑』では「野心」とは、「人に馴れ服さないで、ともすれば害しようとする心」、「身分不相応の大きな望み。野望」、「大きな飛躍を望んで、新しいことに大胆に取り組もうとする気持ち」とあります。

日本大学理事長で作家の 林 真理子 さんが12年目前に『野心のすすめ』(講談社新書 2013年)という本を書きました。右肩下がりの時代になって、格差社会が広がって、日本の若者は野心を持たなくなりました。それでは日本がダメになる、努力した人だけが見える世界もあると伝えたかったそうです。2年に出版された『成熟スイッチ』(講談社新書 2022年)と一緒に再読して改めてなるほどと思いました。

『野心のすすめ』では、「世間で『野心』といえば、腹黒かったり身の程知らずであつかましいイメージが先行しています。『野心家』となると、もうほとんど悪人扱いです。」と書いてありました。車は前輪と後輪が機能して前に進みます。林 真理子 さんは、「『今のままではだめだ。もっと成功したい』という『野心』は、自分が成長していくための原動力になりますが、一方で、その『野心』に見合った努力が必要になります。野心が車の前輪だとすれば、努力は後輪です。野心と努力、両方のバランスがうまく取れて進んでいる時こそ、健全な『野心』といえるのです」と言っています。

川口高校の皆さんは、とてもやさしく謙虚です。米国IT大手アップルの創業者であるステーィブ・ジョブズ氏は、「感謝の心が人を育て、感謝の心が自分を磨く」と言っています。やさしく謙虚なことは素晴らしいことで、この先の人生でもずっと大切にしてほしいと願っています。

しかし、同時にもっと自分に自信をもってもいい。もっと高みをめざす「野心」を抱いてもいい。もっと尖がってもいいと私は思っています。なぜなら、皆さんのこれから歩む「道」が社会に希望をもたらし、やがて多くの人が歩く「道」となる。皆さんには才能と無限の可能性があるからです。

 

「今のままじゃだめだ。もっと成長したい。もっと成功したい」。皆さんは そんな野心を持っていますか?その野心は社会に貢献できるものですか?若者の特権は、「何でもできる」ではなく、「何でもできると思える」ところにあります。「野心」は大きくても小さくてもかまいません。

「高校時代に英検2級に合格したい」

今日、校歌を演奏してくれる吹奏楽部の生徒が「全国大会に出場したい」

野球部の生徒が「絶対に甲子園に出場したい」

ラグビー部の生徒が「花園に行きたい」

大学受験を目指す生徒が「日本大学に合格したい」「絶対に、早稲田大学に進学したい」

是非この春休みに、高校時代に全力で挑むことができる「野心」を見つけてください。そして、その「野心」を自分の人生を豊かにするだけではなく、世の中を豊かにすることにつなげてください。

皆さんは、4月から新しい学年に進級します。新入生も入学し、新たな出会いが待っています。世界は、正解のない課題に満ちています。皆さんが、混迷する世界に希望の灯をともし、多くの人が歩く「道」をつくる次世代のリーダーになってください。川高生にはそれができると私は信じています。

川高生の皆さん

元気に挨拶していますか。

他人に優しくしていますか。

夢を諦めていませんか。

志 高く。

元気に4月8日の始業式で会いましょう。

【校長ブログ】厳しさを乗り越えると春が来ます~2学年進路説明会を開催~

3月19日、思いもかけない雪で県立川口高校は雪景色になりました。

 

 2学年は教室やアリーナを会場に進路説明会を行いました。岩手大学、埼玉県立大学、日本大学、東京電機大学など46の大学、川口市立看護専門学校、日本工学院専門学校、埼玉県理容美容専門学校をはじめ43の専門学校の先生方にご来校いただき、生徒への学校説明を行っていただきました。50分の説明を2学校聞くことができました。自分の興味関心に合わせて、真剣に聞いていました。

 ご来校いただいた大学・専門学校の先生方に、改めて感謝申し上げます。

 

 

 進路指導部の先生は「3学年0学期としてしっかりと取り組んでもらいたい」と激励していました。

 午後になると一転して青空も見えました。人生も、厳しさを乗り越えると春が必ず来ます。進路実現に向けて、がんばれ川高生!

【校長ブログ】期待に胸を弾ませて~県立川口高校 入学許可候補者説明会~

 3月18日、中庭の木蓮が満開です。県立川口高校は、入学許可候補者説明会が行われました。入学者選抜試験には合格したので“新入生”になりますが、まだ入学前なので高校では“入学許可候補者”と呼んでいます。

 校門では在校生が元気に部活動勧誘を行っていました。入学許可候補者・保護者は、アリーナ(体育館)で各担当から説明がありました。入学許可候補者の皆さんの期待に満ち溢れた表情が印象的でした。一人ひとりの知・徳・体が伸張するように、学校としてしっかりとサポートしてまいります。

【校長ブログ】必ず道は開ける~県立川口高校卒業式 卒業生式辞~

 3月13日の県立川口卒業式では、在校生代表の送辞を受け、卒業生代表から答辞がありました。答辞の紹介はあまりないと思いますが、コロナ禍で3年間苦労した卒業生諸君です。私も答辞を聞いて、とても感動しました。後輩たちへの熱い思いも語られています。コロナ禍を過ごした卒業生のメッセージを紹介します。

 寒さの中に暖かい日差しが差し込み、花々の息吹を感じられる季節となりました。本日はご多忙の中、私たち77期生の卒業式にご臨席くださり、ありがとうございます。

 思い返せば3年前の春、期待と不安の中、川口高校に入学したことを懐かしく思います。入学してから過ごしてきた3年間は本当にあっという間でした。クラスの仲間と過ごした何気ない日常も今となってはかけがえのない時間に思えます。

 期待に胸を膨らませていた私たちの高校生活は入学式直後、新型コロナウイルス感染症の影響による学級閉鎖から始まりました。学校に行けるようになってから一日中マスクを着用して過ごし、昼食をとる際も自席で正面を向いて食べたりと感染症対策をしながら学校生活を過ごしていました。友達を作ることもままならない状況で、高校生活の一歩を踏み出すのが、より一層難しく感じました。

 そのような中、高校生になって初めての行事である遠足では、八景島シーパラダイスに行きました。クラスの仲も深まり、初めて高校生らしいことができたと思います。そこでは大きな水槽の前で写真を撮ったり、遊園地で遊んだりしました。集合時間ギリギリなのにクーポンを使い切るために売店に立ち寄って、時間に間に合わずに先生に叱られたのも、今となっては良い思い出です。

 体育祭では、クラスTシャツを着てクラスメイトや同じ団の仲間と全力で競技に参加したり、応援しあったりしました。台風の目の棒が頭に当たるという思わぬハプニングもありましたが、優勝を目指して円陣を組み、気合を入れたことや心を一つにして大縄を跳んだことは、とても良い思い出になりました。

 文化祭では、夏休みの後半から準備を少しずつ進めたりして、クラスの人と協力をして取り組むことができました。予算内に抑えるために工夫して衣装を作ったことや、友人が描いた素晴らしい黒板アートはずっと忘れません。初めて自分たちの手で行事を成功させるという経験をし、達成感でいっぱいになったことを今でも覚えています。

 2年生になり、新型コロナウイルス感染対策も緩和し、コロナ禍前の日常が少しずつ戻ってきました。昼食は、よく食堂に行って学食を食べました。とても美味しくて、毎日食べても飽きないくらいメニューが豊富な学食が大好きだったので、もう食べることがべきないと思うと寂しいです。

 大きな学校行事の一つである修学旅行では、広島、大阪、京都に行きました。その中でも一番印象的だったことは、一日目に行った広島平和記念資料館です。そこでは戦争の恐ろしさ、平和であることの尊さを学びました。その時に見た写真の数々は未だにこの目に焼き付いています。私たちは、生きていることが当たり前だと思ってしまい、明日が来ないかもしれないとは想像もつきません。しかし、生きていることは当たり前ではなく、非常に困難なことだと改めて知り、毎日を大切に生きようと思えました。そして、これからを生きる私たちは、これらのことを伝えていかなければならないことを痛感しました。友達と過ごすこの非日常の4日間は一生忘れられない思い出となりました。

 3年生になり、全ての行事が「高校生活最後」になり、だんだん卒業が近づくのを感じながらの学校生活でした。進路実現に向けた活動も本格化し、それぞれが自分自身と向き合って自分のやりたいことは何なのかを深く考えた期間となりました。これまで私たちが不自由なく進路活動に取り組むことができたのは、いつも相談に乗ってくださった先生方やずっとそばで支えてくれた保護者の皆様の助けがあったからだと思います。ありがとうございました。進路活動を通して、私たちは立派に成長することができました。これからも自分自身の夢を実現させるための努力を重ねていきたいと思います。

 私は、この川口高校に入学し、多くのことを経験しました。時には大きな壁にぶつかり、挫けそうにもなりましたが、最後まで諦めず努力し続けることで、困難を乗り越えてきました。この経験を活かして将来どのような困難にも負けず、前を向いて進んでいきたいと思います。

 在校生の皆さんには、「どんな壁が立ちはだかっても、前を向いて、少しずつ進めば、必ず道は開ける」ということを伝えたいです。思った時に行動しなけければ後悔がが残ってしまいます。そうならないためにも何事にも積極的に挑戦し、川口高校でしかできないことをたくさん経験してください。在校生の皆さんが、川口高校の良き伝統を受け継ぎ、発展させていくことを願っています。

 私たちが卒業式を迎えられたのは、ユニークな学年主任の先生をはじめ、個性あふれる学年団の先生方、辛いことも一緒に乗り越えてきた仲間たち、そして、私たちを一番近くで見守り、背中を押してくれた保護者の皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

 私たちはこれから、この三年間での経験を糧として新たな空へ羽ばたいていくと同時に、校訓「高く正し」に恥じないよう日々精進してまいります。

 最後になりましたが、学校生活を支えてくださった全ての方々に改めて御礼を申し上げるとともに、川口高校の更なる発展と皆様のご健康をお祈りし、答辞とさせていただきます。

 令和7年3月13日

   埼玉県立川口高等学校 卒業生代表 守屋 希香

【校長ブログ】旅立とう 未来を信じて~県立川口高校卒業式~

 3月13日、県立川口高校では第77回卒業証書授与式を行いました。卒業した77期生は、1年生の時は新型コロナウイルス感染防止のために大きな制約を受け続けた高校生活のスタートでした。卒業生、保護者の皆様、学年団の先生方の今日までの奮闘に改めて敬意を表します。ご卒業、おめでとうございます。

 卒業式では、最後に県立川口高校校歌を卒業生、在校生、教職員で大きな声で斉唱した後、式歌として「旅立ちの日に」(作詞:小嶋 登 作曲:坂本 浩美)を一同で斉唱しました。卒業生一人ひとりの川高への思いを実感しました。

 今、校長室では、下校する卒業生たちが斉唱している校歌が聞こえています・・・

 本日の式辞を紹介します。

 

 中庭の木蓮の蕾もほころび始め、春の息吹を感じる季節になりました。この春の佳き日に、埼玉県立川口高等学校 77期345名の皆さんが、この諏訪山の学び舎から旅立つことを、大変うれしく思います。

 御来賓の皆様の御臨席、多くの保護者の皆様の御列席を賜り、私たち教職員とともに卒業生の門出を祝していただけますこと、心より感謝申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与いたしました345名の77期生の皆さん、卒業誠におめでとうございます。保護者の皆様におかれましては、お子様の御卒業、心からお祝い申し上げます。この3年間は様々な御苦労、御心配があったことと拝察いたします。

 77期生の皆さん。卒業式にあたって、私の小さな思い出をお話しします。

今から3年前、私が皆さんと初めて出会ったとき、何人かの生徒が私に言いました。「僕たちはどうしても川口高校に通いたかったんです」と。そのとき私は少し驚きました。「どうして川口高等学校だったのですか」と聞くと、ある生徒がこう答えました。「だって、川口高等学校の校舎が他の学校よりも広いから、勉強しやすいと思ったんです」と。皆さんも、学校生活を通じて多くのことを学んできたと思います。それは教室の中だけではなく、校舎の広さを活かして、友達との交流や部活動、そして時にはその「広い空間」で何気ない会話を交わすことも大切な経験でした。

という思い出話は、私が書いたものではありません。これは、人間ではなく、生成AI(人工知能)が書いたものです。「面白いエピソードを入れた川口高校の卒業式式辞」と入力すると、すぐに答えが返ってきました。

 AIは、インターネット上に存在する膨大な情報を、瞬時に集めます。私が川口高等学校の校長であること、川口高等学校にはこのアリーナをはじめ、野球場、サッカー場、ラグビー場など広大な敷地があることなどの情報を把握したのでしょう。しかし、間違っていることもあります。AIは、私が川口高校に3年前から校長をしていると推定しています。そして何よりも面白いエピソードでは全くありません。

 皆さんは、聞いたときに直ぐにおかしいと気付いたでしょう。このように私たちには当然わかることが、AIにはわからないのです。技術を学ぶことも大切ですが、その技術を扱うのは人間です。あなたしか語ることができない「ことば」を大切にしてください。それが「個性」であり「人格」です。

 皆さんが歩み出すポストコロナの今日の社会は、国際社会では、ロシアによるウクライナ侵攻、中東パレスチナでの軍事衝突と人道危機、貧困、地球環境問題など、多くの困難な問題に直面しています。日本では国際的地位が低下し、GDP(国民総生産)は米国に次いで41年間世界第2位でしたが、2010年に中国、2023年にはドイツに抜かれ世界第4位に後退するなど、縮みゆく日本の前途が案じられています。そのような中でも、AI技術の台頭は、人類史上、大きな転換点となるでしょう。

 AIは私たちの生活、ビジネス、社会全体にすでになくてはならない存在となっています。その進化は私たちの生活を便利にしてくれるでしょう。私たちはAIを拒絶し過ぎることなく、しかし、AIに迎合し過ぎることもなく、人間とAIとがうまく共存する道筋を見出さなければなりません。

 人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル氏が、今から20年前、2045年にAIが人間の知性を超える時点、いわゆるシンギュラリティを迎えることを唱えたのは有名です。しかし、想像をはるかに超えるスピードで技術は進歩し、シンギュラリティは5年後に迫っているという論調すら出てきています。 

 世界がコロナ禍前の時代に戻ることはありません。コロナ禍によって失われたものもありますが、新たに生まれたものもあります。これからのポストコロナの時代は、皆さんが創る新たな世界です。

 そこで川口高等学校を巣立つ皆さんに、哲学者の鷲田清一さんの言葉を贈ります。

  「ことば」は、今までとは違う自分に変わるための、手がかりです。

  「私の人生は、こういうもの」「社会って、こういうこと」。誰もが自分なりのものの見方を持っていると思います。でも、もしかしたら全く違う見方が、あるのかもしれません。それに気づくきっかけになるのが、「ことば」であると述べています。

 「ことば」をしっかりと受け止めましょう。馴染みのない「ことば」を何度も見返すうちに、人生や社会は「こういうものだ」という思い込みが薄れていきます。そして、「ことば」の輪郭がくっきりしてきて、世界がずいぶん違って見える時が訪れます。「ことば」をきっかけに、今までとは違う自分に変われます。

 77期生の皆さん。ポストコロナの時代は、過去の成功例が通用せず、「正解」がない時代です。「正解」は一つではないでしょう。皆さんの今までの勉強の多くは、一つの答えのある問題を解くことでした。しかし、これからは、何が問題か分からない場合もあれば、問題が分かったとしても誰も答えを知らないという状況に遭遇します。21世紀を生き抜く皆さんは、この「解」のない課題に立ち向かう気概を持ち続けましょう。失敗することを恐れず、チャレンジしてください。

 77期生の皆さんの健闘を称え、ますますの活躍を期待するとともに、前途に幸多きことを心からお祈り申し上げ式辞といたします。

【校長ブログ】ささえあったら、人になる~東日本大震災から14年~

 3月11日、県立川口高校では、学年末考査返却日です。中庭の木蓮の蕾もほころび始めました。

 今日3月11日は、2011年(平成23年)3月11日14時46分に東日本大震災が発生してから14年がたちました。県立川口高校でも半旗を掲揚しています。当時、私は県立高校の教頭をしていて、鉄道が不通になったため自宅に帰れなくなった生徒307名と、東京方面から徒歩で帰宅を目指す帰宅困難者の方160名を学校に宿泊してもらい、徹夜で対応してことを思い出します。

 想像を絶する東日本大震災の被害に私たちは言葉を失い呆然としました。平成23(2011)年に大手広告会社電通が制作したCMに「ささえあったら、人になる」という作品があります。3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに考えさせられた「人と人どうしの助け合いの大切さ」。作品では「人」という文字をモチーフに、音楽とアニメーションで構成しています。 

♪ながいぼうに

 みじかいぼう。

 ささえあったら、

 人になる。

 ささえることで

 人を知り、

 ささえられて、

 人となる。

♪ながいぼうに

 みじかいぼう。

 ささえあったら、

 人になる。

 ささえるから

 人なんだ。

 ささえられるから

 人なんだ。

「人を支え、支えられることが、今、必要である」ことを訴えた作品です。

  大震災に遭遇しながらも、節度を失わず、悲しみに耐え、譲り合い、助け合う被災地の皆さんの姿は、私たちに「こころ」や「思い」がこの時代に大切なことを再認識させてくれました。あれから14年の年月が流れ、たぶん在校生は記憶にないでしょう。しかし、私たち大人は、東日本大震災の時の思いを語り継ぎ、あのときの思いを忘れてはいけないと思います。

【校長ブログ】先輩から大学受験方法を学ぶ~受験報告会を実施~

 川口高校では、3月6日に318名の入学許可候補者発表をオンラインで行いました。新入生が川口高校で充実した高校生活を送れるように、私たち教職員がしっかりとサポートしてまいります。

 

 本日3月10日、川口高校では、学年末考査返却、受験報告会です。受験報告会は、3年生で大学一般選抜の合格者による合格体験報告会を行いました。

 今回は、現3年生9名が1・2年生に大学一般選抜受験へのアドバイスを行いました。9名の3年生が、一般選抜を受験して取り組んだこと、悩んだこと、後輩に向けての激励メッセージなど一人ひとりが工夫したプレゼンをしてくれました。「在学中に英検2級を取得するととても有利だ」、「自分は受験勉強のスタートが遅かったので、スタートは早ければ早いほど良い」、「一般選抜受験だからこそ経験できることがあるので、チャンスあるものは挑戦すること」などという具体的なアドバイスがありました。1・2年生はポイントをしっかりとメモしていました。

「高3の夏休みに480時間勉強した」というお話には、大学受験もスポーツも、物事を成就するためにはある程度の時間数が大切だということを実感しました。事前準備をしてプレゼンしてくれた3年生の皆さんに改めて感謝です。

がんばれ川高生!

【校長ブログ】これまでのがんばりは、必ず力になります~高校入試が終わりました~

 2月26日、県立川口高校では、埼玉県公立高等学校入学者選抜の学力検査日。無事に学力検査を終了しました。

 先週の真冬を思わせる厳しい寒さから一転し、春を少し感じさせる今朝、緊張した受検生諸君が続々と川口高校に来校しました。国語、数学、社会、理科、英語の試験が終わり、家路に向かう受検生の皆さんのホッとした笑顔が印象的です。

 受検生(埼玉県では学力検査を受けるので、“受験生”ではなく“受検生”と言っています。)の皆さんは、本日まで、勉強だけでなく、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ対策など、本当に大変だったと思います。また、ご家族の皆さまは、誰よりも応援されてきたことと拝察いたします。

 入試業務は、事故がなくて当たり前ですが、担当する学校にとっては、とても気を遣う業務です。天候や、交通機関の遅延対策など、いろいろな危機管理の想定をして実施しています。そのような中で本日を迎え、受検生の皆さんに実力を発揮してもらえる環境づくりができたて良かったと思っています。

 一生懸命に取り組んできた受検生の皆さんに、改めてエールを送りたいと思います。これまでのがんばりは、必ず大きな力になります。今夜はゆっくりと過ごしてくださいね。

【校長ブログ】さあ、次の扉をノックしよう~がんばれ受験生~

 埼玉県公立高校の出願・志願先変更が終わり、志願者数が確定しました。2月26日が学力検査です。県立川口高校は401名の出願で1.26倍となっています。

 大学受験では、私立大学入試がピークを迎え、国公立大学が2月25日から第2次試験(個別試験)前期日程、3月12日から第2次試験(個別試験)後期日程です。

 受験生の皆さん、入学試験は、人生において大きな試練の一つですが、最後の最後まで自分の力を信じましょう。

 私は、高校時代は山岳部に所属していました。1年生の夏合宿では標高3,180mの北アルプス槍ヶ岳の山頂を目指し、30キロの荷物をザックの中に入れ、登り道を一歩一歩登っていきました。一緒に登っている先輩や仲間に迷惑をかけないように、「あと少し、あと少し」と登ったことを覚えています。背負う荷物の重みは、全て肩に食い込みます。しかし、標高が高ければ高いほど、その山頂に立った時の達成感は今でも忘れません。

 私の好きな歌の一つにMr.Childrenの「終わりなき旅」(1998年リリース)があります。この曲は受験・就職の失敗など色々な挫折を経験した人が新しい一歩を踏み出すため、あるいはこれから大きなチャレンジをしようとする人が、その背中を押してもらうための定番の一曲といわれます。私の好きな部分の歌詞を紹介します

♪難しく考え出すと 結局全てが嫌になって

 そっとそっと 逃げ出したくなるけど

 高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいものな

 まだ限界だなんて認めちゃいないさ

♪閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて

 きっときっとって 君を動かしている

 いいことばかりでは無いさ でも次の扉をノックしよう  

 もっと素晴らしいはずの自分を探して

♪胸に抱え込んだ迷いが プラスの力に変わるように

 いつも今日だって僕らは動いている

 嫌な事ばかりではないさ さあ次の扉をノックしよう

 もっと大きなはずの自分を探す 終わりなき旅

  これからの人生、いろいろな扉や壁に出会うと思います。これからも、もっと素晴らしい自分を探すための旅は続きます。次の扉をノックして、もっと大きなはずの自分に出会いましょう。

がんばれ川高生!がんばれ未来の川高生!

【校長ブログ】社会問題を考えてキャラクターで伝える~立体ポスター~

 高校の芸術科は音楽、美術、書道、工芸の4科目から構成されています。県立川口高校では、1年次の必履修選択科目として「音楽Ⅰ」「美術Ⅰ」「書道Ⅰ」を開講しています。

 高校教育の教育課程の基準である学習指導要領では、芸術科の目標は、「芸術の幅広い活動を通して、各科目における見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の芸術や芸術文化と豊かに関わる資質能力を次のとおり育成することを目指す。①芸術に関する各科目の特質について理解するとともに意図に基づいて表現するための技能を身に付けるようにする ②創造的な表現を工夫したり,芸術の良さや美しさを深く味わったりすることができるようにする ③生涯にわたり芸術を愛好する心情を育むとともに、感性を高め、心豊かな生活や社会を創造していく態度を養い,豊かな情操を培う とあります。

 県立川口高校の芸術科(美術)の 齋藤 幸栄子 教諭は、美術の授業で、「立体ポスター」と題して今日の社会問題を考察させ、キャラクターを通して立体的に表現するというユニークな取組を行っています。いわゆる闇バイト防止を訴える「学生の闇バイト 高収入バイトは犯罪!」や海洋プラスティック問題を訴える「ペットボトルの使用を減らせ!水筒を持ち歩こう」などユニークな作品が展示されています。

 大切なのは社会問題を認識する力と表現力。より良い社会にしたいという若者の純粋な気持ちを大切にしたいものです。

 

【校長ブログ】「できる高卒」と「できる大卒」~自ら学ぶ力~

 2月3日、県立川口高校では、本日から3学年が家庭研修です。大学受験をする生徒諸君の第一志望校合格を祈念しています。

 今日は立春。暦のうえでは春になりましたが、寒いですね。この週末、教育社会学者である 濱中淳子 早稲田大学教授の『検証・学歴の効用』(勁草書房 2013年)を読みました。濱中淳子教授には、データ分析等でご教示をいただいたことがあります。学校教育にとても造詣の深い先生です。先生の大学入試センター研究開発部准教授時代の著作です。

 「できる高卒」と「できる大卒」の分析をされています。「仕事ができる人」「仕事ができない人」を所得で表すことによって分析しています。人生において収入が全てとは思いませんが、一つの指標として興味深い分析でした。分析で吟味した要因は、①上司との対話の頻度 ②あこがれる先輩がいるかどうか ③自己学習時間 だそうです。

「できる高卒」は、①②は相関があり、③は影響があまりなかったとのこと。上司とよく対話し、先輩や同僚の中にお手本となる人を探し、そこから学んでいる傾向が強いとのこと。他者との関わりの中で成長しているようです。「できる大卒」は、①②は他者と違いが少なく、影響があるのが③の自己学習時間だったそうです。自分で何かテーマを決めて勉強するとか、新しい課題について調べたりする人が「できる大卒」になるとの指摘。国際比較調査でも、日本の社会人は学校を卒業すると自ら勉強しない傾向が強いと指摘されています。

 また、社会教育学者の 広田照幸 日本大学教授も「高卒の人でも、大卒の中の『できる人』と同じように、自分で何かテーマを決めて、コツコツ勉強してほしい。気づくと、あまり努力もしていない大卒の『できない人』を尻目に、会社の中の出世頭になったりするかもしれませんよ」と指摘しています。

 いつの時代でも自ら学ぶ力は大切だと思います。

【校長ブログ】先生方も学んでいます~高校生のこころの健康のために~

 1月23日、県立川口高校では、「高校生のこころの健康のために周囲の大人ができること」を演題に東邦大学医学部助教の内野 敬先生にご来校いただき、教職員研修を行いました。
 内野先生は、東邦大学医学部社会実装精神医学講座助教の他、一般社団法人SODA理事 を兼務されています。2022年に開設された「こころサポートステーションSODAかわぐち」(イオンモール川口前川)の運営にも携わっており、メンタルヘルスの不調や様々な心理社会的困難を抱えた思春期・青年期の若年者に対して、精神・心理面のサポートを行うとともに、地域における多領域の関係機関による連携支援体制づくりにご尽力されています。
 県立川口高校の先生方は、内野先生がご教示された事例やデータに、とても共感されていました。私は、コロナ禍以降、生徒や保護者の皆さんのお悩みが一層多様化していると思っています。県立川口高校では、メンタルヘルスの悩みを抱えた生徒や保護者が、悩みや困りごとが深刻になる前に、気軽に相談やサポートが受けられる体制づくりを目指しています。ご講演いただいた内野 敬先生に感謝申し上げます。

【校長ブログ】命の大切さを実感~生物解剖観察~

 1月22日放課後、県立川口高校では、生物実験室において3学年生物選択者の希望者を対象とした「豚の解剖観察」を行いました。通常の授業ではできない特別講座です。薬学や医療系への進学予定者などが集まりました。生徒も最初はビックリしていましたが、豚の頭部の構造に興味津々。私も、豚の頭部全体を初めてみました。刺激強めなので、写真は画像処理をしてあります。
 高校生物の「関心・意欲・態度」の観点は、「日常生活や社会との関連を図りながら生物や生物現象への関心を高め、目的意識を持って観察、実験などを行い、生物学的に探究する能力と態度を身に付けていること」を趣旨としています。身近な生命体としての豚を対象とした解剖実習は、知識の理解を深めつつ、生命尊重の態度を育成する取り組みとして有効です。食への無関心さや生命のリアリティの欠如など、現代社会のもつ課題からも生命への関心を高める必要性があります。
 今回の解剖観察を見学して、解剖実習は生徒に生物体の構造と機能に関する実感を伴った理解をさせることができるとともに、生命の素晴らしさを実感させることができると思いました。

【校長ブログ】経験・気合・勘の3Kで共通テスト「歴史総合・日本史探究」を解いてみた?!

 大学入学共通テストが終わりました。受験生の皆さん、お疲れさまでした。受験に立ち向かった力は、人生で君を励まし支える力になります。気持ちを切り替えて、最後は自分を信じて、さあ、個別入試、2次試験に向けてラストスパートです。
 私は、大学で日本史を専攻していたので、毎年、大学入学共通テストの日本史を解いています。今回から新学習指導要領に基づく出題になっており、「歴史総合・日本史探究」となり、出題内容も変わっています。今回は大学入学共通テスト「歴史総合・日本史探究」を解いてみました。県立川口高校の教科書選定のために昨年6月に日本史教科書に触れて以来、1ページも開いたことのない者が、昨年に引き続き経験・気合・勘の3Kで立ち向かってみました。私の結果は、33問中3問誤答の91点でした(涙)。昨年度と同じ誤答数、同じ得点でした。ご笑覧ください。 

 今回から、新科目の「歴史総合」と新科目「日本史探究」の試験です。「歴史総合」は、多くの高校では1学年で必履修となり、主に近現代の日本史及び世界史の両方を取り扱い、2022年の学習指導要領施行により新たに設置されました。また、かつての大学入試センター試験では、大問のリード文を読まなくても、各設問ごとの解答ができる問題が多かったのですが、大学入学共通テストでは、リード文と設問の関連性が強くなりました。
 私の印象としては、従来になく日本史の知識だけでは対応できない問題があり、受験生はだいぶ戸惑ったと思います。大問1は「歴史上における境界」を主題として、18世紀末~20世紀の東アジアやヨーロッパを中心とした歴史総合範囲の出題。問1のa・bは、時期に注意した上で地図における場所の判断が必要になる。bの上海が開港されたのはアヘン戦争後の南京条約による。「18世紀末」の時点で利用されていた港は、aの広州。従来の「日本史B」では把握しきれない問題。私も第1問でつまずきました。私の誤解答は第1問、第22問、第28問。反省しきりです。
 ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催の分析では、「大問数は6で昨年の日本史Bから変更はなく、解答数は32から33に増加した。蒙古襲来絵詞などの馴染み深いものから、ミルクキャラメルの広告まで多彩な資料が扱われ、受験生に身近な視点から出題された。資料読解を通じ歴史事象のつながりを考えるものが散見されるなか、踏み込んだ知識や時期判断を要するものも一定量みられ、難易は昨年の日本史Bよりやや難化」と分析。
 大手予備校の河合塾によると、「試作問題の歴史総合は、ほぼ日本史の知識のみで対応できたが、本試験の歴史総合では日本史の知識だけでは対応できない問題が複数出題されており、試作問題に比べて難易度が高かった」と分析。
 代々木ゼミナールでは、「昨年の「日本史B」に比べてやや難化した。新科目である歴史総合では日本史探究で学習しない世界史的な知識を問う問題の出題が多く、日本史探究でも判断に迷う問題が散見された。それに加えて、思考力・判断力を測る出題傾向は続いており、時間配分には苦労しただろう」と分析。

【校長ブログ】限界は 思うより もっと先~大学入学共通テストが始まります~

 1月17日、1995年に発生した阪神・淡路大震災から30年です。建物の倒壊や火災が相次ぎ、避難生活の長期化で体調を崩すなどして亡くなる「災害関連死」も含めて6434人が亡くなりました。国内で史上初めてとなる「震度7」でした。阪神・淡路大震災では全国からボランティアが駆けつけました。地震発生から1年間でのべ約137万人のボランティアが活動し、食料や物資の配給をはじめ、避難所での炊き出しや仮設住宅での見守りなどの活動にあたりました。地震の起きた1995年は、災害ボランティアの重要性が広く認識され、「ボランティア元年」と言われています。

 明日1月18日、19日は、大学入学共通テストです。今朝、出勤途中の電車の中刷り広告で、受験生を激励する予備校のメッセージを見ました。

「限界は 思うより もっと先」

まさに、そのとおりだと思います。

 多くの川口高校生も受験します。校長として今までの頑張りに自信をもって取り組んでもらいたいと思っています。1月18日は地理歴史・公民、国語と外国語、19日は理科、数学、情報。今回の大学入学共通テストから新たな教科「情報」が加わり、7教科(国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語、情報)21科目に再編されます。

 私は18日、19日は、関東高等学校ウエイトリフティング競技選抜大会で限界をこえようとする高校生を応援します。

 頑張る川高生を応援しています。

【校長ブログ】大人は、その範を示せているか…~成人の日~

 1月13日、成人の日です。新たに成人となった18歳は109万人だそうです。1月7日、読売新聞の読者投稿欄である気流U―25に県立川口高校の生徒2名の投稿が掲載されました。二人とも18歳であり成人。がんばるという決意を感じる文章です。来週1月18日、19日は大学入学共通テストであり、大学受験に向けてがんばっている姿が浮かびます。大人になると、つい出来ない理由を探したがりますが、大人がしっかりと頑張らないといけないと思いました。
 今日1月13日の朝日新聞社説「若者の学び 大人も点検する機会に」では、昨年度末に公表された「国際成人力調査」の結果について分析しています。なぜ日本社会に閉塞感が漂っているのか…。「急速に社会が変わる中、大人になっても自ら学び続けることの大切さが増している。大人は、その範を示せているか。」と鋭い問題提起をしています。
 私も18歳成人である生徒からも学んでいます。

◇本番で笑うために(田中健太郎)
 私は幼少期から空手道を始め、現在も続けている。私が通う道場は稽古が終わる時間が遅く、土曜日、日曜日にも稽古があるため時々つらく思うこともある。しかしそれでも、私は稽古をやめない。それは、師範から言われた「本番で笑うために、練習で泣け」という言葉に感銘を受けたからだ。
 この言葉を受けてから、私はどんなにつらい練習でも諦めず、今出せる全力で臨むようになった。そして段位の審査に合格できて、大会でもメダルを取れるようになった。今後の人生においても空手道はもちろん、受験や就職の場面でも、この言葉を胸に全力で頑張っていきたい。
◇目標達成へ自ら努力(花城 姫莉)
 私は受験生だ。ただし自信を失っている真っ最中だ。似たような状況は、小学生の時もあった。バスケットボールを始めたが体力はなく、コーチにいつもどなられて、自信とやる気を失ってしまっていたのだ。
 その時は、母が様子を見かねて悔しがり、私を自主練習に連れ出した。私は毎日の自主練習が嫌で、泣きながらやる日もあったが、おかげで体力がついて自信も取り戻した。そして、「やってよかった」と心から思った。
 今の私は、当時とよく似ている。ただし今度は、「自分から状況を打開し、目標を達成するための努力をしていきたい」と頑張っている。
 そして、受験が終わった時に、「頑張ってよかった」と胸を張れるよう勉強している。

【校長ブログ】富士も秩父も高く正し ~3学期始業式~

 1月8日、県立川口高校では3学期始業式です。早朝の校内を巡回していたら、凛とした朝空に校歌の一節にもある♪富士も秩父も高く正し♪のとおり、壮大な富士山、秩父の峰々、特に武甲山がよく見えました。

 校長として、校長講話は毎回何を伝えようか迷います。今回は、新年の賀詞交換とともに、生徒諸君一人ひとりに「行動することの大切さ」を伝えたいと思いました。米国の第35代大統領ジョン・F・ケネディ(1917-1963)が敬愛する日本の政治家としてあげた上杉鷹山(1751-1822)の言葉を紹介しました。

 始業式の校長講話を紹介します。

新年にあたり、「賀詞の交換」をしたいと思います。

 新年あけましておめでとうございます。(おめでとうございます。)

 新年に会社同士で年頭の顔合わせを行う集まりを賀詞交換会といいます。新年の挨拶を一堂に会して行なわれるので、一度に多くの方々と顔負わせと名刺交換が出来る場となり、ビジネスチャンスも広がります。教科書には全く書いていませんし、先生も教えてくれませんが、「挨拶をされて怒る人はいませんが、されないで怒る人はたくさんいます」。今年は巳年。蛇は脱皮を繰り返しながら、変化し、成長していきます。皆さんも、一皮むけて、一回り成長する年にしてください。意識して大きな声で挨拶をするよい習慣を身に付けてください。

  2025年がスタートしました。

 米国の大統領はいつの時代でも注目される存在です。今年1月20日、米国では第47代大統領に78歳のドナルド・トランプ(1946-)が返り咲きます。

 1961年、43歳で第35代米国大統領になったジョン・F・ケネディ(1917-1963)の就任の時、日本の新聞記者が「日本で最も尊敬する政治家は誰ですか」と質問し、ケネディは「上杉鷹山です」と話したそうです。日本人でさえ、上杉鷹山のことを知っている人が少なかった時代に、米大統領が尊敬していると言ったことで、非常に注目されました。大統領の長女であるキャロライン・ケネディ氏が駐日米国大使だった2013(平成25)年11月27日に東京都内で行った講演の中で、「父は18世紀の東北地方の大名で、優れた統治力と公益のために献身したことで名高い上杉鷹山を敬愛していた」と話しています。

 上杉鷹山は、日本史探究の教科書135頁の欄外で紹介されていますが、皆さんもほとんど知らないと思います。上杉鷹山については、歴史小説で童門冬二『上杉鷹山』(学陽書房 1983年)、藤沢周平『漆の実のみのる国』(文藝春秋 1997年)などで取り上げられています。

  令和7年の年頭にあたり、皆さんに上杉鷹山の名言を紹介します。

 「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」

 江戸時代中期に、現在の山形県にあった米沢藩の財政破綻を立て直した米沢藩第9代藩主・上杉鷹山(1751-1822)が、次期藩主や家臣に向けた家訓として残したものであると言われています。国語の古文の時間の訳としては、「やれば実現する、やらなければ実現しない、いかなることもそうだ、実現しないのは、その人がやらないからだ」であれば満点でしょう。AIで訳を求めたら、「 何かをやり始めれば、必ず成し遂げられる。 何もしなければ、何事も成し遂げることはできない。うまくいかないのは、他の誰でもなく、その人がやらなかったからだ。」と冷静な回答でした。

  とは言え、人生そんなに上手くいくわけでもなく、為しても成らないことの方が多いのが現実です。しかし、歴史上の名言には、その背景があります。まずは為さねば何も起こらないので、行動を起こすだけでも価値があるはずです。そして、成せなかった時でも、成し遂げた時でも、粘り強く事に当たるように心がけることが大切です。

  何事も「出来ない理由」を探すのではなく、できるための知恵を見出してほしい。生徒の皆さんが生きるこれからの時代は、激動の時代を迎えており、多くの困難に立ち向かう必要があります。

 こんな時代こそ、今から200年前の上杉鷹山の「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」は私たちに勇気を与えてくれる言葉です。 

 川高生の皆さん

 元気に挨拶していますか。

 他人に優しくしていますか。

 夢を諦めていませんか。

 志 高く。

【校長ブログ】受験生のがんばりを応援しています~今年度最後の学校説明会を開催~

 1月7日、新年早々ですが、県立川口高校では、今年度最後の学校説明会を視聴覚室で開催しました。受験生は、いよいよラストスパートの時期です。誰しも不安が生じるのは、「絶対合格したい」と思っているからであり、がんばっている証です。最後の最後まで取り組んでいってほしいと思います。

 2月26日の高校入試まであと51日。埼玉県では今回から電子出願となり1月27日(月)正午から2月10日(月)正午までが出願入力期間となります。従前よりも志望校の絞り込みが早まっている感じがしています。

 今年度の学校説明会は今回で終了となります。これまで学校にお越しいただいた多くの皆様に感謝申し上げます。

【校長ブログ】初春 日本書道美術院教育部展~令和7年始動~

 1月4日、県立川口高校では、サッカー部、ラグビー部、男子バスケットボール部、女子バレーボール部、男子バドミントン部、女子バドミントン部、柔道部、吹奏楽部などが新年令和7年の部活動を始動しました。
 第79回日本書道美術院教育部展において、3年生の 三上 芽留 さんの作品が、理事長賞を受賞しました。私は、さっそく東京都美術館(東京都台東区)で開幕した日本書道美術院教育部展に行ってきました。力作ぞろいの展覧会でしたが、かな部門の三上 芽留 さんの作品も写真のとおり素晴らしい作品でした。
 日本書道美術院は、戦後混乱さなかの昭和20(1945)年12月に全国に散在していた書家を結集して、結成された書道の総合団体です。教育部展は、高校生・中学生・小学生・幼年を対象とした書道展で、昭和21(1946)年から毎年開催している伝統ある展覧会です。
 三上 芽留 さんの益々の活躍を期待しています。

【校長ブログ】生徒一人ひとりのウェルビーイングを目指して

 新年あけましておめでとうございます。

 能登半島地震から1年が経ちました。被災地の一日も早い復興と、被災された皆様の生活が1日も早く平穏に復することをお祈り申し上げます。

 令和7年が始まりました。埼玉県立川口高等学校は今年で創立85年目を迎えます。生徒一人ひとりがウェルビーイングを実現できるように教職員全員でサポートしてまいります。引き続き、皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。

 ウェルビーイング(Well-being)は、well(よい)とbeing(状態)からなる言葉で、「身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること」を言い、1946年に世界保健機関(WHO)設立の際に考案された憲章の中で初めて言及されたものです。文部科学省の第4期教育振興基本計画(令和5年度~9年度)にも明記されています。

 今から10年前の2014年、2030年代の日本は、厳しい挑戦の時代を迎えていると予想されていました。生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会構造や雇用環境は大きく変化し、子供たちが就くことになる職業の在り方についても、様変わりすることになるだろうと見込まれていました。

 しかし、2030年代の到来を待たずに、2020年代は新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行、ロシアのウクライナ侵攻、パレスチナ紛争の激化など、協調・競争と分断・対立により混迷の度を増すグローバル情勢、気候変動に伴う自然災害の激甚化、生成AIなどデジタル技術の 発展といった大きな変化があいまって、社会や経済の先行きに対する不確実性がこれまでになく高まっています。

 昨年12月25日、小・中・高校で学ぶ内容や授業数を定める学習指導要領の改訂に向けた検討が中央教育審議会に諮問されました。そこでは、芸術やスポーツを通じた豊かな心身の育成を含め、多様な個人が幸せや生きがいを感じると同時に、地域や社会全体でも幸せや豊かさを享受できるよう、教育を通じて、調和と協調を重視する日本社会に根差したウェルビーイングの向上を図ることが必要だと述べられています。

 子どもたち一人ひとりがウェルビーイングを実現できるように、学校・家庭・地域が一体となって育むことが一層大切だと思っています。

【校長ブログ】高校生の無限の可能性を感じました~県教委主催・探究活動生徒発表会~

 12月26日、私は、日本薬科大学で開催された探究活動生徒発表会(埼玉県教育委員会主催)を初めて見学してきました。主催者の発表では約1100名の参加があり、159組490名の生徒が口頭発表やポスター発表に取り組んでいました。

 県立川口高校の生徒は参加していませんが、普通科・専門学科・総合学科の枠を超えただけでなく、、NHKでドラマ化された「宙わたる教室」のように朝霞高校定時制の口頭発表もあり、多くの生徒の発表を直接聞けたので、とても刺激的でした。

 埼玉県教育委員会では、平成22(2010)年度から東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)と連携し「県立高校学力向上基盤形成事業」に取り組んできており、毎年、「未来を拓く『学び』プロジェクト」シンポジウムを開催してきました。東京大学CoREFは平成29(2017)年3月に年限満了につき活動を終了しました。東京大学CoREFの研究チームは、東京大学高大接続研究開発センターを経て、令和3(2021)年4月から一般社団法人教育環境デザイン研究所にCoREFプロジェクト推進部門を設置し、協調学習の授業づくりプロジェクトに取り組んでいます。

 私も、高校教育指導課に勤務していた平成29・30年度には主催者側として運営に関わっていました。主体的・対話的で深い学びの一つとして知識構成型ジグソー法のシンポジウムには、北海道から福岡県までの21の都道府県から約700名の教員が参加していました。

 今回の発表会と前述のシンポジウムの違いは、生徒の発表の場であるかです。生徒の理科・数学などに基づいた探究だけでなく、地域探究やデータサイエンスに基づいた探究など、様々な切り口に感心しました。高校生の無限の可能性を感じました。

【校長ブログ】アニメ『めぐみ』を視聴~1学年人権教育~

 12月20日、県立川口高校では、1年生を対象とした人権教育を開催しました。アニメ『めぐみ』を各教室で視聴し、リフレクションを行い、北朝鮮当局による拉致問題についての理解を深めてもらいました。

 アニメ「めぐみ」は、昭和52(1977)年、当時中学1年生だった横田めぐみさんが、学校からの帰宅途中に北朝鮮当局により拉致された事件を題材に、残された家族の苦悩や、懸命な救出活動の模様を描いた25分のドキュメンタリー・アニメです。

 令和6年12月県議会において、埼玉県拉致問題等の早期解決に向けた施策の推進に関する条例が成立し、令和6年12月24日に公布・施行されました。

 本条例は、拉致問題等の早期解決に向けた取組に関し、基本理念を定め、県の責務及び県民の役割を明らかにするとともに、拉致問題等の早期解決に向けた施策の基本となる事項について定めることにより、拉致問題等を風化させてはならないという決意の下、拉致問題等の早期解決に資することを目的とするものです。

 1日も早い拉致問題解決を祈念しています。