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校長日誌

【校長ブログ】不正解ではありません。未正解です。~中間考査が始まりました~

 5月19日、県立川口高校では1学期中間考査が始まりました。各教室では、生徒が答案と格闘していました。中間考査は21日まで続きます。

 生徒の皆さんは、新学期を迎えてからここまでに自分自身が学習の正しい方法と習慣を身につけることができたか、この機にしっかり確認しましょう。特に1年生は、生活環境も学習内容も大きく変化した中で、学びのスタイルを上手く適合できたかが試されます。

 定期考査は、各教科で、卒業までに身につけさせたい学力から逆算して、時期ごとに獲得させるべき学力を目標に設定し、その達成度を測れる定期考査問題を作成しています。学校の先生は、授業改善には熱心ですが、定期考査となると旧態依然とした暗記型ばかり…では、真の学力を測定することはできません。考査問題を変える工夫と努力は、授業改善にも同等以上のエネルギーを投じることで、より大きな実を結ぶと思います。

 どんな人間も間違いから学び、前進していきます。間違いを放置せず、改善のきっかけとしていくことで成長していくのです。そう考えると、「×」はまさに成長過程の印。「ここが伸びるところだよ」の目印です。先生と生徒が、「×」の意味をしっかり共有して、先生はしっかり「×」をつけ、生徒はそれを受け止めて、解き直しをして学びを深めていく。不正解ではありません。未正解です。まだまだ伸びしろがあります。がんばれ川高生!

【校長ブログ】先生も勉強しています~専門学校研修会~

 5月16日、県立川口高校ではCareer Concept株式会社取締役 小田島 功 様を講師にお迎えして教職員向け専門学校研修会を開催しました。

 高校からの上級学校の進学先としては、大学、短期大学、専門学校が一般的です。専門学校は、1976(昭和51)年に学校教育法に専修学校が創立されたことで制度化しました。専修学校には、専門課程(専門学校)、高等課程(高等専修学校)、一般課程の3種類があり、専門課程を指して「専門学校」と呼んでいます。

 専門学校は、職業に関する実践的な教育や資格取得のための教育を提供する機関として、また、生活や趣味に関する必要な知識やスキルの習得を支援する機関として、多様な生徒を受け入れてきました。

 大学への進学指導については大手予備校等が実施する模擬試験などの指導ツールがあるのですが、そのような指導ツールのない専門高校への進学指導が一番難しいと私は思っています。それは、専門学校に対する評価が、就職先や資格取得率などによる傾向が強く、学生がどのように専門性を学び、卒業後にどのように社会で活躍しているかなどは分かりづらい面があるからだと思います。

 研修会では、就職先や資格取得率だけでなく、いかに学生本位の教育を実践しているかなど最良の専門学校への進学指導について学ぶことができました。Career Concept株式会社 小田島 功 様、ありがとうございました。

【校長ブログ】なぜ働いていると本が読めなくなるのか

 5月15日、県立川口高校は、19日からの1学期中間考査に向けて試験勉強モードに入っています。昨日も放課後、自習室の他、廊下の自習スペースで試験勉強をしている生徒の姿がありました。中間考査に向けて、がんばってください。


 三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書 2024年)を読みました。中央公論新社の新書大賞2025で第1位になったベストセラーになっている話題の本です。
読書が「教養・修養」から「娯楽」を経て「ノイズ」へと変わるという変遷の指摘には驚嘆しました。現代のスマホによる手軽な情報入手に対して、本は「ノイズ」を含むために読まれなくなったと分析しています。そして、働きながら本を読める社会をつくるために、「全身全霊社会」をほめるのではなく、「半身社会」で生きることをすすめています。
 私は電車通勤をしていますが、電車の7人掛けのロングシートで7人中5~6人はスマホを見ています。本を読んでいる人は1人いるかいないか…。毎朝同じ電車に乗っていますが、本を読んでいる人は毎朝本を読んでいます。人間の習慣とはこういうものなのかなと思います。私は、スマホのセルフコントロールが大切だと思ています。
 高校時代に良い習慣をしっかりと身に付けてもらいたいと思います。

【校長ブログ】がんばる力は美しい~連休中の川高生の活躍~

 昨日の雨模様から一転、県立川口高校は、初夏を思わせる爽やかな風につつまれています。春の大型連休も終わりました。校内には元気な声があふれています。


 この期間中、高校スポーツでは各競技で大会が開催されました。私も激励に行きました。

 4月29日、埼玉県高等学校ウエイトリフティング競技大会関東予選が埼玉栄高校で開催され、川口高校ウエイトリフティング部も出場しました。強豪埼玉栄高校の活躍の中、川口高校の選手は奮闘し、男子8名、女子1名が、6月の関東大会(栃木県小山市)への出場を決めました。


 大会は一般参加の部もあり、本校ALT(Assistant Language Teacher・外国語指導助手)のマシュー先生も大活躍!


 5月4日、全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選南部支部2回戦が浦和西高校で開催され、県立川口高校サッカー部はシードの浦和西高校と対戦しました。前半は、県立川口高校の堅守で均衡を保っていましたが、前半終了近くに浦和西高校が先制しました。後半は開始直後にコーナーキックの流れで2点目を失い、さらに中盤に3点目の失点、後半アディショナルタイムに4点目を押し込まれました。結果的には0‐4でしたが、前半のGKを要とする堅守とあきらめないプレーを考えると伸びしろのあるチームです。

県立川口高校への応援、よろしくお願いいたします。

【校長ブログ】芝居はホール全体で創造するもの~演劇部春季発表会~

 春の大型連休に入り、高校の部活動は各地で大会が開催されています。4月26日、埼玉県高等学校演劇連盟南部地区春季演劇祭が、戸田市新曽福祉センター(埼玉県戸田市)で開催され、川口高校演劇部も出場し、私も激励に行きました。

 今回の上演作品はアシノユメさんの『予告状』。進路に悩むある女子高生 花恋 のもとに予告状が届きます。差出人は世間を騒がしている怪盗アルセーヌ。アクションあり、シリアスありのノンストップドラマ。アシノユメさんのオリジナル脚本です。

 オープニングは客席からの登場にビックリ。舞台と客席の境界を越え、一体となった素晴らしいステージでした。演劇では様々な人同士の「対話」が行われます。物語の中の登場人物の対話はもちろん、役者と観客との対話、そして演出家や演者の対話もあります。演者、照明、音響の息がぴったりと合っていました。ホール全体でお芝居を作るものだということを再認識できたステージでした。

 

【校長ブログ】エースが力投するも投手戦で惜敗~春季埼玉県高校野球県大会~

 4月25日、県立川口高校野球部が春季埼玉県高校野球県大会に登場しました。大宮南高校野球部と所沢航空公園記念野球場で対戦しました。私も応援に駆けつけました。

 父母会のAll for One. One for All.の横断幕のもと、野球部員、野球部OB、野球部父母会の皆さんの一体となった応援で終始スタンドは盛り上がりました。

 川口高校は、1回表から連続安打で素晴らしいスタートでしたが、2回以降は投手戦となりました。8回表には2死満塁のチャンスを迎えましたが、残念ながら無得点。逆に9回裏1死1塁3塁のピンチ。満塁策を取りましたが、内野ゴロを打たれ、サヨナラ負けを喫しました。エース長井君(3年)が好投していましたが、あと一本の安打がでませんでした。野球部父母会の皆様、応援ありがとうございました。

 引き続き、応援よろしくお願いします。がんばれ川高野球部!

 

【校長ブログ】ピンクのスプレーカーネーションの花言葉は「集団美」~華道部「春」~

 4月24日、県立川口高校では、1年生も高校生活になれはじめ、授業や部活動も活発に行われています。

 川口高校では、校内各所に華道部の素晴らしい作品があります。川口高校は創立の昭和16(1941)年から平成8(1996)年まで男子校でした。華道部は共学化の平成9(1997)年度に華道同好会として発足しました。

 今回の作品テーマは「春」。スプレーカーネーション、アイリス、ユキヤナギで構成した作品を校長室に持ってきてくれました。管理棟とホームルーム棟の2階渡り廊下を中心に作品が展示してあります。作品が校内を華やかにしてくれています。

 スプレーカーネーションは、一つの茎から多くの小さな花を咲かせる特徴を持つ花です。通常のカーネーションより小ぶりな花が集まって咲くため、華やかで可愛らしい印象を与えます。花色も豊富で、ピンク、白、赤など様々なバリエーションがあり、アレンジメントの幅が広がります。特に冬のブーケや花束に使用すると、温かみのある雰囲気を演出できます。切り花としても長持ちするため、贈り物として人気があります。

 スプレーカーネーションの花言葉「集団美」の由来は、その特徴的な咲き方と育て方に関連しています。「集団美」は、一つの茎から多くの花が咲く様子が、集団での協調や調和を象徴することから生まれました。

 校内では、つつじとポプラもまぶしいです。川口高校もチーム川高として、集団美を目指したいと思います。 

【校長ブログ】言葉や行動は、人から人へ「こだま」します。~アンパンマン誕生秘話~

 4月21日、県立川口高校の木々が勢いよく芽吹いてきます。春に植物が一斉に芽吹くことを「スプリングフラッシュ」と言うそうです。今日は春というよりは初夏のようは暖かさです。

 

 芽吹きと同じように川高生も活躍しています。野球部は春季大会で県大会出場を決め、4月25日に大宮南高校と対戦します。女子テニス部は学校総合体育大会南部地区予選会に出場し。ダブルスは笹川(3年)丸山(3年)ペアが2大会連続で県大会出場を決め、団体戦でも関東大会県予選会への出場権も獲得しました。

 連続テレビ小説「あんぱん」。“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった二人の人生。生きる喜びが全身から湧いてくるようなドラマとして人気のようです。

 先日、ノンフクション作家である門田隆将さんの『慟哭の海峡』(2017年 角川文庫)を読みました。アンパンマンの作者である漫画家 やなせたかし さんにスポットをあてた本です。私は授業では主に日本史を教えていましたが、歴史を学ぶなかで、常識を疑うこと、常に自分の立ち位置を意識することが大切だと教えてきました。「正しい」といわれていたことが間違っていたことはよくあります。

 アンパンマンは、他のヒーローと違いますよね。私たちのイメージする「正義の味方」といわれるスーパーマンやウルトラマンなどのヒーローは、悪役を徹底的にやっつけて、さっそうと去っていきます。街をめちゃくちゃにしても被害者に謝りはしません。

 やなせさんは、戦争を経験しています。私たちが想像を絶する場面も経験したでしょう。京都帝国大学出身の弟は23歳で戦死しています。そのような経験から「正しいこととは何だろう」「正義の味方といわれるヒーローは、一体だれを助けているのだろう」と考えたようです。

 真のヒーローとは、本当に困っている時、一人ぼっちで寂しくて心が折れそうな時などどうしようもない時などに、やってきてくれる人だと気付きました。本当に人を救おうと思えば、自分が傷つかずにはできない場面があると思います。アンパンマンはヒーローだけど情けない。だからチビッ子はすぐに見向きもしなくなる。お腹がすきすぎて困っている人に、自分の顔を食べさせて助ける場面があります。自己犠牲の大切さへのメッセージですね。でも、バイキンマンやドキンちゃんを絶対に殺さない。大人になるとアンパンマンの偉大さがわかります。それは君たちが親になる時です。

 本当の正義、正しいこととは何か。それは、自分のことよりも他人のことを考えて行動し、人を大切にすることです。困っている人を助けること、それはいつの時代にも絶対に変わらない正しいこと、正義だと思います。

 先日、バスの中で優先席に座りながらスマホゲームに夢中になり2人組の高校生を見かけました。高齢者の方が来たらあなたならどうしますか。教科書には出ていませんが、優先席は電車やバスで一番乗りやすい場所、降りやすい場所にあります。電車やバスでは優先席に限らず、高齢者や足の不自由な方、妊娠している方などいたら、席を譲りましょう。「どうぞ」の一言です。周囲の人への気ばたらきが大切です。

 たった一言で人は傷つく。たった一言で人は微笑む。たった一つの行動で人は癒されます。自分がやさしく話しかければ、きっと相手も穏やかに答えを返してくれる。言葉や行動は、人から人へ「こだま」します。

【校長ブログ】先生方への感謝を込めて~川口高校で離任式~

 4月18日、県立川口高校では今年度の人事異動に伴う離任式が行われ、長年にわたり多くの生徒から親しまれてきた3人の先生方が最後の挨拶を行いました。式には2・3年生生徒と教職員が参加し、体育館に温かい拍手が響きました。

 

 ご勇退された斎藤幸栄子教諭は、これまでの教員生活を振り返りながら、「生徒の成長を見届けることが何よりの喜びでした。皆さんの笑顔に、日々元気をもらっていました」と語りました。授業や行事での思い出を紹介すると、生徒たちは真剣なまなざしで耳を傾け、別れを惜しむ表情を見せました。美術部の生徒は、「厳しくも温かく接してくれる先生でした。寂しいけれど、感謝の気持ちでいっぱいです」と話していました。斎藤教諭は今後も油絵の創作活動を続ける予定とのことです。

 大宮工業高校に転勤された安倍孝司教諭は、人生を24時間に例えて「高校生の皆さんの人生はこれからできることがたくさんある。自分も毎日が刺激的だ」とエールを送っていました。川口東高校に転勤された横山哲也教諭は。川口高校と川口東高校の立地環境を比較しながら「高台には高台の良さ、平地には平地の良さがあり、それぞれの良さに気付くことが大切」と激励されました。

 転退職された19名の先生方のご活躍を祈念しています。

【校長ブログ】幸せの感じ方~春爛漫の川口高校~

 4月16日、早朝、校舎内を巡回していたら、久しぶりに富士山が良く見えました。真冬の富士山とは違う陽春の富士山。朝から清々しい気持ちになりました。

 1年生も高校生活になれてきたようです。幸せの概念は多様ですが、ポジティブ心理学の第一人者であるマーティン・セリグマンの唱える「幸せの種類」について紹介します。セリグマンが唱えたウェルビーイングの多面的モデルを解釈すると、幸せには5つの種類があるということになります。「達成」「快楽」「没頭」「良好な人間関係」「意味合い」の5つです。

 「達成」は何かを成し遂げたときに感じる幸せ。自信に繋がりやすい幸福感です。

 「快楽」は美味しいものを食べた時などに感じられる幸せ。幸せホルモンと称されるドーパミンが放出されるタイプの幸福感です。

 「没頭」は時間を忘れて夢中になっている時に感じる幸せのことです。

 「良好な人間関係」は、例えば、自分の好きな人と楽しく幸せに暮らすことや、気の合う仲間と時間を共有する幸せのことです。もしかしたら、コロナ禍で最も多く失われた幸せはこれかもしれません。

 「意味合い」は、自分が誰かに貢献していると感じることができている幸せのことです。自分の存在に意味を見いだせている状態といえます。これはモチベーションの源泉にもなり、毎日を快活で明るく過ごすために欠かせない幸せです。

 県立川口高校の皆さんには、たくさんの「幸せ」を高校時代に体感してもらいたいと思っています。