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校長日誌

【校長ブログ】言葉や行動は、人から人へ「こだま」します。~アンパンマン誕生秘話~

 4月21日、県立川口高校の木々が勢いよく芽吹いてきます。春に植物が一斉に芽吹くことを「スプリングフラッシュ」と言うそうです。今日は春というよりは初夏のようは暖かさです。

 

 芽吹きと同じように川高生も活躍しています。野球部は春季大会で県大会出場を決め、4月25日に大宮南高校と対戦します。女子テニス部は学校総合体育大会南部地区予選会に出場し。ダブルスは笹川(3年)丸山(3年)ペアが2大会連続で県大会出場を決め、団体戦でも関東大会県予選会への出場権も獲得しました。

 連続テレビ小説「あんぱん」。“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった二人の人生。生きる喜びが全身から湧いてくるようなドラマとして人気のようです。

 先日、ノンフクション作家である門田隆将さんの『慟哭の海峡』(2017年 角川文庫)を読みました。アンパンマンの作者である漫画家 やなせたかし さんにスポットをあてた本です。私は授業では主に日本史を教えていましたが、歴史を学ぶなかで、常識を疑うこと、常に自分の立ち位置を意識することが大切だと教えてきました。「正しい」といわれていたことが間違っていたことはよくあります。

 アンパンマンは、他のヒーローと違いますよね。私たちのイメージする「正義の味方」といわれるスーパーマンやウルトラマンなどのヒーローは、悪役を徹底的にやっつけて、さっそうと去っていきます。街をめちゃくちゃにしても被害者に謝りはしません。

 やなせさんは、戦争を経験しています。私たちが想像を絶する場面も経験したでしょう。京都帝国大学出身の弟は23歳で戦死しています。そのような経験から「正しいこととは何だろう」「正義の味方といわれるヒーローは、一体だれを助けているのだろう」と考えたようです。

 真のヒーローとは、本当に困っている時、一人ぼっちで寂しくて心が折れそうな時などどうしようもない時などに、やってきてくれる人だと気付きました。本当に人を救おうと思えば、自分が傷つかずにはできない場面があると思います。アンパンマンはヒーローだけど情けない。だからチビッ子はすぐに見向きもしなくなる。お腹がすきすぎて困っている人に、自分の顔を食べさせて助ける場面があります。自己犠牲の大切さへのメッセージですね。でも、バイキンマンやドキンちゃんを絶対に殺さない。大人になるとアンパンマンの偉大さがわかります。それは君たちが親になる時です。

 本当の正義、正しいこととは何か。それは、自分のことよりも他人のことを考えて行動し、人を大切にすることです。困っている人を助けること、それはいつの時代にも絶対に変わらない正しいこと、正義だと思います。

 先日、バスの中で優先席に座りながらスマホゲームに夢中になり2人組の高校生を見かけました。高齢者の方が来たらあなたならどうしますか。教科書には出ていませんが、優先席は電車やバスで一番乗りやすい場所、降りやすい場所にあります。電車やバスでは優先席に限らず、高齢者や足の不自由な方、妊娠している方などいたら、席を譲りましょう。「どうぞ」の一言です。周囲の人への気ばたらきが大切です。

 たった一言で人は傷つく。たった一言で人は微笑む。たった一つの行動で人は癒されます。自分がやさしく話しかければ、きっと相手も穏やかに答えを返してくれる。言葉や行動は、人から人へ「こだま」します。

【校長ブログ】先生方への感謝を込めて~川口高校で離任式~

 4月18日、県立川口高校では今年度の人事異動に伴う離任式が行われ、長年にわたり多くの生徒から親しまれてきた3人の先生方が最後の挨拶を行いました。式には2・3年生生徒と教職員が参加し、体育館に温かい拍手が響きました。

 

 ご勇退された斎藤幸栄子教諭は、これまでの教員生活を振り返りながら、「生徒の成長を見届けることが何よりの喜びでした。皆さんの笑顔に、日々元気をもらっていました」と語りました。授業や行事での思い出を紹介すると、生徒たちは真剣なまなざしで耳を傾け、別れを惜しむ表情を見せました。美術部の生徒は、「厳しくも温かく接してくれる先生でした。寂しいけれど、感謝の気持ちでいっぱいです」と話していました。斎藤教諭は今後も油絵の創作活動を続ける予定とのことです。

 大宮工業高校に転勤された安倍孝司教諭は、人生を24時間に例えて「高校生の皆さんの人生はこれからできることがたくさんある。自分も毎日が刺激的だ」とエールを送っていました。川口東高校に転勤された横山哲也教諭は。川口高校と川口東高校の立地環境を比較しながら「高台には高台の良さ、平地には平地の良さがあり、それぞれの良さに気付くことが大切」と激励されました。

 転退職された19名の先生方のご活躍を祈念しています。

【校長ブログ】幸せの感じ方~春爛漫の川口高校~

 4月16日、早朝、校舎内を巡回していたら、久しぶりに富士山が良く見えました。真冬の富士山とは違う陽春の富士山。朝から清々しい気持ちになりました。

 1年生も高校生活になれてきたようです。幸せの概念は多様ですが、ポジティブ心理学の第一人者であるマーティン・セリグマンの唱える「幸せの種類」について紹介します。セリグマンが唱えたウェルビーイングの多面的モデルを解釈すると、幸せには5つの種類があるということになります。「達成」「快楽」「没頭」「良好な人間関係」「意味合い」の5つです。

 「達成」は何かを成し遂げたときに感じる幸せ。自信に繋がりやすい幸福感です。

 「快楽」は美味しいものを食べた時などに感じられる幸せ。幸せホルモンと称されるドーパミンが放出されるタイプの幸福感です。

 「没頭」は時間を忘れて夢中になっている時に感じる幸せのことです。

 「良好な人間関係」は、例えば、自分の好きな人と楽しく幸せに暮らすことや、気の合う仲間と時間を共有する幸せのことです。もしかしたら、コロナ禍で最も多く失われた幸せはこれかもしれません。

 「意味合い」は、自分が誰かに貢献していると感じることができている幸せのことです。自分の存在に意味を見いだせている状態といえます。これはモチベーションの源泉にもなり、毎日を快活で明るく過ごすために欠かせない幸せです。

 県立川口高校の皆さんには、たくさんの「幸せ」を高校時代に体感してもらいたいと思っています。

【校長ブログ】1年生のワクワク感が伝わります~対面式・部活動紹介~

 4月9日、春爛漫を感じる穏やかな日差しの中、県立川口高校のある諏訪山では桜が満開です。

 川口高校ではアリーナ(川口高校体育館は重層で「アリーナ」と呼んでいます)で対面式を行いました。1年生318名を、2年生315名、3年生306名が迎えました。2・3年生はクラスごとにショートコントや一発芸を披露して、笑いのあふれる対面式でした。午後からは、14の文化部、16の運動部がそれぞれ趣向をこらして部活動紹介を行いました。最後の書道部の書道パフォーマンスは圧巻でした。

【校長ブログ】「高く、正し」新たに318名の新入生~令和7年度入学式~

 4月8日午後、県立川口高校では第80回入学式を挙行しました。318名の新入生が、“チーム川高”に加わりました。壇上からは新入生一人ひとりの顔がよく見えます。一人ひとりの呼名の返事に、高校生活への決意と希望を感じました。式後の校歌披露では、2・3年生の運動部に所属する生徒有志約200名が各部のユニフォーム姿で登場し、川口高校校歌を声高らかに斉唱し、新入生を祝しました。

 入学式の校長式辞を紹介します。

 今日の晴れの日を待ち望んでいたかのように。ここ諏訪山の桜の樹々が、満開の花びらを揺らしております。この春の佳き日に、御来賓の皆様方の御臨席、多くの保護者の皆様の御列席を賜り、令和7年度 埼玉県立川口高等学校 第80回入学式を挙行できますことは、本校にとりまして大きな喜びでございます。ただ今、入学を許可いたしました318名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。教職員、在校生一同、皆さんを心から歓迎いたします。

 本校は、昭和16(1941)年に旧制川口市立川口中学校として開校し、今年で85年目を迎える伝統ある学校です。校訓「高く正し」のもと、生徒は高い目標を持ち、その実現に向かって正々堂々とひたむきに努力する校風を伝統としています。地域の大きな期待を担いながら、二万五千名の卒業生を世に送り出し、社会の様々な分野に、多くの有為な人材を輩出してまいりました。

 本校での第一歩を踏み出した新入生の皆さんに、「ビュリダンのロバ」について紹介します。「ビュリダンのロバ」とは、フランス中世の哲学者であるジャン・ビュリダンが作った話とされています。

 「ロバは、左の道の先と右の道の先に干し草を見つけた。ほぼ同じ距離、ほぼ同じ量の干し草が置かれている。どちらの干し草も美味しそうだ。どちらの干し草を食べるのがいいだろうか?ロバは迷った。左に二、三歩行くと、右のほうが良さそうに思えてくる。右に二、三歩行くと、左のほうが良さそうに思えてくる。そんなことを続けているうちに、ロバはとうとう餓死してしまった。」

 右の干し草を食べるか左の干し草を食べるか、これはどちらでもいいことです。さっさとどちらでも食べて空腹を満たしたらよいでしょう。しかし、人間には二つの刺激に挟まれて身動きが取れなくなるという場面があります。この話は、何かを選択することの難しさと同時に、何も選択できずにその場で立ち尽くしてしまう危険性を教えてくれています。

 私たちはコロナ禍をとおして、世の中には「正解」のない課題がたくさんあることに改めて気づきました。「正解」は一つではないでしょう。皆さんの今までの勉強の多くは、一つの答えのある問題を解くことでした。21世紀を生き抜く皆さんは、この「解」のない課題に立ち向かう力を身に付けることが大切です。

  新入生の皆さん。高校入学にあたって、最初に意識してもらいことを三点お話しします。

 一つ目は「一歩前へ」。これまでの小学校、中学校時代に思いどおりにならないこともあったと思います。今から、新しいスタートです。過去は変えられない。でも、未来は変えられる。皆さんには、過去よりも未来にエネルギーを使ってもらいたい。必ず楽しい時が増えていきます。

 二つ目は「失敗を恐れない」。川口高校は、自分がチャレンジしたことに対して、安心して何度でも失敗の経験が積める場所でありたいと思います。失敗から学び、失敗を糧にして成長できる場でなければならないと思います。失敗したり間違えたりすることが恥ずかしいのではありません。失敗したり間違えたりする人を馬鹿にしたり、笑ったりすることが恥ずかしいのです。

 三つ目は「お互いを認め合う」。全ての人が気持ちよく高校生活を送れるように、という願いを込めて、私自身が人に対する接し方として心掛けていることをお話しします。それは、「人を人と比べない」、そして「人を悪く言わない」ということです。お互いを人として尊重し合い、傷つけたりしない。皆さんが気持ちよく高校生活を送れるようにしましょう。

 比べるとすれば、その相手は過去の自分でしょう。目標は、昨日の自分を超えること。去年の自分を超えること。皆さんが入学した「今」と比べて、これからどれだけ大きく成長し、変わっていかれるか。私もとても楽しみにしています。

 御参列の保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。教育は、学校、家庭、地域が一体となってお子様一人一人を育むことが大切でございます。私達教職員は、お子様が、自らの生きる道を、自らが切り開いていけるよう、全力を尽くして参ります。お子様の健全な成長を望み、豊かな個性を育てていくためには、学校、家庭、地域がそれぞれの役割を果たしながらも、連携を密にしていくことが重要でござます。そのためにも、是非とも本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 結びに、本日御臨席を賜りました皆様に改めて御礼申し上げますとともに、新入生の皆さんの高校生活が充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。

【校長ブログ】君は卵を立てることができるか?~令和7年度第1学期始業式~

 4月8日、県立川口高校では令和7年度のスタートです。桜も満開です。早朝に校内を巡視していると、早くから登校している生徒も多くおり、新年度の活気を感じました。

 午前中、新入生を迎える新3・2年生だけで令和7年度着任式、始業式を行いました。川口高校では、19名の先生・行政職員の方々が転退職され、新たに13名の先生・行政職員の方々が”チーム川高”に加わりました。第1学期は新年度のスタートです。

 私は、校長として生徒諸君に最初にどのようなメッセージを伝えるか、毎年悩んでいます。今回は、昨年度の修了式のテーマを踏まえ、一歩前へ歩みだす気概について伝えようと考えました。今年度の川高生の活躍に大いに期待しています。始業式の校長講話を紹介します。

 

 皆さん、おはようございます。
 3月24日の修了式で、「春休みに、高校時代に全力で挑むことができる「野心」を見つけてください」と話しましたが、「野心」は見つかりましたか。皆さんの努力という車の後輪が機能するために、前輪の「野心」をしっかりと見つけてください。
 皆さんは、卵を立てることができますか?
 この楕円形の卵は立つのでしょうか?
 私は、立てることができます。たぶんここにいる先生方の中でも、卵を立てたことのある先生はいないと思います。
 「コロンブスの卵」という話があります。アメリカ大陸に到達したクリストファー・コロンブス(1451- 1506)の功績を祝う晩餐会で、ある男が「西へ西へと航海して陸地に出会っただけではないか」というねたみに対して、コロンブスは卵を取り上げ、「この卵を卓の上に立ててごらんなさい」と言いました。誰にもできなかったところ、卵の尻をつぶして立ててみせたという逸話から、「誰でもできる事でも最初に実行するのは難しい」という例えです。日本でも、1921年から1940年まで「尋常小学国語読本」に取り上げられていました。ただし、これは実話ではなく、16世紀頃に作られた話らしいです。
 ここでお話したいポイントは「情報」の大事さです。卵は立たないという先入観があれば、卵を立てようとはしません。しかし、「卵は立つ」という情報があれば、実際に試してみて卵を立てることは、難しいことではありません。
 卵が立つことを信じている又は卵が立つことを知っている子は成功させるのが早い。半信半疑な子はすぐに諦めちゃいますね。他の子が卵を立たせるのに成功したのを見て「ほんとにできるんだ」と分かってからようやく成功させます。
 私にとって、「コロンブスの卵」の逸話が面白いと感じたのは、その逸話によって、「卵は立たない」という先入観が与えられるという事です。その結果、卵を立てるという現象で人を驚かせる事も可能になります。
 このことは、皆さんの学習や部活動などにもあてはまります。「この勉強でも部活動でも、頑張って続けていたら必ず上手くいくんだ」と信じて取り組んでいる人は、受験でも何でも成功しやすい。
 この感覚がわかれば、今よりももっと高校生活が充実すると思います。
 まずは、卵を1個立ててみましょうか。

 川高生の皆さん
 元気に挨拶してますか。 挨拶は自分を伸ばしてくれます。
 他人に優しくしてますか。 他人への優しさは自分を見抜く力を与えれくれます。
 夢を諦めていませんか。 夢は今を楽しみ前進する原動力です。
 志高く。 

【校長ブログ】チーム川高

 3月28日、県立川口高校では、今週の暖かさの中で校内の桜も咲き始めています。グラウンドでは野球部、アリーナでは、女子バスケット部、女子バドミントン部、卓球部、柔道部、剣道部、音楽室では吹奏楽部が元気に活動していましした。

 川口高校では、松本恭介校長先生(第22代:平成28・29年度在籍)の時代から「チーム川高」を前面に打ち出しています。チーム川高とは、「教職員、生徒、保護者をチームとして捉え、一体となって生徒の可能性を追求し、全力で生徒の自己実現をサポートしていく集団である」と定義しています。

 人間が集団で行動する際、「グループ」や「チーム」、「組」、「班」、「団」などいろいろな呼び方があります。「グループ」と「チーム」には違いがあるそうです。

①「グループ」は強いリーダーに率いられる。「チーム」は状況に応じてリーダーシップを分かち合う。

②「グループ」はただ黙々としている。「チーム」は楽しみ、笑いが絶えない。

③「グループ」は必要だから集まる。「チーム」は仲間との集いを待ち遠しく思う。

など、「グループ」と「チーム」には違いがあるそうです。

 3月24日、誠に残念ながら、かけがえのない「チーム」の一員である県立川口高校に15年間ご勤務された先生がご逝去されました。心からお悔やみ申し上げます。幽明境を異にすることとなり、痛恨の極みです。先生の思いも受け継ぎ、よりよい「チーム川高」になるように全力で取り組んでまいります。

【校長ブログ】「野心」のすすめ~令和6年度修了式~

 3月24日、県立川口高校では、令和6年度修了式を行いました。

明日から学年末休業に入りますが、生徒諸君は奮闘努力してくれたと思っています。

修了式の校長講話を紹介します。

 

 

今日は、「野心」についてお話しします。

皆さんは、「野心」と聞くと、どのように思いますか。『広辞苑』では「野心」とは、「人に馴れ服さないで、ともすれば害しようとする心」、「身分不相応の大きな望み。野望」、「大きな飛躍を望んで、新しいことに大胆に取り組もうとする気持ち」とあります。

日本大学理事長で作家の 林 真理子 さんが12年目前に『野心のすすめ』(講談社新書 2013年)という本を書きました。右肩下がりの時代になって、格差社会が広がって、日本の若者は野心を持たなくなりました。それでは日本がダメになる、努力した人だけが見える世界もあると伝えたかったそうです。2年に出版された『成熟スイッチ』(講談社新書 2022年)と一緒に再読して改めてなるほどと思いました。

『野心のすすめ』では、「世間で『野心』といえば、腹黒かったり身の程知らずであつかましいイメージが先行しています。『野心家』となると、もうほとんど悪人扱いです。」と書いてありました。車は前輪と後輪が機能して前に進みます。林 真理子 さんは、「『今のままではだめだ。もっと成功したい』という『野心』は、自分が成長していくための原動力になりますが、一方で、その『野心』に見合った努力が必要になります。野心が車の前輪だとすれば、努力は後輪です。野心と努力、両方のバランスがうまく取れて進んでいる時こそ、健全な『野心』といえるのです」と言っています。

川口高校の皆さんは、とてもやさしく謙虚です。米国IT大手アップルの創業者であるステーィブ・ジョブズ氏は、「感謝の心が人を育て、感謝の心が自分を磨く」と言っています。やさしく謙虚なことは素晴らしいことで、この先の人生でもずっと大切にしてほしいと願っています。

しかし、同時にもっと自分に自信をもってもいい。もっと高みをめざす「野心」を抱いてもいい。もっと尖がってもいいと私は思っています。なぜなら、皆さんのこれから歩む「道」が社会に希望をもたらし、やがて多くの人が歩く「道」となる。皆さんには才能と無限の可能性があるからです。

 

「今のままじゃだめだ。もっと成長したい。もっと成功したい」。皆さんは そんな野心を持っていますか?その野心は社会に貢献できるものですか?若者の特権は、「何でもできる」ではなく、「何でもできると思える」ところにあります。「野心」は大きくても小さくてもかまいません。

「高校時代に英検2級に合格したい」

今日、校歌を演奏してくれる吹奏楽部の生徒が「全国大会に出場したい」

野球部の生徒が「絶対に甲子園に出場したい」

ラグビー部の生徒が「花園に行きたい」

大学受験を目指す生徒が「日本大学に合格したい」「絶対に、早稲田大学に進学したい」

是非この春休みに、高校時代に全力で挑むことができる「野心」を見つけてください。そして、その「野心」を自分の人生を豊かにするだけではなく、世の中を豊かにすることにつなげてください。

皆さんは、4月から新しい学年に進級します。新入生も入学し、新たな出会いが待っています。世界は、正解のない課題に満ちています。皆さんが、混迷する世界に希望の灯をともし、多くの人が歩く「道」をつくる次世代のリーダーになってください。川高生にはそれができると私は信じています。

川高生の皆さん

元気に挨拶していますか。

他人に優しくしていますか。

夢を諦めていませんか。

志 高く。

元気に4月8日の始業式で会いましょう。

【校長ブログ】厳しさを乗り越えると春が来ます~2学年進路説明会を開催~

3月19日、思いもかけない雪で県立川口高校は雪景色になりました。

 

 2学年は教室やアリーナを会場に進路説明会を行いました。岩手大学、埼玉県立大学、日本大学、東京電機大学など46の大学、川口市立看護専門学校、日本工学院専門学校、埼玉県理容美容専門学校をはじめ43の専門学校の先生方にご来校いただき、生徒への学校説明を行っていただきました。50分の説明を2学校聞くことができました。自分の興味関心に合わせて、真剣に聞いていました。

 ご来校いただいた大学・専門学校の先生方に、改めて感謝申し上げます。

 

 

 進路指導部の先生は「3学年0学期としてしっかりと取り組んでもらいたい」と激励していました。

 午後になると一転して青空も見えました。人生も、厳しさを乗り越えると春が必ず来ます。進路実現に向けて、がんばれ川高生!

【校長ブログ】期待に胸を弾ませて~県立川口高校 入学許可候補者説明会~

 3月18日、中庭の木蓮が満開です。県立川口高校は、入学許可候補者説明会が行われました。入学者選抜試験には合格したので“新入生”になりますが、まだ入学前なので高校では“入学許可候補者”と呼んでいます。

 校門では在校生が元気に部活動勧誘を行っていました。入学許可候補者・保護者は、アリーナ(体育館)で各担当から説明がありました。入学許可候補者の皆さんの期待に満ち溢れた表情が印象的でした。一人ひとりの知・徳・体が伸張するように、学校としてしっかりとサポートしてまいります。

【校長ブログ】必ず道は開ける~県立川口高校卒業式 卒業生式辞~

 3月13日の県立川口卒業式では、在校生代表の送辞を受け、卒業生代表から答辞がありました。答辞の紹介はあまりないと思いますが、コロナ禍で3年間苦労した卒業生諸君です。私も答辞を聞いて、とても感動しました。後輩たちへの熱い思いも語られています。コロナ禍を過ごした卒業生のメッセージを紹介します。

 寒さの中に暖かい日差しが差し込み、花々の息吹を感じられる季節となりました。本日はご多忙の中、私たち77期生の卒業式にご臨席くださり、ありがとうございます。

 思い返せば3年前の春、期待と不安の中、川口高校に入学したことを懐かしく思います。入学してから過ごしてきた3年間は本当にあっという間でした。クラスの仲間と過ごした何気ない日常も今となってはかけがえのない時間に思えます。

 期待に胸を膨らませていた私たちの高校生活は入学式直後、新型コロナウイルス感染症の影響による学級閉鎖から始まりました。学校に行けるようになってから一日中マスクを着用して過ごし、昼食をとる際も自席で正面を向いて食べたりと感染症対策をしながら学校生活を過ごしていました。友達を作ることもままならない状況で、高校生活の一歩を踏み出すのが、より一層難しく感じました。

 そのような中、高校生になって初めての行事である遠足では、八景島シーパラダイスに行きました。クラスの仲も深まり、初めて高校生らしいことができたと思います。そこでは大きな水槽の前で写真を撮ったり、遊園地で遊んだりしました。集合時間ギリギリなのにクーポンを使い切るために売店に立ち寄って、時間に間に合わずに先生に叱られたのも、今となっては良い思い出です。

 体育祭では、クラスTシャツを着てクラスメイトや同じ団の仲間と全力で競技に参加したり、応援しあったりしました。台風の目の棒が頭に当たるという思わぬハプニングもありましたが、優勝を目指して円陣を組み、気合を入れたことや心を一つにして大縄を跳んだことは、とても良い思い出になりました。

 文化祭では、夏休みの後半から準備を少しずつ進めたりして、クラスの人と協力をして取り組むことができました。予算内に抑えるために工夫して衣装を作ったことや、友人が描いた素晴らしい黒板アートはずっと忘れません。初めて自分たちの手で行事を成功させるという経験をし、達成感でいっぱいになったことを今でも覚えています。

 2年生になり、新型コロナウイルス感染対策も緩和し、コロナ禍前の日常が少しずつ戻ってきました。昼食は、よく食堂に行って学食を食べました。とても美味しくて、毎日食べても飽きないくらいメニューが豊富な学食が大好きだったので、もう食べることがべきないと思うと寂しいです。

 大きな学校行事の一つである修学旅行では、広島、大阪、京都に行きました。その中でも一番印象的だったことは、一日目に行った広島平和記念資料館です。そこでは戦争の恐ろしさ、平和であることの尊さを学びました。その時に見た写真の数々は未だにこの目に焼き付いています。私たちは、生きていることが当たり前だと思ってしまい、明日が来ないかもしれないとは想像もつきません。しかし、生きていることは当たり前ではなく、非常に困難なことだと改めて知り、毎日を大切に生きようと思えました。そして、これからを生きる私たちは、これらのことを伝えていかなければならないことを痛感しました。友達と過ごすこの非日常の4日間は一生忘れられない思い出となりました。

 3年生になり、全ての行事が「高校生活最後」になり、だんだん卒業が近づくのを感じながらの学校生活でした。進路実現に向けた活動も本格化し、それぞれが自分自身と向き合って自分のやりたいことは何なのかを深く考えた期間となりました。これまで私たちが不自由なく進路活動に取り組むことができたのは、いつも相談に乗ってくださった先生方やずっとそばで支えてくれた保護者の皆様の助けがあったからだと思います。ありがとうございました。進路活動を通して、私たちは立派に成長することができました。これからも自分自身の夢を実現させるための努力を重ねていきたいと思います。

 私は、この川口高校に入学し、多くのことを経験しました。時には大きな壁にぶつかり、挫けそうにもなりましたが、最後まで諦めず努力し続けることで、困難を乗り越えてきました。この経験を活かして将来どのような困難にも負けず、前を向いて進んでいきたいと思います。

 在校生の皆さんには、「どんな壁が立ちはだかっても、前を向いて、少しずつ進めば、必ず道は開ける」ということを伝えたいです。思った時に行動しなけければ後悔がが残ってしまいます。そうならないためにも何事にも積極的に挑戦し、川口高校でしかできないことをたくさん経験してください。在校生の皆さんが、川口高校の良き伝統を受け継ぎ、発展させていくことを願っています。

 私たちが卒業式を迎えられたのは、ユニークな学年主任の先生をはじめ、個性あふれる学年団の先生方、辛いことも一緒に乗り越えてきた仲間たち、そして、私たちを一番近くで見守り、背中を押してくれた保護者の皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

 私たちはこれから、この三年間での経験を糧として新たな空へ羽ばたいていくと同時に、校訓「高く正し」に恥じないよう日々精進してまいります。

 最後になりましたが、学校生活を支えてくださった全ての方々に改めて御礼を申し上げるとともに、川口高校の更なる発展と皆様のご健康をお祈りし、答辞とさせていただきます。

 令和7年3月13日

   埼玉県立川口高等学校 卒業生代表 守屋 希香

【校長ブログ】旅立とう 未来を信じて~県立川口高校卒業式~

 3月13日、県立川口高校では第77回卒業証書授与式を行いました。卒業した77期生は、1年生の時は新型コロナウイルス感染防止のために大きな制約を受け続けた高校生活のスタートでした。卒業生、保護者の皆様、学年団の先生方の今日までの奮闘に改めて敬意を表します。ご卒業、おめでとうございます。

 卒業式では、最後に県立川口高校校歌を卒業生、在校生、教職員で大きな声で斉唱した後、式歌として「旅立ちの日に」(作詞:小嶋 登 作曲:坂本 浩美)を一同で斉唱しました。卒業生一人ひとりの川高への思いを実感しました。

 今、校長室では、下校する卒業生たちが斉唱している校歌が聞こえています・・・

 本日の式辞を紹介します。

 

 中庭の木蓮の蕾もほころび始め、春の息吹を感じる季節になりました。この春の佳き日に、埼玉県立川口高等学校 77期345名の皆さんが、この諏訪山の学び舎から旅立つことを、大変うれしく思います。

 御来賓の皆様の御臨席、多くの保護者の皆様の御列席を賜り、私たち教職員とともに卒業生の門出を祝していただけますこと、心より感謝申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与いたしました345名の77期生の皆さん、卒業誠におめでとうございます。保護者の皆様におかれましては、お子様の御卒業、心からお祝い申し上げます。この3年間は様々な御苦労、御心配があったことと拝察いたします。

 77期生の皆さん。卒業式にあたって、私の小さな思い出をお話しします。

今から3年前、私が皆さんと初めて出会ったとき、何人かの生徒が私に言いました。「僕たちはどうしても川口高校に通いたかったんです」と。そのとき私は少し驚きました。「どうして川口高等学校だったのですか」と聞くと、ある生徒がこう答えました。「だって、川口高等学校の校舎が他の学校よりも広いから、勉強しやすいと思ったんです」と。皆さんも、学校生活を通じて多くのことを学んできたと思います。それは教室の中だけではなく、校舎の広さを活かして、友達との交流や部活動、そして時にはその「広い空間」で何気ない会話を交わすことも大切な経験でした。

という思い出話は、私が書いたものではありません。これは、人間ではなく、生成AI(人工知能)が書いたものです。「面白いエピソードを入れた川口高校の卒業式式辞」と入力すると、すぐに答えが返ってきました。

 AIは、インターネット上に存在する膨大な情報を、瞬時に集めます。私が川口高等学校の校長であること、川口高等学校にはこのアリーナをはじめ、野球場、サッカー場、ラグビー場など広大な敷地があることなどの情報を把握したのでしょう。しかし、間違っていることもあります。AIは、私が川口高校に3年前から校長をしていると推定しています。そして何よりも面白いエピソードでは全くありません。

 皆さんは、聞いたときに直ぐにおかしいと気付いたでしょう。このように私たちには当然わかることが、AIにはわからないのです。技術を学ぶことも大切ですが、その技術を扱うのは人間です。あなたしか語ることができない「ことば」を大切にしてください。それが「個性」であり「人格」です。

 皆さんが歩み出すポストコロナの今日の社会は、国際社会では、ロシアによるウクライナ侵攻、中東パレスチナでの軍事衝突と人道危機、貧困、地球環境問題など、多くの困難な問題に直面しています。日本では国際的地位が低下し、GDP(国民総生産)は米国に次いで41年間世界第2位でしたが、2010年に中国、2023年にはドイツに抜かれ世界第4位に後退するなど、縮みゆく日本の前途が案じられています。そのような中でも、AI技術の台頭は、人類史上、大きな転換点となるでしょう。

 AIは私たちの生活、ビジネス、社会全体にすでになくてはならない存在となっています。その進化は私たちの生活を便利にしてくれるでしょう。私たちはAIを拒絶し過ぎることなく、しかし、AIに迎合し過ぎることもなく、人間とAIとがうまく共存する道筋を見出さなければなりません。

 人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル氏が、今から20年前、2045年にAIが人間の知性を超える時点、いわゆるシンギュラリティを迎えることを唱えたのは有名です。しかし、想像をはるかに超えるスピードで技術は進歩し、シンギュラリティは5年後に迫っているという論調すら出てきています。 

 世界がコロナ禍前の時代に戻ることはありません。コロナ禍によって失われたものもありますが、新たに生まれたものもあります。これからのポストコロナの時代は、皆さんが創る新たな世界です。

 そこで川口高等学校を巣立つ皆さんに、哲学者の鷲田清一さんの言葉を贈ります。

  「ことば」は、今までとは違う自分に変わるための、手がかりです。

  「私の人生は、こういうもの」「社会って、こういうこと」。誰もが自分なりのものの見方を持っていると思います。でも、もしかしたら全く違う見方が、あるのかもしれません。それに気づくきっかけになるのが、「ことば」であると述べています。

 「ことば」をしっかりと受け止めましょう。馴染みのない「ことば」を何度も見返すうちに、人生や社会は「こういうものだ」という思い込みが薄れていきます。そして、「ことば」の輪郭がくっきりしてきて、世界がずいぶん違って見える時が訪れます。「ことば」をきっかけに、今までとは違う自分に変われます。

 77期生の皆さん。ポストコロナの時代は、過去の成功例が通用せず、「正解」がない時代です。「正解」は一つではないでしょう。皆さんの今までの勉強の多くは、一つの答えのある問題を解くことでした。しかし、これからは、何が問題か分からない場合もあれば、問題が分かったとしても誰も答えを知らないという状況に遭遇します。21世紀を生き抜く皆さんは、この「解」のない課題に立ち向かう気概を持ち続けましょう。失敗することを恐れず、チャレンジしてください。

 77期生の皆さんの健闘を称え、ますますの活躍を期待するとともに、前途に幸多きことを心からお祈り申し上げ式辞といたします。

【校長ブログ】ささえあったら、人になる~東日本大震災から14年~

 3月11日、県立川口高校では、学年末考査返却日です。中庭の木蓮の蕾もほころび始めました。

 今日3月11日は、2011年(平成23年)3月11日14時46分に東日本大震災が発生してから14年がたちました。県立川口高校でも半旗を掲揚しています。当時、私は県立高校の教頭をしていて、鉄道が不通になったため自宅に帰れなくなった生徒307名と、東京方面から徒歩で帰宅を目指す帰宅困難者の方160名を学校に宿泊してもらい、徹夜で対応してことを思い出します。

 想像を絶する東日本大震災の被害に私たちは言葉を失い呆然としました。平成23(2011)年に大手広告会社電通が制作したCMに「ささえあったら、人になる」という作品があります。3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに考えさせられた「人と人どうしの助け合いの大切さ」。作品では「人」という文字をモチーフに、音楽とアニメーションで構成しています。 

♪ながいぼうに

 みじかいぼう。

 ささえあったら、

 人になる。

 ささえることで

 人を知り、

 ささえられて、

 人となる。

♪ながいぼうに

 みじかいぼう。

 ささえあったら、

 人になる。

 ささえるから

 人なんだ。

 ささえられるから

 人なんだ。

「人を支え、支えられることが、今、必要である」ことを訴えた作品です。

  大震災に遭遇しながらも、節度を失わず、悲しみに耐え、譲り合い、助け合う被災地の皆さんの姿は、私たちに「こころ」や「思い」がこの時代に大切なことを再認識させてくれました。あれから14年の年月が流れ、たぶん在校生は記憶にないでしょう。しかし、私たち大人は、東日本大震災の時の思いを語り継ぎ、あのときの思いを忘れてはいけないと思います。

【校長ブログ】先輩から大学受験方法を学ぶ~受験報告会を実施~

 川口高校では、3月6日に318名の入学許可候補者発表をオンラインで行いました。新入生が川口高校で充実した高校生活を送れるように、私たち教職員がしっかりとサポートしてまいります。

 

 本日3月10日、川口高校では、学年末考査返却、受験報告会です。受験報告会は、3年生で大学一般選抜の合格者による合格体験報告会を行いました。

 今回は、現3年生9名が1・2年生に大学一般選抜受験へのアドバイスを行いました。9名の3年生が、一般選抜を受験して取り組んだこと、悩んだこと、後輩に向けての激励メッセージなど一人ひとりが工夫したプレゼンをしてくれました。「在学中に英検2級を取得するととても有利だ」、「自分は受験勉強のスタートが遅かったので、スタートは早ければ早いほど良い」、「一般選抜受験だからこそ経験できることがあるので、チャンスあるものは挑戦すること」などという具体的なアドバイスがありました。1・2年生はポイントをしっかりとメモしていました。

「高3の夏休みに480時間勉強した」というお話には、大学受験もスポーツも、物事を成就するためにはある程度の時間数が大切だということを実感しました。事前準備をしてプレゼンしてくれた3年生の皆さんに改めて感謝です。

がんばれ川高生!

【校長ブログ】これまでのがんばりは、必ず力になります~高校入試が終わりました~

 2月26日、県立川口高校では、埼玉県公立高等学校入学者選抜の学力検査日。無事に学力検査を終了しました。

 先週の真冬を思わせる厳しい寒さから一転し、春を少し感じさせる今朝、緊張した受検生諸君が続々と川口高校に来校しました。国語、数学、社会、理科、英語の試験が終わり、家路に向かう受検生の皆さんのホッとした笑顔が印象的です。

 受検生(埼玉県では学力検査を受けるので、“受験生”ではなく“受検生”と言っています。)の皆さんは、本日まで、勉強だけでなく、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ対策など、本当に大変だったと思います。また、ご家族の皆さまは、誰よりも応援されてきたことと拝察いたします。

 入試業務は、事故がなくて当たり前ですが、担当する学校にとっては、とても気を遣う業務です。天候や、交通機関の遅延対策など、いろいろな危機管理の想定をして実施しています。そのような中で本日を迎え、受検生の皆さんに実力を発揮してもらえる環境づくりができたて良かったと思っています。

 一生懸命に取り組んできた受検生の皆さんに、改めてエールを送りたいと思います。これまでのがんばりは、必ず大きな力になります。今夜はゆっくりと過ごしてくださいね。

【校長ブログ】さあ、次の扉をノックしよう~がんばれ受験生~

 埼玉県公立高校の出願・志願先変更が終わり、志願者数が確定しました。2月26日が学力検査です。県立川口高校は401名の出願で1.26倍となっています。

 大学受験では、私立大学入試がピークを迎え、国公立大学が2月25日から第2次試験(個別試験)前期日程、3月12日から第2次試験(個別試験)後期日程です。

 受験生の皆さん、入学試験は、人生において大きな試練の一つですが、最後の最後まで自分の力を信じましょう。

 私は、高校時代は山岳部に所属していました。1年生の夏合宿では標高3,180mの北アルプス槍ヶ岳の山頂を目指し、30キロの荷物をザックの中に入れ、登り道を一歩一歩登っていきました。一緒に登っている先輩や仲間に迷惑をかけないように、「あと少し、あと少し」と登ったことを覚えています。背負う荷物の重みは、全て肩に食い込みます。しかし、標高が高ければ高いほど、その山頂に立った時の達成感は今でも忘れません。

 私の好きな歌の一つにMr.Childrenの「終わりなき旅」(1998年リリース)があります。この曲は受験・就職の失敗など色々な挫折を経験した人が新しい一歩を踏み出すため、あるいはこれから大きなチャレンジをしようとする人が、その背中を押してもらうための定番の一曲といわれます。私の好きな部分の歌詞を紹介します

♪難しく考え出すと 結局全てが嫌になって

 そっとそっと 逃げ出したくなるけど

 高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいものな

 まだ限界だなんて認めちゃいないさ

♪閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて

 きっときっとって 君を動かしている

 いいことばかりでは無いさ でも次の扉をノックしよう  

 もっと素晴らしいはずの自分を探して

♪胸に抱え込んだ迷いが プラスの力に変わるように

 いつも今日だって僕らは動いている

 嫌な事ばかりではないさ さあ次の扉をノックしよう

 もっと大きなはずの自分を探す 終わりなき旅

  これからの人生、いろいろな扉や壁に出会うと思います。これからも、もっと素晴らしい自分を探すための旅は続きます。次の扉をノックして、もっと大きなはずの自分に出会いましょう。

がんばれ川高生!がんばれ未来の川高生!

【校長ブログ】社会問題を考えてキャラクターで伝える~立体ポスター~

 高校の芸術科は音楽、美術、書道、工芸の4科目から構成されています。県立川口高校では、1年次の必履修選択科目として「音楽Ⅰ」「美術Ⅰ」「書道Ⅰ」を開講しています。

 高校教育の教育課程の基準である学習指導要領では、芸術科の目標は、「芸術の幅広い活動を通して、各科目における見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の芸術や芸術文化と豊かに関わる資質能力を次のとおり育成することを目指す。①芸術に関する各科目の特質について理解するとともに意図に基づいて表現するための技能を身に付けるようにする ②創造的な表現を工夫したり,芸術の良さや美しさを深く味わったりすることができるようにする ③生涯にわたり芸術を愛好する心情を育むとともに、感性を高め、心豊かな生活や社会を創造していく態度を養い,豊かな情操を培う とあります。

 県立川口高校の芸術科(美術)の 齋藤 幸栄子 教諭は、美術の授業で、「立体ポスター」と題して今日の社会問題を考察させ、キャラクターを通して立体的に表現するというユニークな取組を行っています。いわゆる闇バイト防止を訴える「学生の闇バイト 高収入バイトは犯罪!」や海洋プラスティック問題を訴える「ペットボトルの使用を減らせ!水筒を持ち歩こう」などユニークな作品が展示されています。

 大切なのは社会問題を認識する力と表現力。より良い社会にしたいという若者の純粋な気持ちを大切にしたいものです。

 

【校長ブログ】「できる高卒」と「できる大卒」~自ら学ぶ力~

 2月3日、県立川口高校では、本日から3学年が家庭研修です。大学受験をする生徒諸君の第一志望校合格を祈念しています。

 今日は立春。暦のうえでは春になりましたが、寒いですね。この週末、教育社会学者である 濱中淳子 早稲田大学教授の『検証・学歴の効用』(勁草書房 2013年)を読みました。濱中淳子教授には、データ分析等でご教示をいただいたことがあります。学校教育にとても造詣の深い先生です。先生の大学入試センター研究開発部准教授時代の著作です。

 「できる高卒」と「できる大卒」の分析をされています。「仕事ができる人」「仕事ができない人」を所得で表すことによって分析しています。人生において収入が全てとは思いませんが、一つの指標として興味深い分析でした。分析で吟味した要因は、①上司との対話の頻度 ②あこがれる先輩がいるかどうか ③自己学習時間 だそうです。

「できる高卒」は、①②は相関があり、③は影響があまりなかったとのこと。上司とよく対話し、先輩や同僚の中にお手本となる人を探し、そこから学んでいる傾向が強いとのこと。他者との関わりの中で成長しているようです。「できる大卒」は、①②は他者と違いが少なく、影響があるのが③の自己学習時間だったそうです。自分で何かテーマを決めて勉強するとか、新しい課題について調べたりする人が「できる大卒」になるとの指摘。国際比較調査でも、日本の社会人は学校を卒業すると自ら勉強しない傾向が強いと指摘されています。

 また、社会教育学者の 広田照幸 日本大学教授も「高卒の人でも、大卒の中の『できる人』と同じように、自分で何かテーマを決めて、コツコツ勉強してほしい。気づくと、あまり努力もしていない大卒の『できない人』を尻目に、会社の中の出世頭になったりするかもしれませんよ」と指摘しています。

 いつの時代でも自ら学ぶ力は大切だと思います。

【校長ブログ】先生方も学んでいます~高校生のこころの健康のために~

 1月23日、県立川口高校では、「高校生のこころの健康のために周囲の大人ができること」を演題に東邦大学医学部助教の内野 敬先生にご来校いただき、教職員研修を行いました。
 内野先生は、東邦大学医学部社会実装精神医学講座助教の他、一般社団法人SODA理事 を兼務されています。2022年に開設された「こころサポートステーションSODAかわぐち」(イオンモール川口前川)の運営にも携わっており、メンタルヘルスの不調や様々な心理社会的困難を抱えた思春期・青年期の若年者に対して、精神・心理面のサポートを行うとともに、地域における多領域の関係機関による連携支援体制づくりにご尽力されています。
 県立川口高校の先生方は、内野先生がご教示された事例やデータに、とても共感されていました。私は、コロナ禍以降、生徒や保護者の皆さんのお悩みが一層多様化していると思っています。県立川口高校では、メンタルヘルスの悩みを抱えた生徒や保護者が、悩みや困りごとが深刻になる前に、気軽に相談やサポートが受けられる体制づくりを目指しています。ご講演いただいた内野 敬先生に感謝申し上げます。

【校長ブログ】命の大切さを実感~生物解剖観察~

 1月22日放課後、県立川口高校では、生物実験室において3学年生物選択者の希望者を対象とした「豚の解剖観察」を行いました。通常の授業ではできない特別講座です。薬学や医療系への進学予定者などが集まりました。生徒も最初はビックリしていましたが、豚の頭部の構造に興味津々。私も、豚の頭部全体を初めてみました。刺激強めなので、写真は画像処理をしてあります。
 高校生物の「関心・意欲・態度」の観点は、「日常生活や社会との関連を図りながら生物や生物現象への関心を高め、目的意識を持って観察、実験などを行い、生物学的に探究する能力と態度を身に付けていること」を趣旨としています。身近な生命体としての豚を対象とした解剖実習は、知識の理解を深めつつ、生命尊重の態度を育成する取り組みとして有効です。食への無関心さや生命のリアリティの欠如など、現代社会のもつ課題からも生命への関心を高める必要性があります。
 今回の解剖観察を見学して、解剖実習は生徒に生物体の構造と機能に関する実感を伴った理解をさせることができるとともに、生命の素晴らしさを実感させることができると思いました。

【校長ブログ】経験・気合・勘の3Kで共通テスト「歴史総合・日本史探究」を解いてみた?!

 大学入学共通テストが終わりました。受験生の皆さん、お疲れさまでした。受験に立ち向かった力は、人生で君を励まし支える力になります。気持ちを切り替えて、最後は自分を信じて、さあ、個別入試、2次試験に向けてラストスパートです。
 私は、大学で日本史を専攻していたので、毎年、大学入学共通テストの日本史を解いています。今回から新学習指導要領に基づく出題になっており、「歴史総合・日本史探究」となり、出題内容も変わっています。今回は大学入学共通テスト「歴史総合・日本史探究」を解いてみました。県立川口高校の教科書選定のために昨年6月に日本史教科書に触れて以来、1ページも開いたことのない者が、昨年に引き続き経験・気合・勘の3Kで立ち向かってみました。私の結果は、33問中3問誤答の91点でした(涙)。昨年度と同じ誤答数、同じ得点でした。ご笑覧ください。 

 今回から、新科目の「歴史総合」と新科目「日本史探究」の試験です。「歴史総合」は、多くの高校では1学年で必履修となり、主に近現代の日本史及び世界史の両方を取り扱い、2022年の学習指導要領施行により新たに設置されました。また、かつての大学入試センター試験では、大問のリード文を読まなくても、各設問ごとの解答ができる問題が多かったのですが、大学入学共通テストでは、リード文と設問の関連性が強くなりました。
 私の印象としては、従来になく日本史の知識だけでは対応できない問題があり、受験生はだいぶ戸惑ったと思います。大問1は「歴史上における境界」を主題として、18世紀末~20世紀の東アジアやヨーロッパを中心とした歴史総合範囲の出題。問1のa・bは、時期に注意した上で地図における場所の判断が必要になる。bの上海が開港されたのはアヘン戦争後の南京条約による。「18世紀末」の時点で利用されていた港は、aの広州。従来の「日本史B」では把握しきれない問題。私も第1問でつまずきました。私の誤解答は第1問、第22問、第28問。反省しきりです。
 ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催の分析では、「大問数は6で昨年の日本史Bから変更はなく、解答数は32から33に増加した。蒙古襲来絵詞などの馴染み深いものから、ミルクキャラメルの広告まで多彩な資料が扱われ、受験生に身近な視点から出題された。資料読解を通じ歴史事象のつながりを考えるものが散見されるなか、踏み込んだ知識や時期判断を要するものも一定量みられ、難易は昨年の日本史Bよりやや難化」と分析。
 大手予備校の河合塾によると、「試作問題の歴史総合は、ほぼ日本史の知識のみで対応できたが、本試験の歴史総合では日本史の知識だけでは対応できない問題が複数出題されており、試作問題に比べて難易度が高かった」と分析。
 代々木ゼミナールでは、「昨年の「日本史B」に比べてやや難化した。新科目である歴史総合では日本史探究で学習しない世界史的な知識を問う問題の出題が多く、日本史探究でも判断に迷う問題が散見された。それに加えて、思考力・判断力を測る出題傾向は続いており、時間配分には苦労しただろう」と分析。

【校長ブログ】限界は 思うより もっと先~大学入学共通テストが始まります~

 1月17日、1995年に発生した阪神・淡路大震災から30年です。建物の倒壊や火災が相次ぎ、避難生活の長期化で体調を崩すなどして亡くなる「災害関連死」も含めて6434人が亡くなりました。国内で史上初めてとなる「震度7」でした。阪神・淡路大震災では全国からボランティアが駆けつけました。地震発生から1年間でのべ約137万人のボランティアが活動し、食料や物資の配給をはじめ、避難所での炊き出しや仮設住宅での見守りなどの活動にあたりました。地震の起きた1995年は、災害ボランティアの重要性が広く認識され、「ボランティア元年」と言われています。

 明日1月18日、19日は、大学入学共通テストです。今朝、出勤途中の電車の中刷り広告で、受験生を激励する予備校のメッセージを見ました。

「限界は 思うより もっと先」

まさに、そのとおりだと思います。

 多くの川口高校生も受験します。校長として今までの頑張りに自信をもって取り組んでもらいたいと思っています。1月18日は地理歴史・公民、国語と外国語、19日は理科、数学、情報。今回の大学入学共通テストから新たな教科「情報」が加わり、7教科(国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語、情報)21科目に再編されます。

 私は18日、19日は、関東高等学校ウエイトリフティング競技選抜大会で限界をこえようとする高校生を応援します。

 頑張る川高生を応援しています。

【校長ブログ】大人は、その範を示せているか…~成人の日~

 1月13日、成人の日です。新たに成人となった18歳は109万人だそうです。1月7日、読売新聞の読者投稿欄である気流U―25に県立川口高校の生徒2名の投稿が掲載されました。二人とも18歳であり成人。がんばるという決意を感じる文章です。来週1月18日、19日は大学入学共通テストであり、大学受験に向けてがんばっている姿が浮かびます。大人になると、つい出来ない理由を探したがりますが、大人がしっかりと頑張らないといけないと思いました。
 今日1月13日の朝日新聞社説「若者の学び 大人も点検する機会に」では、昨年度末に公表された「国際成人力調査」の結果について分析しています。なぜ日本社会に閉塞感が漂っているのか…。「急速に社会が変わる中、大人になっても自ら学び続けることの大切さが増している。大人は、その範を示せているか。」と鋭い問題提起をしています。
 私も18歳成人である生徒からも学んでいます。

◇本番で笑うために(田中健太郎)
 私は幼少期から空手道を始め、現在も続けている。私が通う道場は稽古が終わる時間が遅く、土曜日、日曜日にも稽古があるため時々つらく思うこともある。しかしそれでも、私は稽古をやめない。それは、師範から言われた「本番で笑うために、練習で泣け」という言葉に感銘を受けたからだ。
 この言葉を受けてから、私はどんなにつらい練習でも諦めず、今出せる全力で臨むようになった。そして段位の審査に合格できて、大会でもメダルを取れるようになった。今後の人生においても空手道はもちろん、受験や就職の場面でも、この言葉を胸に全力で頑張っていきたい。
◇目標達成へ自ら努力(花城 姫莉)
 私は受験生だ。ただし自信を失っている真っ最中だ。似たような状況は、小学生の時もあった。バスケットボールを始めたが体力はなく、コーチにいつもどなられて、自信とやる気を失ってしまっていたのだ。
 その時は、母が様子を見かねて悔しがり、私を自主練習に連れ出した。私は毎日の自主練習が嫌で、泣きながらやる日もあったが、おかげで体力がついて自信も取り戻した。そして、「やってよかった」と心から思った。
 今の私は、当時とよく似ている。ただし今度は、「自分から状況を打開し、目標を達成するための努力をしていきたい」と頑張っている。
 そして、受験が終わった時に、「頑張ってよかった」と胸を張れるよう勉強している。

【校長ブログ】富士も秩父も高く正し ~3学期始業式~

 1月8日、県立川口高校では3学期始業式です。早朝の校内を巡回していたら、凛とした朝空に校歌の一節にもある♪富士も秩父も高く正し♪のとおり、壮大な富士山、秩父の峰々、特に武甲山がよく見えました。

 校長として、校長講話は毎回何を伝えようか迷います。今回は、新年の賀詞交換とともに、生徒諸君一人ひとりに「行動することの大切さ」を伝えたいと思いました。米国の第35代大統領ジョン・F・ケネディ(1917-1963)が敬愛する日本の政治家としてあげた上杉鷹山(1751-1822)の言葉を紹介しました。

 始業式の校長講話を紹介します。

新年にあたり、「賀詞の交換」をしたいと思います。

 新年あけましておめでとうございます。(おめでとうございます。)

 新年に会社同士で年頭の顔合わせを行う集まりを賀詞交換会といいます。新年の挨拶を一堂に会して行なわれるので、一度に多くの方々と顔負わせと名刺交換が出来る場となり、ビジネスチャンスも広がります。教科書には全く書いていませんし、先生も教えてくれませんが、「挨拶をされて怒る人はいませんが、されないで怒る人はたくさんいます」。今年は巳年。蛇は脱皮を繰り返しながら、変化し、成長していきます。皆さんも、一皮むけて、一回り成長する年にしてください。意識して大きな声で挨拶をするよい習慣を身に付けてください。

  2025年がスタートしました。

 米国の大統領はいつの時代でも注目される存在です。今年1月20日、米国では第47代大統領に78歳のドナルド・トランプ(1946-)が返り咲きます。

 1961年、43歳で第35代米国大統領になったジョン・F・ケネディ(1917-1963)の就任の時、日本の新聞記者が「日本で最も尊敬する政治家は誰ですか」と質問し、ケネディは「上杉鷹山です」と話したそうです。日本人でさえ、上杉鷹山のことを知っている人が少なかった時代に、米大統領が尊敬していると言ったことで、非常に注目されました。大統領の長女であるキャロライン・ケネディ氏が駐日米国大使だった2013(平成25)年11月27日に東京都内で行った講演の中で、「父は18世紀の東北地方の大名で、優れた統治力と公益のために献身したことで名高い上杉鷹山を敬愛していた」と話しています。

 上杉鷹山は、日本史探究の教科書135頁の欄外で紹介されていますが、皆さんもほとんど知らないと思います。上杉鷹山については、歴史小説で童門冬二『上杉鷹山』(学陽書房 1983年)、藤沢周平『漆の実のみのる国』(文藝春秋 1997年)などで取り上げられています。

  令和7年の年頭にあたり、皆さんに上杉鷹山の名言を紹介します。

 「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」

 江戸時代中期に、現在の山形県にあった米沢藩の財政破綻を立て直した米沢藩第9代藩主・上杉鷹山(1751-1822)が、次期藩主や家臣に向けた家訓として残したものであると言われています。国語の古文の時間の訳としては、「やれば実現する、やらなければ実現しない、いかなることもそうだ、実現しないのは、その人がやらないからだ」であれば満点でしょう。AIで訳を求めたら、「 何かをやり始めれば、必ず成し遂げられる。 何もしなければ、何事も成し遂げることはできない。うまくいかないのは、他の誰でもなく、その人がやらなかったからだ。」と冷静な回答でした。

  とは言え、人生そんなに上手くいくわけでもなく、為しても成らないことの方が多いのが現実です。しかし、歴史上の名言には、その背景があります。まずは為さねば何も起こらないので、行動を起こすだけでも価値があるはずです。そして、成せなかった時でも、成し遂げた時でも、粘り強く事に当たるように心がけることが大切です。

  何事も「出来ない理由」を探すのではなく、できるための知恵を見出してほしい。生徒の皆さんが生きるこれからの時代は、激動の時代を迎えており、多くの困難に立ち向かう必要があります。

 こんな時代こそ、今から200年前の上杉鷹山の「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」は私たちに勇気を与えてくれる言葉です。 

 川高生の皆さん

 元気に挨拶していますか。

 他人に優しくしていますか。

 夢を諦めていませんか。

 志 高く。

【校長ブログ】受験生のがんばりを応援しています~今年度最後の学校説明会を開催~

 1月7日、新年早々ですが、県立川口高校では、今年度最後の学校説明会を視聴覚室で開催しました。受験生は、いよいよラストスパートの時期です。誰しも不安が生じるのは、「絶対合格したい」と思っているからであり、がんばっている証です。最後の最後まで取り組んでいってほしいと思います。

 2月26日の高校入試まであと51日。埼玉県では今回から電子出願となり1月27日(月)正午から2月10日(月)正午までが出願入力期間となります。従前よりも志望校の絞り込みが早まっている感じがしています。

 今年度の学校説明会は今回で終了となります。これまで学校にお越しいただいた多くの皆様に感謝申し上げます。

【校長ブログ】初春 日本書道美術院教育部展~令和7年始動~

 1月4日、県立川口高校では、サッカー部、ラグビー部、男子バスケットボール部、女子バレーボール部、男子バドミントン部、女子バドミントン部、柔道部、吹奏楽部などが新年令和7年の部活動を始動しました。
 第79回日本書道美術院教育部展において、3年生の 三上 芽留 さんの作品が、理事長賞を受賞しました。私は、さっそく東京都美術館(東京都台東区)で開幕した日本書道美術院教育部展に行ってきました。力作ぞろいの展覧会でしたが、かな部門の三上 芽留 さんの作品も写真のとおり素晴らしい作品でした。
 日本書道美術院は、戦後混乱さなかの昭和20(1945)年12月に全国に散在していた書家を結集して、結成された書道の総合団体です。教育部展は、高校生・中学生・小学生・幼年を対象とした書道展で、昭和21(1946)年から毎年開催している伝統ある展覧会です。
 三上 芽留 さんの益々の活躍を期待しています。

【校長ブログ】生徒一人ひとりのウェルビーイングを目指して

 新年あけましておめでとうございます。

 能登半島地震から1年が経ちました。被災地の一日も早い復興と、被災された皆様の生活が1日も早く平穏に復することをお祈り申し上げます。

 令和7年が始まりました。埼玉県立川口高等学校は今年で創立85年目を迎えます。生徒一人ひとりがウェルビーイングを実現できるように教職員全員でサポートしてまいります。引き続き、皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。

 ウェルビーイング(Well-being)は、well(よい)とbeing(状態)からなる言葉で、「身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること」を言い、1946年に世界保健機関(WHO)設立の際に考案された憲章の中で初めて言及されたものです。文部科学省の第4期教育振興基本計画(令和5年度~9年度)にも明記されています。

 今から10年前の2014年、2030年代の日本は、厳しい挑戦の時代を迎えていると予想されていました。生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会構造や雇用環境は大きく変化し、子供たちが就くことになる職業の在り方についても、様変わりすることになるだろうと見込まれていました。

 しかし、2030年代の到来を待たずに、2020年代は新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行、ロシアのウクライナ侵攻、パレスチナ紛争の激化など、協調・競争と分断・対立により混迷の度を増すグローバル情勢、気候変動に伴う自然災害の激甚化、生成AIなどデジタル技術の 発展といった大きな変化があいまって、社会や経済の先行きに対する不確実性がこれまでになく高まっています。

 昨年12月25日、小・中・高校で学ぶ内容や授業数を定める学習指導要領の改訂に向けた検討が中央教育審議会に諮問されました。そこでは、芸術やスポーツを通じた豊かな心身の育成を含め、多様な個人が幸せや生きがいを感じると同時に、地域や社会全体でも幸せや豊かさを享受できるよう、教育を通じて、調和と協調を重視する日本社会に根差したウェルビーイングの向上を図ることが必要だと述べられています。

 子どもたち一人ひとりがウェルビーイングを実現できるように、学校・家庭・地域が一体となって育むことが一層大切だと思っています。

【校長ブログ】高校生の無限の可能性を感じました~県教委主催・探究活動生徒発表会~

 12月26日、私は、日本薬科大学で開催された探究活動生徒発表会(埼玉県教育委員会主催)を初めて見学してきました。主催者の発表では約1100名の参加があり、159組490名の生徒が口頭発表やポスター発表に取り組んでいました。

 県立川口高校の生徒は参加していませんが、普通科・専門学科・総合学科の枠を超えただけでなく、、NHKでドラマ化された「宙わたる教室」のように朝霞高校定時制の口頭発表もあり、多くの生徒の発表を直接聞けたので、とても刺激的でした。

 埼玉県教育委員会では、平成22(2010)年度から東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)と連携し「県立高校学力向上基盤形成事業」に取り組んできており、毎年、「未来を拓く『学び』プロジェクト」シンポジウムを開催してきました。東京大学CoREFは平成29(2017)年3月に年限満了につき活動を終了しました。東京大学CoREFの研究チームは、東京大学高大接続研究開発センターを経て、令和3(2021)年4月から一般社団法人教育環境デザイン研究所にCoREFプロジェクト推進部門を設置し、協調学習の授業づくりプロジェクトに取り組んでいます。

 私も、高校教育指導課に勤務していた平成29・30年度には主催者側として運営に関わっていました。主体的・対話的で深い学びの一つとして知識構成型ジグソー法のシンポジウムには、北海道から福岡県までの21の都道府県から約700名の教員が参加していました。

 今回の発表会と前述のシンポジウムの違いは、生徒の発表の場であるかです。生徒の理科・数学などに基づいた探究だけでなく、地域探究やデータサイエンスに基づいた探究など、様々な切り口に感心しました。高校生の無限の可能性を感じました。

【校長ブログ】アニメ『めぐみ』を視聴~1学年人権教育~

 12月20日、県立川口高校では、1年生を対象とした人権教育を開催しました。アニメ『めぐみ』を各教室で視聴し、リフレクションを行い、北朝鮮当局による拉致問題についての理解を深めてもらいました。

 アニメ「めぐみ」は、昭和52(1977)年、当時中学1年生だった横田めぐみさんが、学校からの帰宅途中に北朝鮮当局により拉致された事件を題材に、残された家族の苦悩や、懸命な救出活動の模様を描いた25分のドキュメンタリー・アニメです。

 令和6年12月県議会において、埼玉県拉致問題等の早期解決に向けた施策の推進に関する条例が成立し、令和6年12月24日に公布・施行されました。

 本条例は、拉致問題等の早期解決に向けた取組に関し、基本理念を定め、県の責務及び県民の役割を明らかにするとともに、拉致問題等の早期解決に向けた施策の基本となる事項について定めることにより、拉致問題等を風化させてはならないという決意の下、拉致問題等の早期解決に資することを目的とするものです。

 1日も早い拉致問題解決を祈念しています。

【校長ブログ】一人ひとりのがんばりを称えたい~県立川口高校2学期終業式~

 12月24日、県立川口高校では2学期の終業式・表彰式でした。私は、始業前に各教室をまわるのが習慣になっています。3年生のある教室に「登校日数あと20日」とか「受験に勝って!!今までで一番でっけェ宴をやろう‼」と黒板に書いてありました。残り少ない高校生活への思いを感じます…

 終業式の校長講話では、生徒へのエールを込めて「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉を紹介しました。その後の表彰式では演劇部、吹奏楽部、写真部、軽音楽部、学業成績が優秀と認められたものと資格取得者を称える「チーム川高賞」1年21名、2年21名、3年42名、そして長距離走の表彰であるベスト3走の表彰を行いました。生徒諸君一人ひとりのがんばりを称えたいと思います。

 終業式の校長講話の内容をご紹介します。

 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉があります。

 プロ野球で南海、ヤクルト、阪神、楽天で監督をした野村克也監督の名言と言われています。しかし原典は、18世紀に現在の長崎県の平戸藩主であり、剣術の達人でもあった松浦静山(まつら せいざん)(1760~1841)の言葉と言われています。負けるときは、負けにつながる必然的な要因があるが、どうして勝ったのかどうも思い当たらないという不思議な勝ちがあるということです。

 3年生の一般受験者は、大学入試直前です。学校推薦型選抜入試や総合型選抜入試で進学先が決まったものもいるでしょう。「人生の勝負はまだまだです」。だから、あえて言う。3年生、勝負から逃げるな。学校から逃げるな。入試にしても、就職にしても、社会人になってからも、人生は「勝負」の連続です。勝負ごとで勝利を獲得するためには、負けない戦略をたて、負けない努力をし、そこに時の運が加わった結果、「成功」を手に入れることができます。  

負けない方程式をつくることです。絶対に勝てる戦略というものはありません。しかし、「これをやったらほぼ確実に失敗する」ことはあります。これは、古今東西の歴史が物語っています。現役受験生の「ほぼ確実に失敗する」パターンは、自分一人だけで勉強することです。受験は団体戦といいます。学校で仲間と乗り越えていきましょう。

 私たち教員にできることは、負けない戦略をたててあげることしかできません。実は、皆さんは日頃から部活動などを通してこの「負けない方程式」のトレーニングをしているのです。

 大学入試では負けない戦略を立てることが大切です。合格者の最低点はほとんど変動しない。300点満点であれば、7割とれば合格。精神科医の和田秀樹さんは、「学力は冬に伸びる。冬は春の8倍も勉強が進む」と言っています。春先の迷い勉強よりも12月の勉強は英語・数学の処理速度は2倍。12月、1月の勉強は志願先が絞り込まれ効率は2倍。受験直前で春先よりも12月は集中でき効率は2倍。

 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

 

 川高生の皆さん

 元気に挨拶してますか。

 他人に優しくしてますか。

 夢を諦めていませんか。

 志高く。

【校長ブログ】最後の最後まで学力は伸びます~県立川口高校第3回学校説明会を開催~

  12月21日、県立川口高校では第3回学校説明会を本校アリーナ(体育館)で開催しました。約200名の中学生、保護者の皆様に御来校いただきました。感謝申し上げます。

 校長の学校概要・高校入試説明、生徒会会長の高校生活説明、生徒による部活動説明の後、吹奏楽部の演奏のもと120人の運動部有志生徒による受験生応援エール、校歌披露などを行いました。

 学校説明会後の生徒会主催の校内見学ツアーにも多数の皆様にご参加いただきました。また、今回は吹奏楽部がミニコンサートを開催し、好評でした。

 御来校いただいた皆様には、川高生の元気な様子を実感していただいたと思います。

 受験生の皆さん。学力検査日の2月26日まであと67日。がんばった学力はこれから徐々に現れてきます。最後の最後まで自分の力を信じで取り組んでください。応援しています。

【校長ブログ】音楽は、心に響く魔法である~芸術鑑賞会を開催~

 12月18日、県立川口高校の芸術鑑賞会が越谷サンシティ(埼玉県越谷市)で開催されました。今年は音楽部門の芸術鑑賞会で、東京サロンシンフォニーオーケストラ(高橋勇太 指揮)によるクラシックコンサートです。

 ♪カルメン ♪美しき青きドナウ などの名曲の他、楽器紹介コーナーもありました。特に打楽器の 田中 祐哉 さんのパフォーマンスに全校生徒は大爆笑。
 スペシャルゲストとして、オペラ歌手の 見角 悠代(みかど はるよ)さん、 伊藤 達人 さんがサプライズ登場されました。 見角 悠代 さんは、数々のオペラで活躍し、天性の美声を持つといわれるソプラノ歌手で今回は、♪天使のパン の独唱。伊藤 達人 さんは、伸びやかに広がる歌声で活躍が期待されているテノール歌手で今回は♪オー・ソレ・ミオを熱唱。生徒からは「ブラボー」の声と共に大きな拍手が送られました。そして、二人でヴェルディの♪乾杯の唄 を熱唱。会場は再び大きな拍手に包まれました。
 東京サロンシンフォニーオーケストラと県立川口高校吹奏楽部の共演は、♪サウンド・オブ・ミュージック メドレー。指揮者の 高橋 勇太 さんからも称賛をいただきました。

 私は数々の芸術鑑賞会に出席していますが、音楽部門では、今日の演奏会が「ブラボー」でした。今日お世話になった、指揮者の高橋 勇太 さん、打楽器奏者の田中 祐哉 さん、オペラ歌手の 見角 悠代 さん、伊藤 達人 さんなど、それぞれの世界で大活躍されている錚々たる方々だということを、帰宅してから知りました。
 私は、芸術に触れる時間は、とても大切なものだと思っています。米国の詩人ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー(1807-1882)は、「音楽は、心に響く魔法である。」と言っています。音楽の素晴らしさに触れた時間でした。

 東京サロンシンフォニーオーケストラの皆様、オペラ歌手の見角 悠代さん、伊藤 達人 さんに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

【校長ブログ】自分を見つめ直すこと~新聞記事から思ったこと~

 12月12日、県立川口高校では2学期の期末考査最終日。しっかり実力をはっきできたでしょうか。インフルエンザや新型コロナウイルスのために出席停止になってしまった生徒もいました。1日も早い快復を祈念しております。

 期末考査期間中の12月10日、読売新聞の投稿欄U-25に、県立川口高校3年生の 中村 優菜 さんの投稿「自分を見つめる面接練習」が掲載されました。

 「大学受験を迎える時期になり、今まで以上に自分と向き合う時間が増えた。面接練習をしているうちに、自分の長所や短所を改めて考え、自分のことを客観的に見ることができた。将来を考えることで、自分がどう生きて、社会に貢献できるかが明確化され、自然と大学での目標が立てられるようになった。今後も自分を見つめて頑張っていきたい。」という主旨の内容です。

 同じ紙面に、テレビでもおなじみのシャンソン歌手兼料理愛好家の 平野 レミ さんの「キッチンからの幸せ」という連載記事が掲載されていました。都立高校の進学校に進学したものの、性に合わず中退したお話です。学校の窓から見える東京大学の校舎を指さし「あそこに行くには猛勉強だ」と先生たちがハッパをかける校風に合わなかったそうです。悩みに悩んで父親に「学校めたくなっちゃった」と正座して話したところ、「わかった。やめろ」と一言。何も理由を聞かなかったそうです。「その代わり、好きなことを徹底的にやれよ」と言われたそうです。父親も性に合わない学校で苦労していたそうです。

 同じ紙面に高校時代の葛藤が掲載されていましたが、何歳になっても、時々自分を見つめ直すことは大切だと思います。

【校長ブログ】対話を怠っていませんか?~83年前の日米開戦に想う~

 12月9日、県立川口高校では、本日から4日間期末考査です。黄金色に輝く校内のイチョウも冬を思わせています。

川高生には自分の力をしっかりと発揮してくれることを期待しています。

 昨日12月8日は、日米開戦の日でした。新聞各紙では、日米の和解や非戦を誓う言葉がいろいろと報道されていました。私は大学で歴史を学びました。過日参加した歴史教育の会議で「歴史を職業とする私たちは、対話を怠っていないか?」という問題提起があり、ハッとしました。

「歴史とは、現在と過去との対話である」

と語ったのは、英国の歴史家E・H・カー(1892-1982)です。『歴史とは何か』(岩波新書 1962年)が有名ですが、『歴史とは何か 新版』(岩波書店 2022年)も刊行されました。

「歴史は…人の財産。あなた達がこれから生きる未来をきっと照らしてくれるけど、過去から受け取った歴史は、次の時代へひきわたさなくちゃならない。過去の声を受け止めて、守りたかっただけ」(ONE PIECE)

「歴史中のだれもが、はるか昔から同じ血を受け継いで、今、生きているのです。歴史はさらに未来へ続きます。これからの人類の歴史を戦争などのない明るく楽しいものにしたいですね」(どらえもん)

というアニメの言葉も心に響きます。

 1941(昭和16)年12月8日午前3時19分(現地時間7日午前7時49分)、日本軍が米国ハワイ・オアフ島の真珠湾の米軍基地を奇襲攻撃し、3年9カ月に及ぶ太平洋戦争が始まりました。日本近現代史の研究者である 加藤 陽子 東京大学大学院教授の『戦争まで―歴史を決めた交渉と日本の失敗―』(朝日出版社 2016年)という本を紹介します。

 この本は、28名の中高生を対象にした歴史講義がもとになっています。日米開戦の前に、世界が当時の日本に「どちらを選ぶか」と真剣に問いかけてきた交渉事は三度ありました。第一は、満州事変に対して当時の国際連盟によって派遣された調査団が作成したリットン報告書をめぐっての交渉と日本の選択です(1932年)。第二は、ヨーロッパでの戦争と太平洋での日米対立を結びつけることになった日独伊三国軍事同盟締結についてです(1940年)。第三は、1941年4月から日米開戦直前の1941年11月までに日本と米国の間で交渉がなされた日米交渉です(1941年)。

 加藤陽子教授は「この講義の目的は、みなさんの現在の日々の生活においても、将来的に大人になって社会人になった後においても、交渉事にぶちあたったとき、なにか、よりよき選択ができるように、相手方の主張、それに対する自らの主張を、掛け値なしにやりとりができるように、究極の問題例を挙げつつ、シミュレーションしようとしたことにあります」と述べています。

 当時の日本がなぜより良き道を選べなかったのかを、じっくりと考えることができる一冊です。是非ご一読ください。

【校長ブログ】読売新聞「気流」の投稿

 新聞には読者からの投稿で成り立っているコーナーがいくつもあります。12月4日の読売新聞朝刊の投稿欄「気流」に県立川口高校の 主代 優羽 さん(3年)の「人の評価 気にせず撮ろう」が掲載されました。

 「スマホで写真を気軽に撮れるようになった今日、写真撮影の自由度が減っている。SNSの普及によって、自分の写真に対して“いいね!”の承認欲求が強すぎて、写真本来のよさが失われてしまうことを危惧している。高校の写真部に入って本来のよさに気付いた。写真をもっと純粋に楽しむ人が増えることを願う」という主旨の高校生らしい文章です。著作権の関係で全文を掲載できませんが、主代優羽さんの読売新聞「気流」の文章、ぜひ、ご一読ください。

 高校における国語科は、「現代の国語」「言語文化」(いずれも共通必履修科目、以下選択科目)「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の6つの科目で構成されています。特に「国語表現」は、表現力を培い、表現を楽しむことに力を入れている科目です。教科書を見ても、小論文や志望理由書、手紙やメールの書き方など様々な場面での書く力を培います。最近の日本人は、しっかりと文章を書くことが少なくなっていることが気がかりです。

【校長ブログ】スプレー菊の花言葉は…~旧制川口市立川口中学校の校旗~

 華道部から校長室に素晴らし作品をいただきました。スプレー菊、グラジオラス、あかめ柳の生け花です。スプレー菊はスプレーマム、西洋菊とも言われ、日本や中国が原産の和菊が米国で品種改良され、ヨーロッパを経由して1970年代に日本に導入された洋菊です。


 校長室だけでなく、渡り廊下、事務室前にも展示しています。事務室前のスペースでは、本校の開校時の校旗「旧制川口市立川口中学校」とともに凛としています。
本校は、1941(昭和16)年に旧制川口市立川口中学校として開校し、埼玉県川口市立川口高等学校、1951(昭和26)年に埼玉県に移管され県立川口高等学校として長く男子校として発展を重ね、時代の変化と要請を踏まえ、1997(平成9)年に男女共学化した創立84年の伝統校です。この学び舎を巣立っていった卒業生は25,300名に達し、埼玉県内はもとより国内外において様々な分野で活躍しております。


 スプレー菊の花言葉は「高潔」。高潔とは、『広辞苑』では「けだかくいさぎよいこと。高尚で潔白なこと」とあります。
 県立川口高校華道部の皆さん、ありがとうございます。

【校長ブログ】自分の力を信じて~学力はまだまだ伸びます~

 11月26日、県立川口高校では、イブニング学校説明会を開催しました。50名を超えるの中学3年生、保護者の皆様にご来校いただきました。ご多忙の中、ご来校いただき、御礼申し上げます。日没時間も午後4時29分と、午後6時過ぎに終了したときは、外は夜景がきれいでした。

 私からは、県立川口高校の教育活動の説明だけでなく、学力の伸びについて説明しました。2月26日の埼玉県公立高校入試まであと92日、受験の時期が近づくにつれ、模試の結果が思うように伸びず、不安の方もいると思います。

 出題範囲の限られている定期考査では短期間での勉強でも効果が出る場合もありますが、高校入試や大学入試などの場合、勉強の成果は短期間では現れません。

 定期考査は、試験範囲は限定されており、問題作成も教科担当である教科担当の先生が行っています。そのため、試験対策も狭い範囲で済む上、出題傾向もつかみやすいものです。高校受験や大学受験では、出題範囲は中学校3年分や高校3年分です。初めて見る問題を制限時間内に解ききる実力が必要になります。そのため、短い期間の勉強だけでは模試の結果には結びつきにくいのです。

 成績が伸び始めるのは勉強を本格的に始めて「3ヶ月後」と言われています。夏休みのがんばりが、12月や1月になってようやく現れてきます。でも、あきらめた段階で学力は急速に失速します。あきらめずに自分の力を信じて乗り越えましょう。

 県立川口高校を目指している中3生、県立川口高校から大学進学を目指している川高生、がんばれ!受験生

【校長ブログ】母校への思いを胸に刻む~生徒会本部役員認証式~

 11月22日、久しぶりの晴天です。早朝の県立川口高校からは富士山がよく見えます。3日前(11月19日)の富士山とは全く違い、壮大な冬の富士山です。

 昨日11月21日、県立川口高校では生徒会本部役員認証式を行いました。生徒会会長 佐藤 三波 さん(2年)、生徒会副会長 武田 晃誠 さん(2年)、生徒会副会長 久保 菜々実 さん(1年)、監査委員長 成田 達也 さん(2年)に校長から認証書を手交しました。その後、他の生徒会本部役員が呼名され、第76期生徒会本部のスタートです。前執行部の生徒会会長 本田 宏一郎 さん(3年)、副会長 守屋 希香 さん(3年)、副会長 高須 三礼 さん(3年)をはじめとする皆さん、本当にお疲れさまでした。

 認証式では、米国のジョン・F・ケネディ大統領の就任演説の「国家が諸君のために何を成し得るかを問うのではなく、諸君が国家のために何を成し得るかを問いたまえ」の逸話について紹介しました。

 ただいま生徒会本部役員の認証式を行いました。目を輝かせて認証状を受け取ってくれました。今後の活躍を大いに期待しています。

 さて、先月10月3日に行われた生徒会本部役員選挙は、全立候補者から「川口高校を生徒の手でもっとすばらしい学校にしていこう」という、純粋な気持ちを強く感じる演説が聞けました。

 これまで頑張ってくれた旧生徒会本部役員の皆さん、1年間ありがとうございました。旧の役員さんがいたからこそ、新生徒会本部がスタートできたのです。

「大変だったけれど,生徒会をやってよかった。」この言葉こそ、自分自身が成長したことの証明だと思います。

 1961年1月20日、米国史上最も若い43歳で就任したジョン・F・ケネディ大統領は、就任演説で「アメリカ合衆国国民諸君、国家が諸君のために何を成し得るかを問うのではなく、諸君が国家のために何を成し得るかを問いたまえ」と語りかけました。とても有名なフレーズです。

Ask not what your country can do for you.Ask what you can do for your country.

私は高校の英語の時間にこのスピーチを勉強しました。

 この演説は大変有名ですが、実は原型があるそうです。ケネディが通ったチョート・スクール(現・チョート・ローズマリー・ホール)というプレップスクールがあります。プレップスクールというのは、アメリカのエリート層が行く全寮制の教育機関で、大学進学のための準備をする学校のことです。日本の中学・高校に相当します。

 このチョート・スクールで、当時の校長が、ケネディが在籍していた頃に「チョートが君たちに何をするかではなくて、君たちがチョートに何ができるかを問いなさい」という話をしたそうです。さらに元をたどれば、その校長がハーバード大学在籍時に、「諸君、自分の母校に求めるのではなく、自分が母校に対して何ができるかを問いたまえ」というようなことを言っていたという記録もあるそうです。

 今年で創立84年目の県立川口高校でも、11月16日、同窓会総会を開催し、第7期の90歳の大先輩から20代の方々まで来校し、母校への思いを語っていただきました。 

 いつも時代でも、母校愛は大切です。第76期生徒会本部の活躍を期待しています。

【校長ブログ】東京国際管弦声楽コンクール管楽器部門で第1位

 11月19日、東京国際管弦声楽コンクール管楽器部門高校生の部で第1位になった山岸聖明君(3年生)が吹奏楽部顧問の小出勝大教諭とともに、校長室に報告に来てくれました。

 この大会は、一般社団法人 東京国際芸術協会が主催するもので、11月10日、タワーホール船堀・小ホールにて開催されました。山岸君が、管楽器部門高校生の部でトロンボーン演奏で見事第1位の成績を収めました。

 東京国際管弦声楽コンクールは、これからもっと音楽を勉強したいという高校生、大学生、社会人を対象に有能な演奏家を発掘するとともに、豊かな表現力や可能性を引き出し、将来国際的に活躍できる音楽家としてはばたけるようその学習機会を提供し、それぞれの成果を表彰することによって、今後の精進への励みになることを目指し設立されました。

 山岸君は、中学校は吹奏楽部に所属。県立川口高校1年生ではサッカー部に所属していましたが、2年生から吹奏楽部に転部し、本格的に練習を開始。2024年第26回日本ジュニア管打楽器コンクール トロンボーンの部高校生(主催:日本音楽教育文化振興会)で金賞を受賞しています。

 山岸君に感想を聞くと、「練習どおりの演奏が出来ず、結果が出るまで心配ばかりでしたが、このような素晴らしい賞を頂けて、とても嬉しいです。」と語っていました。高校卒業後は大学で音楽を専門的に学びたいとのこと。さらに演奏力を磨いていってほしいと思います。

 本当におめでとうございました。

【校長ブログ】富士山三景

 11月19日、一段と冷え込んだ今朝、早朝の県立川口高校を巡回していると雪をかぶった富士山がくっきりと見えました。


富士山は、日本人の原風景や信仰の対象、文化の母胎として、古くから心のふるさととして親しまれてきました。
夕方の富士山は、朝とは違ってシルエットです。

とても清々しい気持ちの一日でした。

【校長ブログ】同窓会総会に出席しました

 11月16日、県立川口高校で同窓会総会が開催されました。第7期生(1953年卒業)の先輩をはじめ29名の卒業生の皆さんが集いました。私も校長としてお招きいただき、挨拶をしました。

 総会では、事業報告、決算予算などの審議の後、卒業生の方々が現役生に職業観について語る「ようこそ先輩」について、同窓会ホームページの充実についてなどの協議が行われました。

 本校は、1941(昭和16)年に旧制川口市立川口中学校として開校し、学制改革により1948(昭和23)年に埼玉県川口市立川口高等学校、1951(昭和26)年に埼玉県に移管され県立川口高等学校として長く男子校として発展を重ね、時代の変化と要請を踏まえ1997(平成9)年に男女共学化した創立84年目の伝統校です。埼玉県立川口高等学校同窓会は、1952(昭和27)年11月1日に結成されています。この学び舎を巣立っていった卒業生は25,300名に達し、埼玉県内はもとより国内外において様々な分野で活躍しています。

 卒業生の皆様からは、在校中の思い出や社会人になってからの川高生のつながりの大切さなど、母校への熱い思いをたくさん伺うことができました。私は校長として、学校と同窓会の緊密な連携はとても大切だと思っています。引き続き同窓会の皆様方からの温かいご支援ご協力をいただければ幸いです。

 

【校長ブログ】中3生の10年後、30年後を考えてみましょう~県立川口高校第2回学校説明会を開催~

 11月16日、県立川口高校では第2回学校説明会を本校アリーナ(体育館)で開催しました。約600名の中学3年生、保護者の皆様に御来校いただきました。ご来校いただきました皆様に感謝申し上げます。

 校長の私からは①2030年代に求められる力 ②気になる川口高校の取組 ③「非認知能力」を身につけよう についてお話ししました。その後、生徒会会長の高校生活説明、生徒による部活動説明、教頭による高校入試説明の後、吹奏楽部の演奏のもと120人の運動部有志生徒による受験生応援エール、校歌披露などを行いました。私も川高生のパワーを目の当たりにして元気をもらいました。

 学校説明会後の生徒会主催の校内見学ツアーにも多数の皆様にご参加いただきました。また、今回は高校と中学校の違いを実感してもらうために、受験生、保護者向けに食堂の営業をしてもらい、カワタカ食堂のランチをお楽しみいただきました。

 御来校いただいた皆様には、川高生の元気な様子を実感していただいたと思います。

 

 現在、全国の小中高の実施されている学習内容(学習指導要領)は、2030年の社会で必要とされる資質能力を育むために行われています。学校説明会では、中学3年生が20代になって社会で活躍し始める2030年代に求められる力、さらに40代になって社会の中核となる2050年に求めれる力についてもお話ししました。

 教育を通じて、解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解ける力を育むだけでは不十分です。これからの子供たちには、社会の変化の中でも、自立した人間として、高い志と意欲を持って、膨大な情報から何が重要かを主体的に判断し、自ら問いを立ててその解決を目指し、他者と協働しながら新たな価値を生み出していくことが求められます。そのためには、学力だけでなく、自分を動機づけて高めようとしたり、自分の感情をコントロールしたりしながら、自分と他者を大切にできる非認知能力の育成が、変化の激しい社会のなかで求められています。

【校長ブログ】ドラマを先にみるか?原作を先に読むか?~「宙わたる教室」~

 私は、教員をしているためなのか、テレビや映画の学園物はあまり見ません。高校生の時に、テレビドラマだと中村雅俊さん主演の「ゆうひが丘の総理大臣」(日本テレビ系列)は見ていました。学園ドラマとは、夕陽に向かって走り続ける高校生のイメージです。

 先日、窪田正孝さん主演のNHKドラマ10「宙わたる教室」を見て、原作を読みたくなりました。ディスレクシア(dyslexia)について取り上げていたからです。ディスレクシアとは学習障害の一種で、失読症、難読症、識字障害、読字障害とも言います。書かれた文字を読むことが出来ない、読めてもその意味がわからないなどの症状が現れる特性です。文部科学省が行った4万人対象の調査では、およそ4%の児童生徒がディスレクシアであるという調査結果がありました。

 窪田正孝さんを主演のドラマ10「宙わたる教室」。10月8日から全10回の放送です。舞台は、東京・新宿にある定時制高校。年齢も抱える事情もさまざまな生徒たちが科学部を結成し、「火星のクレーター」を再現する実験に挑み学会発表を目指すという、実話に着想を得た物語です。本の帯には「それでも、学校に行く。それでも、働く。人を信じる。好きなものを諦めない。自分の未来を諦めない」(作家 額賀澪さんのコメント)

 原作の伊予原新さんの『宙わたる教室』(文藝春秋・2023年)を一気に読了しました。伊予原新さんは神戸大学理学部を卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻され、2010年に作家デビューした異色の経歴の方です。

 

 ちょうど11月4日の朝日新聞朝刊の連載記事「インクルーシブ教育@Japan発達障がいからの進学」では、東海地方のある県の公立高校受験でディスグラフィア(dysgraphia)(書字障がい)の受験生が公立高校受験で使い慣れたiPadを使用できた事例が紹介されていました。

 伊予原新さんの『宙わたる教室』の一節を紹介します。

「メンバーに多様性を与えること。均質な遺伝子をもつ生物集団が環境の変化や感染症の流行でたやすく全滅するように、メンバーが同じような能力しか持たないチームは、困難を突破する術を見出せずに立ち往生することが多い。」

「自分の将来を、一本道のように見通せる人はいません。とにかくそれを一つ選んで開けてみると、またそこは小さな部屋で、扉が並んでいる。人生はその連続でしかない。」

 ドラマは原作に沿って制作されています。ドラマを先にみるか?原作を先に読むか?是非、ご一読を。

【校長ブログ】先生も勉強しています~県立川口高校教職員研修会を開催~

 11月7日、今朝は冷え込みました。暦のうえでは今日は立冬。校内のイチョウの木は色づいています。気象庁は東京で木枯らし一号が吹いたと発表しました。

 今日は放課後、衛生委員会が中心となって職場環境改善研修会を開催しました。本校の健康管理医の杉浦敏之医師にご来校いただき、職場ストレスチェックの分析、今年の新型コロナ、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎の動向、カフェイン、認知症など多岐にわたりご講演いただきました。杉浦先生は、川口市内で医療法人社団弘惠会 杉浦医院 の理事長としてご活躍されており、平成16(2004)年から本校の健康管理医としてご指導いただいています。教員の働き方改革の取組が注目されています。良い仕事をするためには心身ともに健康であることが大切だと改めて思いました。

教育基本法第9条には、「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」と規定されています。どのような業種においても「研修」は重要ですが、これからの変化の激しい、予測困難な時代を生きる子供たちの「生きる力」を育成していく教員にとって「研修」は特に重要なものであると思います。

 学校の先生も、いろいろな角度から勉強をしています。

【校長ブログ】ストックの花言葉は…~華道部の作品「清廉」~

 11月5日、華道部から校長室に素晴らし作品をいただきました。今回の作品名は「清廉」。菊、ストック、キキョウラン、サンゴミズキの生け花です。校長室にいただいた作品は花器も石をイメージしてあります。職員玄関や校内の廊下が華やかに彩られています。

 ストックの花言葉は「永遠の美」「愛情の絆」。県立川口高校華道部の皆さん、ありがとうございます。

【校長ブログ】自転車の「ながらスマホ」もNG 今日から改正道路交通法スタート

 11月1日、今日から道路交通法が改正され、自転車運転中にスマートフォン等を使用する「ながら運転」(「ながらスマホ」)の罰則が強化され、また、「自転車の酒気帯び運転」が新たに罰則の対象とされます。自転車による事故から自分自身や周囲の人を守るために、改めて自転車の運転に関するルールを確認しておきましょう。

◆運転中の携帯電話の使用(ながらスマホ)

スマートフォンなどを手で保持して、自転車に乗りながら通話する行為、画面を注視する行為が新たに禁止され、罰則の対象となりました。

(注意)停止中の操作は対象外

【罰則】

違反者は、6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金

交通の危険を生じさせた場合、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金

【校長ブログ】校内のハロウィンを探してみました

 10月31日、久しぶりの秋晴れの朝。早朝の校舎からは富士山がくっきりと見えました。

今日は、4時間目に体育(3年1・5・6組)の授業にお邪魔しました。県立川口高校ではコロナ禍を経てマラソン大会を廃止しました。その代替として秋晴れのこの時期に体育の授業で1周400mのグラウンドを周回(男子9周、女子8周)して「ベスト3走」として記録をとっています。3年生、各自自己ベストに向けて全力で頑張っていました。

 さて、10月31日はハロウィン。日本で初めてハロウィンを取り扱ったのは、1970年代、キデイランド原宿店であるといわれています。ハロウィンは、私の学生時代には全く認知されていませんでした。ハロウィンの認知度が急激に上昇したきっかけは、1997年に東京ディズニーランドで開かれた「ディズニー・ハッピー・ハロウィン」の仮装イベントだそうです。

 県立川口高校のカワタカ食堂では毎年食堂の皆さんがハロウィンの一工夫。持ち帰り用ブースには長蛇の列になっていました。

【校長ブログ】白菊の花言葉は…~華道部の作品「初秋」

 10月30日、華道部から校長室に素敵な花のプレゼントがありました。今回の作品テーマは「初秋」。小菊、ガーベラ、ユーカリの生け花です。

 菊は私たち日本人にはとても馴染みの深い花です。広辞苑では日本の国花は「桜または菊」と書かれており、古くから菊はさまざまな日本の文化的なデザインにも用いられてきました。例えば、日本の皇室の紋章や50円玉、パスポートといった、私たち日本人に深い関わりのあるデザインモチーフにも使われており、菊は日本を代表する花の一つとなっています。

 菊の花言葉にはなんとなく気になる…。白い菊の花言葉は「真実」、「慕う」、「誠実な心」という意味を持っています。

 秋らしい生け花に癒されています。華道部の皆さん、いつもありがとうございます。

【校長ブログ】中3生が41歳になる2050年に求められる力は…~イブニング学校説明会を開催~

 10月28日、今年度から始めたイブニング学校説明会の3回目を開催しました。大規模な学校説明会ではなく、日常の川高生の様子を見てもらうために、平日の夕方に開催しています。いつの間にか日の入りが早くなり、10月28日は16時50分です。48組約100名の中学3年生、保護者の皆様にご来校いただきました。ご多忙の中、ご来校いただき、御礼申し上げます。

 本日は、経済産業省が令和4年に発表した「未来人材ビジョン」に基づき、中3生が41歳になる2050年に求められる力についてお話ししました。2015年段階では「注意深さ・ミスがないこと」、「責任感・まじめさ」が重視されていますが、2050年には「問題発見力」、「的確な予測」、「革新性」が一層求められます。そのためには、高校時代に学習活動や部活動、学校行事など、あらゆる機会を利用してトレーニングすることが大切。本日の授業観察でも、先生方は工夫しながら授業を行っています。

【校長ブログ】この秋に、一回り大きく成長を

 10月28日、県立川口高校では、2学年が修学旅行が終わり、1週間ぶりに3学年全体がそろっての教育活動です。早朝に校内を巡回していると、校内にある柿の実やギンナンに秋を感じます。

 本日の授業観察は、文学国語(3年6組)、数学Ⅰ(1年2組)。「文学国語」は森鴎外の小説「舞姫」を題材にペアワークをして、Googleフォームで考えを投稿し、全体で共有するスタイル。「数学Ⅰ」は20人の少人数授業で一人ひとりに問いかけながら場合の数の単元。ある事柄の起こりうる場合の総数を指し、画像を活用しながら考えさせる授業でした。

 この秋に、一回り大きく成長してもらいたいと思います。がんばれ川高生

 

【校長ブログ】言葉のキャッチボールの大切さ~英語コミュニケーションⅢの授業~

 10月24日、早朝に校内を巡回していたら、うっすらと富士山が見えました。

                                         

 今日は川口高校では修学旅行特編授業のため午前中授業です。今日は3年9組の「英語コミュニケーションⅢ」の授業にお邪魔しました。最初の5分は、No Japanese,No Gesture,No Sentencesの英語によるクイズタイム。「釜めし」「絵馬」を英語で説明することに教室中盛り上がりました。ペア・ワークによる発音練習やパワーポイントを活用した英語構文解説など多岐にわたる授業内容でした。50分の授業の中で、密度の濃い英語4技能5分野を意識した授業内容でした。

 先生に伺ったら、突然の校長登場で生徒の皆さんは緊張気味だったようです…

 

 現在の高校英語教育は、4技能5分野の習得が必要とされています。4技能とは、「聴くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」。かつての英語教育は「読む」「書く」といった暗記に頼ることばかりと言われてきました。中学英語で現在形・過去形・未来形・進行形・完了形とさまざまな時制を覚えたり、疑問詞・助動詞・前置詞・動名詞・不定詞と用法を覚えたり、文法の勉強を重視してきました。でも、それだけでは英語の双方向のコミュニケーションを身につけることができなかいとの議論がありました。そこで、英語を話す人からの質問を理解し、英語での的確なやりとりができることを目指して、英語教育改革が進められることになりました。

 英語の4技能5分野とは、英語4技能の「話すこと」を「話すこと(やりとり)」と「話すこと(発表)」の2領域に分けたものを指します。「話すこと(やりとり)」は双方向でのコミュニケーション、つまり相手と言葉のキャッチボールをすること、「話すこと(発表)」は自分のことや身近な出来事などを相手に伝えることになります。

【校長ブログ】せっかくの不正解から目をそらさない~中間考査が始まりました~

 10月16日、川口高校の校内もキンモクセイの香りにつつまれ、秋を感じます。今日から3日間の中間考査が始まりました。今朝も早朝から登校して教室で自習をしている生徒が多数いました。1時間目から各学年の教室は緊張感が廊下まで伝わります。

 世の中は「解」のない課題がたくさんありますが、学校のテストは基本的には「正解」があります。しかし、なかなか満点はとれません。不正解は、正解のもと。不正解を大切にしてほしいと思います。人は間違えないと、間違えに気づかずに成長しないものです。自分で解くからこそ課題が見えてきます。せっかくの不正解から目をそらさない。

【校長ブログ】口は一つなのに耳は二つあるのはどうして…?

 10月10日、かつての体育の日。1964年の東京オリンピック開会式に伴って、体育の日が祝日となりました。私の中では、小中高と体育の日といえば10月10日。平成12(2000)年から10月第3月曜日に移行しました。祝日を月曜日化して三連休を増やす、いわゆるハッピーマンデーです。早朝に校内を巡回していると、校舎4階からは校内の色づき始めた木々と共に、秩父の山々が遠くに見渡せました。

 

 以前先輩に、「なぜ私たち人間には口は一つ、耳は二つあるのだと思う?」と聞かれたことがあります。私は、疑問に思ったり、考えたりしたこともありませんでした。口は「食べ物を食べるところ」「人と話す言葉を出すところ」などですが、耳は「人の話や物音を聞くところ」ぐらいしか浮かびません。先輩からは「耳が二つあるのは、口の二倍必要だから。つまり、話すことの二倍聞きなさいということ。」そのようなことを教えてもらったことがあります。「人の話をろくに聞きもしないで、自分の主張ばかりしてはいけない。ついつい、自分の意見を先に分かってもらいたくなるけれども、そのような時こそ、口と耳の数を思い出してみよう。」というものです。そして、素晴らしい言葉を教えてもらいました。

「口は一つ、耳は二つ。されば、言うことを少なくして、多く聞くことよかりけり」

 一般的に教えられるコミュニケーション能力を高める方法は、「正しい話し方」や「話術のテクニック」などの話す能力のことばかりが多く語られているかもしれません。コミュニケーション能力を高めるのであれば、まず人の話を聞く。この聞く力を高めるべきではないでしょうか。上手にコミュニケーションをおこなうための非常に的を得た言葉だと私は思います。

  まず「聞く」「聴く」ことなのです。「聞く」は、音・声を耳に感じること。「聴く」は傾聴という言葉が示すように、耳を傾けて熱心に聞くことです。「聴く」は、心を込めて二つの耳をしっかりと相手に近づけること、そのことが、相手の話しや相手の子ことを感じることにつながります。自分が話して得られることよりも、話を真剣に聞くことによって、得られ学べることの方がはるかに多く、自身の知識や考え方の引き出しが幅広く増えていくのだと思います。

 米国のデール・カーネギーは、「人の話を聴くことで、人生の80%は成功する!」と言っています。相手を優先する、相手を気持ちよくさせることが成功の秘訣なのでしょう。デール・カーネギーは、次の6つの心得を守れば良いコミュニケーションを身につけることができると言っています。

1.相手の話には熱心に耳を傾ける。

2.相手の話に口をはさまない。

3.初対面の人の名前はすぐ覚えて、 できるだけ使う。

4.もし相手の言い分が間違っていても、 そっけなくやりこめるのはよくない。

5.自分のほうが偉いといった態度を見せない。

6.自分の考えが間違っていれば、 素直にあやまる。

私もまだまだ修行中。「二つ聞いて、一つ話す」を心掛けていかなければと思っています。

【校長ブログ】一足先に総選挙~県立川口高校の新生徒会誕生~

 10月3日、県立川口高校では生徒会役員選挙が行われました。佐藤未波 生徒会会長、武田晃誠 副会長、久保菜々実 副会長、成田達也 監査委員長の新執行部が信任されました。「快適な学校に!」「今の部活動に満足していますか?」「より良い川高の為に全力を尽くします!」「真面目にコツコツと生徒会への貢献!!」などの抱負を語っています。今後の活躍に大いに期待しています。

 石破首相は新内閣の信任を問いたいとして、臨時国会会期末の10月9日に衆議院を解散し、10月27日投開票の日程で選挙を行うと表明しました。生徒会も生徒の代表、国政も国民の代表、1票の重さを大切にしてもらいたいと思います。

【校長ブログ】非認知能力も育てます~イブニング学校説明会を開催~

 10月3日、県立川口高校では、イブニング学校説明会を開催しました。100名を超えるの中学3年生、保護者の皆様にご来校いただきました。ご多忙の中、ご来校いただき、御礼申し上げます。

 私からは、県立川口高校の教育活動の説明だけでなく、非認知能力の大切さを説明しました。非認知能力とは、学力検査などのテストでは測定できない能力を意味しています。具体的には、やる気、忍耐力、協調性、自制心など、人の心や社会性に関係する力です。自分を動機づけて高めようとしたり、自分の感情をコントロールしたりしながら、自分と他者を大切にできる非認知能力の育成が、変化の激しい社会のなかで求められています。

 

 県立川口高校では学校説明会を年3回開催していますが、今年度から、平日の夕方に本校視聴覚室で100名の皆様を対象としたミニ学校説明会を開催しています。部活動見学も可能ですので、是非ご来校ください。

 

〇第3回イブニング説明会 令和6年10月28日(月)本校視聴覚室(17:30~18:00)

の 参加お申し込みは10月14日(月)18:00から先着50組(100名)の受付をホームページで開始します。

〇第2回学校説明会 令和6年11月16日(土)本校アリーナ(9:30~11:00)

〇第4回イブニング説明会 令和6年11月26日(火)本校視聴覚室(17:30~18:00)

〇第3回学校説明会 令和6年12月21日(土)本校アリーナ(9:30~11:00)

〇ミニ学校説明会 令和7年 1月 7日(火)本校視聴覚室(10:00~11:00) 

【校長ブログ】熱い「一言」の大切さ

先週あたりから川口高校の校内も秋の気配を感じるようになりました。今日10月2日は、気温が上がっていて、午後1時には最高気温は32.5℃になりました。10月に30℃以上の真夏日になるのは3年ぶりだそうです。

 「学校は良くも悪くも時代の変化に鈍感だ」と言われることがあります。校長として4月に着任して7カ月が過ぎ、先生方の授業観察を行っています。戸田市教育委員会の 戸賀崎 勤 教育長は「教育現場における“気合、経験、感”の3Kからの脱却」を提唱され、戸田市内の小・中学校において積極的にICTを学校教育に取り入れています。県立川口高校でも授業においても部活動においてもICTの活用の場面が増えています。

 

 EdTech(エドテック)という言葉が近年注目されています。EdTechは、教育(Education)とテクノロジー(Technology)からなる造語です。「場所や時間を問わず学習できる」「生徒が学びたいことを学習できる」など、従来はできなかった多様な学び方が現実のものとなりつつあります。それらを可能にしているのが、「EdTech(エドテック)」です。

 EdTechが注目される背景には、文部科学省が進める「GIGAスクール構想」の影響があります。GIGAスクール構想(「GIGA」はGlobal and Innovation Gateway for All)とは、児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、ICTを取り入れた新たな教育を実現する構想です。文科省によると令和5(2023)年3月時点で、全国の公立学校(小・中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校および特別支援学校)における児童生徒1人あたりの教育用コンピュータ台数は、平均値で1.2台となっています。GIGAスクール構想によってEdTechの導入基盤が整いつつあるといえます。

 EdTechの時代、ICTを活用して教材の共有化などにより教員の授業準備の時間を短縮することは可能だと思います。また、民間事業者の自学自習用の動画コンテンツを活用して、個別学習に取り組ませることもできるようになりました。授業でも部活動でも、生徒一人ひとりの心に仕掛けるのは教員です。何事も最後は、生徒一人ひとりに“やる気”を呼び起こすのかがポイントです。その仕掛けはICTだけでは難しいように感じます。最後は、教員の“熱い一言”ではないでしょうか。

【校長ブログ】“いいものみたな”という感覚~演劇部秋季発表会~

 9月28日、埼玉県高等学校演劇連盟南部地区秋季発表会が、戸田市新曽福祉センター(埼玉県戸田市)で開催され、川口高校演劇部も出場し、私も激励に行きました。

 今回の上演作品はアシノユメさんの『人という病』。ある高校の図書館で「精神世界」という異空間に迷い込んだ高校生3人が案内人パンセの導きのなかで“本当の自分”に気づいていく物語です。高校生という多感な時代において省察を深める姿を演劇部の皆さんが自然体で演じてくれました。演出、照明、音響、演者が一体となった作品でした。

 高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルとした2023年のNHK連続テレビ小説『らんまん』の脚本を手掛けた劇作家・脚本家の長田育恵さんは、演劇の魅力を次のように言っています。「演劇は、目の前の俳優に魅せられるのかもしれないし、美術や照明、ダンスなど、自分の五感がどこに反応するかは、生の舞台の場に行ってみなければわかりません。素敵な舞台を見た後の客席には、観客の「いいものを見たな」という雰囲気がふっくらと漂って、元気になって帰る感覚があります。あの何とも言えない幸せな空気を味わっていただきたい。」

 埼玉県高等学校演劇連盟南部地区秋季発表会は9月29日も開催されています。ぜひ、高校生の素晴らしい演劇をご覧ください。

【校長ブログ】イブニング学校説明会を開催

 9月18日、県立川口高校では、イブニング学校説明会を開催しました。約100名の中学3年生、保護者の皆様にご来校いただきました。ご多忙の中、ご来校いただき、御礼申し上げます。県立川口高校の魅力を感じていただければ幸いです。

 県立川口高校では学校説明会を年3回開催していますが、アリーナ(体育館)での開催のため、中3生や保護者の方々との距離が遠い感じがしていました。今年度から、平日の夕方に本校視聴覚室で100名の皆様を対象としたミニ学校説明会を開催しています。ご質問や部活動見学も可能ですので、是非ご来校ください。

〇第2回イブニング説明会  令和6年10月 3日(木)本校視聴覚室(17:30~18:00)

参加申込みは9月19日(木)18:00から先着50組(100名)の受付をホームページで開始します。

以下、今後の学校説明会の予定です。参加申込みは開催日の2週間前の18:00からホームページで受け付け開始をします。

〇第3回イブニング説明会  令和6年10月28日(月)本校視聴覚室(17:30~18:00)

〇第2回学校説明会  令和6年11月16日(土)本校アリーナ(9:30~11:00)

〇第4回イブニング説明会  令和6年11月26日(火)本校視聴覚室(17:30~18:00)

〇第3回学校説明会  令和6年12月21日(土)本校アリーナ(9:30~11:00)

〇ミニ学校説明会  令和7年 1月 7日(火)本校視聴覚室(10:00~11:00) 

【校長ブログ】中秋の名月に「読書」を思う~国語世論調査の結果~

 昨日9月17日は中秋(ちゅうしゅう)の名月でした。県立川口高校からも中秋の名月を見ることができました。しかし、必ずしもこの日が満月ではないことを報道で知りました。今年は今日9月18日が満月だそうです。中秋の名月とは、旧暦8月15日の十五夜に月見をする習わしのことです。平安時代に中国から伝わった中秋の名月を愛でる風習は、今ではあまり馴染みがないかも知れません。旧暦では秋を7月~9月としており、その真ん中にあたる8月15日を中秋と呼んでいました。この中秋にあたる8月15日の夜に昇る月を「中秋の月」と呼び、さらにこの頃の月が特に美しく見えることから、「中秋の名月」と呼ばれるようになったとされています。

 9月17日、文化庁が令和5(2023)年度の「国語に関する世論調査」の結果を公表しました。5年に1度調べている「1か月に読む本の冊数」は、電子書籍も含めて「読まない」が過去最多の63%に上がったそうです。読書量が以前よりも減った人も過去最多の69%に達しました。文化庁は、「スマートフォンやSNSの利用に押され『読書離れ』が加速しているのではないか」と分析しています。

 今日9月18日の読売新聞の社説は「国語世論調査 読書習慣の喪失は危機的だ」。「本を読むことは、新しい知識を得るだけでなく、登場人物に感情移入して喜怒哀楽を共にしたり、深く考えて内省したりすることで、人格形成にも大きな影響を及ぼす。一冊との出会いが、その後の人生を左右することもある。」という主張に私も同感です。私の場合、三浦綾子さんの『塩狩峠』(新潮文庫)はそのような一冊でした。夜長、スマートフォンとちょっと距離を置いて読書をしてみてはいかがでしょうか。

 ちなみに、私は現在、今年の芥川賞を受賞した松永K三蔵さんの『バリ山行』(講談社 2024年)を読んでいるところです。

【校長ブログ】縁起よく三本締め~諏訪山祭(文化祭)閉幕セレモニー~

 9月7日、県立川口高校の諏訪山祭(文化祭)の一般公開日でした。午前9時の開場直後から多くの皆様がご来校され、2094名の方々がお見えになりました。御礼申し上げます。

 中庭では、軽音楽部のライブ演奏、書道部の書道パフォーマンスなどで盛り上がりました。アリーナ(体育館)では、有志団体、演劇部、吹奏楽部が活躍しました。

 閉幕セレモニーでは、ソングライブ、ビンゴ大会のあと、校長挨拶、文化祭実行委員長挨拶がありました。諏訪山祭の閉幕にあたり、私は全校生徒と三本締めをしました。

 三本締めは江戸時代初期から、物事が無事に終わったことを祝って行われてきました。「物事が無事収まりました」という感謝の思いを込め、ひとつの区切りとしてやるそうです。三本締めは「パ・パ・パン(3回)、パ・パ・パン(3回)、パ・パ・パン・パン(3+1回)」。手拍子9回で漢字の九。これに最後の「パン」が点を意味して、「丸」を表す。「丸く収まりました」という解釈だそうです。

 最後に文化祭実行委員長の大嶋康仁君が感謝の思いを全校生徒に伝えました。

 県立川口高校の生徒が諏訪山祭で一体になったと実感しました。

【校長ブログ】驚きのギョギョ!~諏訪山祭(文化祭)で体験しました~

 9月6日、第60回諏訪山祭が始まりました。開幕セレモニーでは、生徒有志のダンスなどで盛り上がりました。

 校内巡回しながらサイエンス部のドクターフィッシュ体験と藍染め体験をやりました。ドクターフィッシュ(ガラ・ルファ)は西アジアに生息しているそうです。川底や石などに付着する苔などが主な餌だそうですが、人間の皮膚の角質をついばんでくれるそうで、トルコでは皮膚疾患の治療にも利用されるとか…。私も指を入れてみましたが、くすぐったいような不思議な感覚でした。藍染め体験は、自分でも想像以上の出来ばえで自分でも大満足です。

 書道部の作品も圧巻でした。文化部の甲子園と言われる全国高等学校総合文化祭(今年度は岐阜県で開催)で展示された大作もあります。

 見どころたくさんの県立川口高校諏訪山祭(文化祭)。ぜひお越しください。

 

【校長ブログ】諏訪山祭(文化祭)直前の県立川口高校

 9月5日、川口高校は9月6日7日開催の諏訪山祭(文化祭)の準備の一日です。早朝の教室巡回時に、素晴らしい黒板アートに出会ったりすると、「文化祭直前だなあ」と実感します。文化部にとっては文化祭は活躍の場です。ぜひ、県立川口高校の文化祭をご覧ください。

 校内で文化祭準備に取り組む一日ですが、県立川口高校野球部は秋季地区大会があり、県立大宮公園野球場で古豪の大宮高校と対戦しました。3年生が引退し、新チームになって初めての公式戦。私も激励のために県営大宮公園野球場に駆けつけました。試合は、県立川口高校が3回表に3番山口君のタイムリー3塁打で先制し、県立川口高校の猛打が爆発し12‐2で8回コールド勝ちをしました。応援をしてくださった父母会の皆様に感謝申し上げます。

【校長ブログ】「壁」を乗り越えよう!~2学期が始まりました~

 9月2日、久しぶりの青空のもと、県立川口高校では2学期が始まりました。県立川口高校がある場所は諏訪山という高台で、学校からは川口のタワーマンションや新宿方面の高層ビル群を見ることができました。

 本日は、新たに着任された2人の先生の着任式、2学期始業式、表彰式、シェイクアウト埼玉(避難訓練活動)をオンラインで行いました。

 表彰式では、男子バドミントン部、吹奏楽部、書道部、軽音楽部(歌楽反応、DUMMY DAHLIA)、美術部、日本赤十字社からの献血継続50年の感謝状を表彰しました。校長講話では、養老孟司さんのベストセラー新書『バカの壁』(新潮新書2003年)をもとに「壁を乗り越えよう!」というテーマでお話ししました。9月6・7日は諏訪山祭(文化祭)です。充実した2学期を過ごしてください。

 校長講話の内容を紹介します。

 この夏休み、学校では、照りつける太陽の下、校庭で部活動に励む姿がありました。体育館では蒸し暑い中、元気に声をかけ合う姿がありました。校舎内では、補習、部活動、文化祭の準備などに取り組んでいる姿がありました。特に3年生は、自分の進路に向けて、とても暑い夏を過ごしたと思います。

  今日は、「壁を乗り越えよう」という話をします。皆さんは、「壁」というとどういうイメージを持ちますか。私は、高校の時に山岳部に所属していました。1年生の時に、夏合宿5泊6日で北アルプスに行きました。標高3180mの槍ヶ岳が最終目的地です。東京の上野駅から夜行列車に乗り、富山県から北アルプスに入山したとき、先輩があれが槍ヶ岳だと指差しました。自分の目測だと5cmです。自分の背中の荷物は30kg。ふと、「生きて帰れないかな」と15歳の自分は思いました。4日後、槍ヶ岳の頂上に立てた自分を今でも覚えています。

  皆さん。この2学期、「壁を乗り越えましょう」。人生は、毎日、大きな壁、小さな壁の連続です。解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司さん(1937-)の「バカの壁」(新潮新書 2003年)という本から、誰もがぶつかる可能性のある「バカの壁」について詳しくお話しようと思います。今から21年前に発行されたこの本は、累計450万部が発行された戦後第5位のベストセラーです。

  養老孟司さんは、「人間の脳は、つい楽をしようとする。しかし、自分がどこまでならできるのかを認識することが大切だ。そのためには、迷い、挑戦し、失敗を繰り返すことが大切だ。そうやって育てた感覚が“自信”となるのだ」と言っています。壁だと認識した時、その壁の半分は超えているのです。壁があることは何かにチャレンジしている証拠です。皆さんには限りない可能性があります。壁を乗り越えるたびに、人間は強くなります。

 でも、どうしても乗り越えられない壁に出会ったとき、回り道をすることも大切です。

  バカの壁とは、“バカ”な人と賢い人を分ける壁のことだそうです。一体、“バカ”な人と賢い人を分ける壁とは何なのでしょうか。結論から言うと、『自分の知らない世界を知ろうとするかどうか』ということだそうです。つまり、バカな人は自分の知らない世界のことを知ろうとしない人のことであり、賢い人は、自分の知らない世界について頑張って知ろうとする人のことだということです。養老孟司さんが言うには、“バカ”な人には、いくつか特徴があると言います。その中でも、人が陥ってしまいがちで、私自身も陥りがちな二つの特徴について紹介します。一つ目は、すぐに「分かった気になる」というものです。二つ目は「正解が一つと思いがち」というものです。

  皆さんも、4年にわたる新型コロナウイルス感染症への対応で、「正解」は一つではないことに気付いたと思います。ポストコロナの時代はコロナ禍前に戻るのではなく、新しい時代を創り上げることが大切だと思います。2020年に経済産業省が、これからの社会で求められる力について調査分析を行いました。今まで求められた力は「注意深さ・ミスがないこと」です。典型的なのは学校のテストですね。その他、責任感・まじめさ・信頼感・誠実さ。今までも大切ですし、これからも大切な資質でしょう。しかし、皆さんが40歳代になる2050年には「問題発見力」、つまり物事を見極める力が求められると分析しています。

 そのためには、「自分で学び続ける力」が子供も大人も求められます。

  2学期は諏訪山祭、修学旅行など、大きな行事が続きます。3年生は進路決定の時期です。皆さん、生徒・先生・保護者が一体となったチーム川高で力をあわせて壁を乗り越えましょう。

 川高生の皆さん

 元気に挨拶してますか。

 他人に優しくしてますか。

 夢を諦めていませんか。

 志高く。

【校長ブログ】9月2日の始業式に備えて学校HPの確認を~台風10号への対応~

 8月30日、台風10号はゆっくりと九州地方を縦断しています。関東地方は、台風10号からは遠く離れていますが、台風周辺や高気圧の縁をまわる暖かく湿った空気の流れ込みの影響で、大気の状態が非常に不安定となっています。

 埼玉県南中部(さいたま市、川口市など)は夜は強い雨でしたが、現在は雨脚は少し弱まっています。

 川口高校では、夏休み期間中ですが、3年生は進路に向けて取り組み、1・2年生は部活動や文化祭準備などで多くの生徒が登校しています。安全第一で取り組んでもらいたいと思います。

 川口高校の始業式は9月2日です。今後の台風状況が予測しにくいですが、学校ホームページに対応を掲載しますので、確認をお願いします。

【校長ブログ】スカッとさわやかな気分~『成瀬は天下を取りにいく』~

 8月24日、川口高校ではPTA理事会があり、PTAの全国大会、関東大会の報告や9月7日の諏訪山祭(文化祭)の運営などについてご協議いただきました。

 「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」という印象的な書き出しで始まる小説『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社 2023年)は、2024年本屋大賞を受賞した宮島未奈さんの作品です。

 読了後に、スカッとさわやかになる小説です。まだ、お読でない方は是非ご一読を。

今までの社会は、グループ社会。強力な権限を持つ人がリーダーシップを発揮していました。その人の言うことを聞いていればどうにかなかった社会です。だから「出る杭は打たれた」のです。

 これからの社会は、チーム社会。多様なメンバーがお互いを認め合い、強力な権限がなくてもお互いを助け合うリーダーシップ。相手を思いやり、気遣いができる社会です。だから「出過ぎた杭は打たれない」のです。私は、21世紀型リーダーシップと呼んでいます。変化が激しい、予測できない社会において、必要とされる知識・能力は何でしょう。子どもも大人も「自分で学び続ける力」と「21世紀型リーダーシップ」だと思っています。

 8月も読書をたのしんでいます。『成瀬は天下を取りに行く』の他、続編の『成瀬は信じた道を行く』(新潮社 2024年)、永井紗耶子『木挽き町のあだ討ち』(新潮社 2023年)、小川幸司『世界史とは何か~「歴史実践」のために~』(岩波新書 2023年)、麻田雅文『日ソ戦争〜帝国日本最後の戦い〜』(中公新書 2024年)などジャンルを問わずに多読しています。

 残りの夏休み、読書をしてみませんか。

【校長ブログ】走れ!どこまでも広がる先へ~県立川口高校第1回学校説明会を開催~

 8月22日、夏休みも終盤です。川口高校では第1回学校説明会を本校アリーナ(体育館)で開催しました。約1000名の中学3年生、保護者の皆様に御来校いただきました。お暑い中、ありがとうございました。第1回分の申込みは8月上旬に定員(1000名)に達したため、お申込できなかった皆様には、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。

 校長の学校概要・高校入試説明、生徒会副会長の高校生活説明、生徒による部活動説明の後、吹奏楽部の演奏のもと100人の運動部有志生徒による受験生応援エール、校歌披露などを行いました。

 学校説明会後の生徒会主催の校内見学ツアーにも多数の皆様にご参加いただき、ありがとうございました。書道部は書道パフォーマンスを行いました。御来校いただいた皆様には、川高生の元気な様子を実感していただいたと思います。

 今年度は、従来の学校説明会(第2回…11月16日、第3回…12月21日)に加え、イブニング説明会(9月18日、10月3日、10月28日、11月26日)、ミニ学校説明会(1月7日)も開催いたします。開催日の2週間前から学校ホームページでお申込みを開始しますので、ご都合のよろしい時に、ぜひ川口高校にお越しください。

 

【校長ブログ】台風7号接近中

 8月16日、非常に強い台風7号が、暴風域を伴いながら関東の北寄りに進んでおり、16日夜遅くにかけて関東に最も接近する予報です。

 そのため、予定されていた部活動や夏期実力養成講座は中止になり、校内はとても静かです。菅平(長野県)で校外合宿中だった川口高校ラグビー部も予定よりも帰校の時間を早め、正午前に学校に全員無事に到着しました。

 県立川口高校は埼玉県の防災拠点校になっています。生徒・保護者の方々だけでなく、地域の皆様も安心安全であることを祈念しております。

【校長ブログ】日本のいちばん長い日~79回目の終戦記念日~

 8月15日は、79回目の終戦記念日です。川口高校では学校閉庁日ですが、バドミントン部、卓球部、剣道部、柔道部、野球部、ウエイトリフティング部、男子バスケットボール部、サッカー部などが練習をしていました。

 熱戦中の甲子園でも岡山学芸館高校(岡山)と掛川西高校(静岡)の対戦中の正午に一時中断。選手や観客らは脱帽し、サイレンが鳴り響く青空の下、1分間の黙とうが行われました。甲子園で終戦の日の黙とうは、1963年の第45回全国選手権大会から行われています。学校でも半旗を掲揚しました。

 半藤一利さんの「日本のいちばん長い日」は、戦後20年目の1965年に出版されたノンフィクション作品です。2年後の1967年に映画化され、2015年にもリメイク版が上映されました。昭和天皇の御前会議で太平洋戦争の降伏を決定した昭和20年8月14日から、陸軍のクーデター事件発生と鎮圧、国民に対するラジオ放送で昭和天皇がポツダム宣言受諾を伝える8月15日正午までの24時間を描いている映画です。

 日本のラジオ放送は1925年に日本放送協会(NHK)によって東京で始まりました。NHKは東京の放送を関東一円に届けるために、1937年に川口市と鳩ヶ谷町に放送所を開設し、川口に312m(東京タワー完成までは日本一の高層物)、鳩ヶ谷に206mの鉄塔を建設しました。川口高校近くの鳩ヶ谷高校は、NHKの鳩ヶ谷放送所の跡地です。1983年に放送所が埼玉県久喜市へ移転しました。川口放送所の跡地が川口市立高校の隣にあるSKIPシティであり、鳩ヶ谷放送所の跡地に鳩ヶ谷高校が開校したのは1988年です。

 終戦から10日後の昭和20年8月25日午前5時、降伏を認めない陸軍将校に指揮された16歳から18歳の陸軍予科士官学校学生67名が川口放送所と鳩ヶ谷放送所を占拠し、NHK放送で戦争継続を訴えようとしました。結局、放送は実現しませんでした。東京から8月14日のクーデター事件を鎮圧した 田中静壱 東部軍司令官が鎮圧のために直接鳩ヶ谷へ到着したため、午後4時に反乱者は降伏し、首謀者は逮捕されました。この事件により9時間にわたり放送が停止しました。また、田中司令官は鎮圧を見届けてから東京へ戻り、この日の夜に自決しています。

 歴史に「もし」というのは禁物ですが、「もし、戦争継続の放送がされていたら・・・」、日本の終戦直後の混乱は一段と大きなものになっていたでしょう。川口高校がある川口の地を舞台に終戦をめぐるドラマがあったのです。

 現在の日本は平和な時代です。20世紀の英国の外交官であり歴史家であったE・H・カー(1892~1982)は、「歴史とは現在と過去の対話である」と言っています。歴史に学び、思考停止をしないで、しっかりとしたバランス感覚を持った大人になってもらいたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【校長ブログ】生きてるだけで丸もうけ~明石家さんまさんの座右の銘~

 8月12日は1985(昭和60)年の日航ジャンボ機墜落事故から39年目です。当時、私は大学生でしたが、夏の夕暮れ時に、テレビで日航機が行方不明になったという速報が流れたことを今でもよく覚えています。明石家さんまさんのテレビ番組を見ていて、あの夏を改めて思いました。

 明石家さんまさんは、当時毎週月曜日、「オレたちひょうきん族」(フジテレビ)という人気テレビ番組の収録をし、午後10時にスタートするラジオ「MBSヤングタウン」(毎日放送)の生放送に出演するため、東京から関西に移動していたそうです。1985(昭和60)年8月12日のこの月曜日も、いつも通りの日本航空123便を利用する予定でしたが、テレビ番組の収録が早めに終わったため、いつもより1便早い全日空機に繰り上げたそうです。ラジオ番組が始まる前に墜落事故を知ったさんまさんは、体の震えが止まらず、トークができず、ずっと音楽を流していたそうです。

 日航ジャンボ機墜落事故は、乗員乗客520名が亡くなった航空機史上最悪の死者数を出した出来事です。東京2020オリンピックの閉会式でも流れた「上を向いて歩こう」で有名な歌手でタレントの坂本九さんは、いつもと違うこの便に乗り、亡くなりました。

 さんまさんは、命拾いした、生きていてよかった、生きているだけでありがたいことだと思い、「バカなことでも何でもやって、これまで以上にみんなに楽しんでもらおう。笑ってもらおう」と心に決めたそうです。明石家さんまさんの座右の銘は「生きてるだけで丸もうけ」。娘さんにも、それを縮めて「IMARU いまる」と名付けています。

【校長ブログ】子どもの思いを県政に~埼玉県こども計画についてディスカッション~

 8月6日、川口高校では、夏休み18日目です。早いもので残り26日となりました。昨日5日はグラウンドでは、神奈川県立白山高校野球部の皆さんが来校し、川口高校野球部と練習試合、ラグビー部は来週の菅平合宿に向けて練習していましたが、今日は野球部は休養日、ラグビー部は獨協埼玉高校で校外練習試合です。山岳部や軽音楽部も活発に活動していました。今日6日は、校内では女子バレーボール部、卓球部などが体育館で活動していましたが、昨日に比べるととても静かです。その中でも3年生は、夏期実力養成講座や自習室で大学受験に向けて学習に取り組んでいます。

 

 

 去る7月19日、川口高校に埼玉県福祉部こども政策課の皆さんが来校され、川口高校生徒会の生徒たち40名と埼玉県子ども計画についてのディスカッションを行いました。

 去年4月に施行された「こども基本法」は、自治体の施策に子どもたちの意見を反映させることを義務づけています。埼玉県では、子どもたちの意見や考えを把握し、埼玉県の施策に反映するため、子どもたちと県内各地でディスカッションをしています。

 「あなたの考える“こどもにとって安心・安全なまち”とは?」などについてグループ討議をし、身近な危険などについて様々な意見がありました。川高生が、埼玉県の施策や地域の将来について考えるとてもよい機会であったと思いました。こども政策課の皆さん、ありがとうございました。

【校長ブログ】川高を知って・見て・楽しむ!!~部活動体験会~

 7月30日、川口高校では部活動体験会を開催し、95名の中学3年生の皆さん、保護者の皆さまが来校されました。本日は、野球部、サッカー部、陸上競技部、男子テニス部、男子バドミントン部、女子バドミントン部、柔道部、ウエイトリフティング部、吹奏楽部、美術部の体験会がありました。

 猛暑の中、熱中症リスクが懸念されています。十分な休憩時間の確保、保護者の皆さまの休憩室の設置など熱中症対策を施しての開催としました。

 私は、中学3年生の皆さんにとっては、部活動体験会は学校選択の貴重な機会の一つであると考えています。川口高校を知って、見て、楽しんでもらいたいと思います。

 ご参加された中学3年生及び保護者の皆様、ありがとうございました。明日、明後日も開催いたします。

【校長ブログ】発見力の大切さ~関東地区高等学校PTA連合会大会千葉大会~

 7月23日、私は、関東地区高等学校PTA連合会大会(関東高P連)千葉大会に出席のために幕張メッセ(千葉県千葉市)へ行ってきました。

 関東高P連は、なぜか東京都を除く、埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県・神奈川県と山梨県の高校と特別支援学校のPTAが加入しており、今大会は約2,000名の代表PTAが参加しました。開会前のアトラクションでは、千葉県立幕張総合高等学校シンフォニックオーケストラ部の皆さんが、若さ溢れる演奏でPTAの皆さんを魅了していました。また、柏おやじダンザーズの皆さんが会場の皆さんに元気を与えてくれました。 

 開会行事では、大会宣言文が採択され、最後に来年度の埼玉大会に向けて埼玉県高等学校PTA連合会会長さんが、映画『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』に基づいた茶番劇と、皆さんで“埼玉ポーズ”をするなど会場を盛り上げてくれました。

 開会行事の後には、一般社団法人スクールポリス理事の佐々木成三さんによる記念講演がありました。埼玉県警で22年間勤務され、10年間は埼玉県警察本部刑事部捜査第一課で防犯カメラ、スマートフォン、パソコンの分析などを担当されていた方です。実例に基づいたSNSの危険性や必要な情報判断力などについてのお話に、会場の皆さんは引き込まれていました。

 1日とおして「自分には見えていないものが多くあることを知ること、発見力の大切さ」を実感した1日でした。今回の大会宣言文を紹介します。

第70回関東地区高等学校PTA連合会大会千葉大会 大会宣言文

 近年は、新型コロナウイルス感染症の影響や世界的規模の気候変動による想定外の自然災害等の脅威にさらされています。また、情報通信技術の進歩に伴う高度情報化社会への急激な変化は、子どもたちの生活に大きな影響を与えています。さらに、令和2年から3年間は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、学校は学習活動や体験活動の自粛を余儀なくされ、その結果、子どもたちの学力や体力、対人関係などへの影響が心配されています。

 新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月より感染症法上の位置づけが5類へと移行され、日常生活も戻りつつありますが、社会全体を大きく変化させ、学校も含め人々の生活に大きな変化をもたらしたことも事実です。社会においてはデジタル化の波に拍車がかかり、学校においても一人一台の端末が整備される時代となり、ICTの活用で生徒が幅広い視点から自身のキャリアを考える機会が増えました。そのような中、「チャットGPT」などの対話型人工知能(AI)を授業の中で取り入れる取組も進み、学習指導や生活指導に関する指導方法も変わりつつあります。

 さて、高校においても新しい学習指導要領が今年度からすべての学年において実施される中、子どもたちは自分を見失わず、『自律』すなわち自ら立てた規範やルールに従って、自分のことは自分で判断し、しっかりと行動することが強く求められています。

 このためには、子どもたちだけでなく、学校・家庭・地域が連携することが極めて重要であり、保護者と教職員とが協力し、学び合い、高め合ってこそ子どもたちの『自律』が達成されるのです。したがってこの連携の大切さを今こそかみしめていく必要があります。

 本年度、第70回関東地区高等学校PTA連合会大会が千葉の地で開催され、関東地区高等学校のPTA会員が、豊かな自然や環境に恵まれている千葉のポテンシャル(潜在能力)を活かし、学校教育や家庭教育について、地域社会とのかかわりの中から、未来を生きる子ども達のため、持続可能な開発のための教育を見据えながら研究協議を重ねることは大変意義深いものがあります。

 子どもたちの健全な育成や教育環境の整備は、喫緊かて不易の課題として、「学び、行動するPTA」を実践し、社会教育、家庭教育の充実と子ども・保護者・教職員すべての自己実現のためPTA活動を活性化させていくことをここに宣言します。

一 子どもたちが時代や環境の多様化へ柔軟に対応できる心や考えを育成する。

一 自らの行動を自律と自立を持って、判断、実行できる資質を身に付ける教育を支援する。

一 親子が相互に意志や気持ちを受け止め、尊重しあう親業の推進を支援する。

一 家庭・学校・地域のそれぞれの役割や立場を意識した教育の推進を支援する。

一 子どもたちをサポートし、親が集い、つながり、学ぶPTAの育成を推進する。

【校長ブログ】昨日の自分に差をつけろ~目標を決めた人は、強い。~

 7月22日、夏休みに入った川口高校では、夏期講習や部活動の合宿などが始まりました。3年生は、講義室で夏季講習を受講したり、教室や自習室で自学自習をしている者もいます。写真は「国語共通テスト対策」講座の様子です。2年生、1年生は、グラウンドや体育館などでの部活動に取り組んでいます。午後3時頃、雷雲接近のために野球部、サッカー部、テニス部など屋外の部活動は中断です。その直後、激しい雷雨が川口高校をおおいました。

 

  大切なことは、「目標」ブレずに決めること。

  お前はダメだ。その夢、あきらめた方がいい。

  あなたのことをそんな風に決めつける権利は、誰にもない。

  あなたにもない。

  なぜなら人は、本気で成長したいと思っている限り、

  たとえわずかずつでも成長しつづける生き物だから。 

 

昨日の自分に差をつけて、有意義な夏休みを過ごしましょう。

【校長ブログ】今度は学校説明会でお会いしましょう~彩の国進学フェア~

 7月20日(土)、21日(日)の2日間、さいたまスーパーアリーナで彩の国進学フェア(読売新聞さいたま支局主催)が開催され、48005人の来場があったそうです。川口高校では、校長の私を含めのべ40人の教員が対応しました。川口高校のブースには約500組の来場があり、個別に学校の概要や質問にお応えしました。中学3年生とその保護者だけでなく、中学2年生の方も来場され、川口高校の魅力をご説明しました。

 川口高校では、8月22日(木)、本校アリーナで第1回学校説明会を開催します。参加申込みは学校ホームページからできますので、是非ともご来校ください。

 私は、校長になってから教職員に「自分の子どもを入学させたい学校にしましょう」と伝えてきました。生徒募集は校長自ら“トップセールス”をすべきだと考えています。今まで校長として勤務した高校では全て説明会には参加しています。20年くらい前、ある企業の方とお話をしたときに、トップが営業活動することの大切さを強調されていました。「学校は、もったいぶって校長先生がなかなか登場しないけれど、だいだい校長先生が登場した時は大炎上していて手遅れ。最初から校長先生が対応すればよいのにね。」と言われたことが原点です。教育は誰でも語ることができる世界です。なぜなら、誰もが学校生活を経験していますし、お子さんがいれば当事者である保護者として学校と接していたはずです。そのような方々にお応えするためには、迅速な対応はとても大切だと思っています。

 2日間連続で、午前9時30分から午後4時過ぎまで立ったままの学校説明。さすがに疲れました…。

【校長ブログ】県立川口高校ブースにご来場いただいた皆様へ~彩の国進学フェア~

 本日は彩の国進学フェア 県立川口高校ブース(82番ブース)にご来場いただき、誠にありがとうございました。個別説明を通して本校の雰囲気を少しでも感じていただき、ご理解いただけましたら幸いです。是非とも、学校説明会(8月22日)など県立川口高校にお越しいただき、県立川口高校を実感いただければと思います。

 学校説明会のお申し込みはこちら → 第1回学校説明会

 今後とも県立川口高校を、よろしくお願いいたします。

【校長ブログ】“慣れること”に慣れてはいけない~1学期終業式~

 7月19日、川口高校では、1学期終業式、表彰式、壮行会・報告会を開催しました。昨日7月18日、気象庁は「関東甲信地方・東海地方が梅雨明けしたとみられる」と発表しました。いずれも平年より1日早い梅雨明けです。今年は梅雨入りが遅かったため、梅雨の日数は27日間となり、平年と比べると3分の2ほどの短い梅雨になりました。そのため、終業式等はオンラインで開催しました。

 表彰式では、陸上部、高く正し賞の表彰を行いました。壮行会では、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)に出場するウエイトリフティング部、全国高等学校文化祭(高文祭)に出場する書道部の激励を行いました。

 校長講話では、「“慣れること”に慣れてはいけない」をテーマに、「ガリ勉」の由来や1万円札の肖像画になった渋沢栄一の「習慣というものは、善くもなり、悪くもなるから、別して注意せねばならない」という言葉を紹介しました。校長講話の内容を紹介します。

 今日は「ガリ勉」の話をします。どのようなイメージを受けますか。

 「お前、ガリ勉だよな」と言われたら、どんな気持ちになりますか。このような経験はないですか。友達に「勉強したのか」と聞かれて「勉強なんかしてないよ」と答えたこと。

 たぶん、多くの方は、ここにいる先生方も含めて、ガリガリ鉛筆の音を立てるくらい勉強ばかりしている人物というイメージを持ったと思います。勉強することが恥ずかしい、カッコ悪いと思ったこと…。思っていること…。実は、世の中、このイメージが曲者です。「ガリ勉」が片仮名になったのは、1960年代からであり、今から50年くらい前からです。

 「ガリ勉」を漢字でどう書くか知っていますか。「ガリベン」の語源は明治時代からです。「我」の「利」益のために「勉」強する者です。つまり、自己中心的な人物です。今から50年以上前の1960年代までは、勉強は、世のため、人のためにするものでしたが、高校への進学率、大学への進学率が上昇する中で、マスコミに片仮名の「ガリ勉」にすり替えられたのです。

 その結果、日本は世界中で勉強することを恥ずかしがる国民性になってしまいました。

 2017年の日米中韓の高校生の勉強と生活に関しる意識調査で、「平日、学校の授業と宿題以外は勉強しない」と答えた割合は、

日本…24.2%

米国…17.7%

中国… 7.6%

韓国… 9.8%

と日本が一番少なかったのですが、世界的に高校生の学習時間は増加傾向にあります。

 始業式でも話したとおり、「勉強」という言葉は、江戸時代には「頑張る」「努力する」という意味で、学習するという意味はありませんでした。皆さんの中に眠っている能力を引き出すには、努力が必要です。「できない」という思いこみや、「やりたくない」という怠け心と戦わなければなりません。高校生のうちに、良い習慣をしっかりと身に付け、自分の能力を引きずり出してください。

 7月から1万円札の肖像画になった埼玉県深谷市出身の渋沢栄一の言葉を紹介します。

  習慣というものは、

  善くもなり、悪くもなるから、

  別して注意せねばならない。

 「慣れること」に慣れてはいけないと言っています。いったん思い立って始めたことでも、しばらくたつと、初心を忘れてしまうことがあります。つまり、慣れてしまうのです。川口高校に入学した時、次の目標に向かって努力しようと思っていたのに、いつしか気持ちが冷めてしまった自分。それは「慣れてしまった」ということでしょう。

 3年生は進路決定に向けて重要な夏です。2年生、1年生は将来に向けての重要な夏です。人間はやったことよりも、やらなかったことを後悔する生き物です。しかも、やらないでいると、あっという間に時間は過ぎていきます。明日からの最長の44日間の夏休みを有意義に過ごしましょう。

  川高生の皆さん

  元気に挨拶してますか。

  他人に優しくしてますか。

  夢を諦めていませんか。

  志高く。

  9月2日に、全員で元気に会いましょう。

【校長ブログ】皆さんの応援を打球に乗せて~川口高校野球部初戦突破!~

 7月14日、3連休の中日、不安定な梅雨空の中、川口高校野球部はUDトラックス上尾スタジアム(埼玉県上尾市)で第106回全国高校野球選手権埼玉大会の初戦を早稲田大学本庄高等学院と対戦し、私も応援に駆けつけました。吹奏楽部、サッカー部、写真部、有志生徒、野球部父母の会の皆様、川口高校卒業生や地域の皆様など、三塁側スタンドは紫色のメガホン一色になりました。

 川口高校は、1回裏に1点、2回裏には2点を入れ、序盤から得点を重ねましたがその後なかなか追加点をとれませんでした。早大本庄も3回表に1点、4回表には失策がらみで1点を追加し接戦となりました。7回裏に待望の1点を入れ、4-2で初戦勝利しました。

 9回表の早大本庄の攻撃では、早大本庄のスタンドでは應援部が早大応援歌「紺碧の空」を連呼して、球場全体を圧倒し、スタンドの応援の大切さを実感しました。私は早大出身ですが、東京六大学の神宮球場と同じくらいの応援指導に感動しました。また、早大本庄應援部の川口高校に対する激励エールに感謝申し上げます。

 応援いただいた皆様、ありがとうございました。次の対戦相手は川口市立高校で、川口ダービーマッチです。7月18日にアイル・スタジアム浦和球場(浦和市営球場)で午前9時からの試合です。引き続き、県立川口高校野球部への応援をよろしくお願いいたします。

【校長ブログ】川口高校野球部へ激励をいただきました~地元の諏訪山町会に感謝~

 7月9日、川口高校では特編授業期間です。今週に入り、梅雨であるのに熱中症警戒アラートが発表されるなど、異常な暑さになっています。

 7月4日、川口高校の地元である諏訪山町会の町会長さんから、甲子園を目指して第106回全国高校野球選手権埼玉大会に出場する川口高校野球部へ激励の差し入れをいただきました。諏訪山町会の皆様に、御礼申し上げます。その際、野球部員が地域の清掃活動など貢献してくれていることについても評価いただきました。

 川口高校野球部は昭和18(1943)年に発足し、昭和30年代から40年代にかけては強豪として甲子園出場を目指していました。最近では平成30(2018)年の第100回全国高等学校野球選手権記念南埼玉大会の決勝戦で、浦和学院高校に惜敗しました。私は、川口高校野球部は、埼玉県公立高校の中で甲子園出場を狙える高校の一つであると思っています。

 川口高校野球部は7月14日(日)に、UDトラックス上尾スタジアム(上尾市民球場)で早大本庄高校と対戦します。応援、よろしくお願いいたします。

【校長ブログ】気を奮い立たせ!~渋沢栄一の言葉~

 7月4日、川口高校では期末考査3日目です。各教室では、生徒一人ひとりが試験問題と格闘していました。今日は埼玉県では熱中症警戒アラートが発表されています。熱中症予防対策をとりながら、明日の考査に臨んでください。

 昨日7月3日、20年ぶりに新紙幣が発行されました。新一万円札の肖像画となった渋沢栄一の言葉を紹介します。

「自分からこうしたいという気を奮い立たすことで、

 ほとんどのことは実現することができる。」

 埼玉ゆかりの三偉人は、塙保己一(はなわほきいち:1746~1821:江戸時代に目が不自由であったが国学者として活躍)、渋沢栄一(しぶさわえいいち:1840~1931:日本の資本主義の基礎を築いた大実業家)、荻野吟子(おぎのぎんこ:1851~1913:日本で最初の公認の女性医師)と言われています。

 昨日7月3日、20年ぶりに新紙幣が発行されました。新たな紙幣は、一万円札が「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢栄一、五千円札は日本で最初の女子留学生としてアメリカで学んだ津田梅子、千円札は破傷風の治療法を開発した細菌学者の北里柴三郎の肖像がデザインされています。

 埼玉県深谷市出身の渋沢栄一翁は、1840(天保11)年に生まれました。幕末の動乱期に一橋家に仕えた渋沢翁は、27歳の時にフランスへ渡り、そこで、西欧の進んだ政治、経済、文化を目の当たりにします。

 帰国後の渋沢翁は、明治新政府で大蔵省に仕えますが、程なく実業界へと転身し、多くの企業の設立やその育成に尽力し、「日本近代経済社会の父」と呼ばれました。

 また、渋沢翁はその一方で、福祉や教育などの社会事業にも熱心に取り組み、病院や教育施設の整備のほか、災害救援や国際親善にも大きな功績を残しました。

 『論語』を模範とし、常にその精神を尊重してきた渋沢翁は、営利の追求も、資本の蓄積も、道義に合致し、仁愛の情にもとらぬものでなければならないとする「道徳経済合一説」を唱えました。

 偉大な経済人であると同時に、生涯を通じて一人の人間としても優れた道徳を持ち続けた翁の思想は、今日の私たちの生き方にも、多くの示唆を与えています。

【校長ブログ】「勉強」、がんばっていますか~期末考査が始まりました~

 7月2日、川口高校では期末考査の初日です。朝、校内を巡回していると、美化委員会が植えたゴーヤのグリーンカーテンが涼しげです。教室では、早朝から登校した生徒たちが直前チェックに余念がありませんでした。

 ところで、「勉強」とは「学習」の意味であることは今日では明白ですが、明治時代初期には「勉強」という語に「学習」という意味はありませんでした。明治5(1872)年発行のヘボンの『和英語林集成』(初版)には、次のように訳されています。「BEN-KYO ベンキヤウ 勉強(tsutome) Industrious,diligent,active-suru,to be industrious」。「勉強」は「勤勉」の意味でしか訳されていません。学習の意味での勉強は、明治になってすぐ生まれたわけではありません。江戸時代には、勉強は「無理をする」あるいは「骨を折って励むこと」、つまり、たゆみない努力を意味する言葉だったようです。商売では「勉強します」といえば、「安売り」を意味していました。関西地方では今でも言う時があると思います。しだいに、安売りの意味ではなく、学習の意味の勉強が凌駕します。

 大人が「勉強しなさい」と言っている時は、ただ単に「学習しなさい」と言っているのではなく、ひたすらな努力と勤勉を要求している部分があります。語源はともかく、5日までの期末考査、一人ひとりがしっかりと自分の力を発揮してもらいたいと思います。

【校長ブログ】今年も後半になりました~夏越しの祓~

 今日、7月1日で令和6年も後半になりました。私が利用している駅のポスターには、鳩ケ谷氷川神社のポスターで“夏詣”のご案内。初詣と同じように、夏詣でをして心を新たにして後半に臨む方もいます。鳩ケ谷氷川神社にも茅の輪が作られています。

 私は、毎年この時期になると吉田兼好の『徒然草』を思い出します。『徒然草』は、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』とともに日本三大随筆と言われています。高校生の時、古典で『徒然草』の授業の時に、夏越しの祓(なごしのはらえ)の説明がありました。大晦日と同じように、穢れを取り払うために除災行事があるのを初めて知りました。6月30日に茅の輪を確認するために神社に行ったのを覚えています。なぜか、授業の記憶は、先生の余談を覚えているものですね。

 『徒然草』第19段では、折々の季節の移り変わりの美しさを説明するとともに、ちょっとした愚痴も記しています。

原文:「折節の移り変るこそ、ものごとにあはれなれ。(中略)六月の此、あやしき家に夕顔の白く見えて、蚊遣火ふすぶるも、あはれなり。六月祓、またをかし。七夕祭るこそなまめかしけれ。(中略)言ひつづくれば、みな源氏物語・枕草子などにこと古りにたれど、同じ事、また、いまさらに言はじとにもあらず。おぼしき事言はぬは腹ふくるるわざなれば、筆にまかせつつ、あぢきなきすさびにて、かつ破り捨つべきものなれば、人の見るべきにもあらず。(後略)」

 現代語訳:「季節の移り変わりにこそ、風情がある。(中略)貧しき家の夕顔は白く映え、蚊を追い払おうとする煙にも風情がある。六月祓いの儀式もまた興味深い。七夕祭りはあでやかで美しい。(中略)言い続けると、すでに『源氏物語』や『枕草子』で言い古されたことばかり。同じ事を今さらだけど、思ったことを言わないで腹にため込むのは良くないので、筆に任せて書きつつも、どうせ筆まかせのなぐさみで、すぐに破り捨ててしまうもの、これは人に見せるものではないから別にいいのだ。(後略)。」と書いています。 

 現在は太陽暦を使用していますが、当時は太陰暦です。旧暦では、今日7月1日は、まだ5月26日です。ちなみに、今年は8月3日(土)が旧暦の6月29日に当たります。

今日で、今年も後半が始まりました。新年に立てた目標や願いごとは順調ですか。今ひとつ順調でない方は、仕切り直して、気持ちを新たにして7月を乗り越えましょう。

 川口高校は、明日から期末考査が始まります。がんばれ、川高生!

【校長ブログ】期末考査直前の川口高校~学食のDay Salad~

 6月27日、川口高校では期末考査5日前。甲子園出場を目指す野球部員も、早朝は自習室で試験勉強をしていました。

 川口高校の特色のひとつは、職員室近くの廊下に自習机が随所に配置してあること。机上には「本気で自分に向き合えるチャンスは人生に何度もない。それが今である!」などの激励の言葉が背中を押してくれます。試験直前のこの時期は、先生方に直前指導を受ける生徒がたくさんいます。また、自習室も設置してあります。がんばれ川高生!

 

  校内を歩いていると、学食のポスターもちょっと一工夫。昼休み、私は学食で日替わりサラダを購入しました。キャベツやニンジンの生野菜、スイートコーン、ポテトサラダ、唐揚げなどフレッシュでボリュームのあるサラダでした。ごちそうさまでした。

 

 

【校長ブログ】今年一番の暑さになりました~川口高校の熱中症対策~

 6月24日、川口高校では梅雨入り後初めての登校日です。天気予報では真夏日の予報。私は、教職員との校長面談がやっと終了したので、授業観察の再開です。2時間目は1年8組の情報Ⅰ。3時間目は1年1組の歴史総合。どちらもグループワークを重視した授業でした。

 昼休み、昼休みの放送を活用して、保健委員が熱中症予防の取組を紹介しました。埼玉県は、大塚製薬と健康増進に関する連携協定を締結しています。それを受け、熱中症対策に積極的に取り組んでおり、養護教諭が保健委員に働きかけて啓発活動を行いました。

 今日の埼玉県は朝から強い日差しが照りつけて気温があがり、県内すべての観測地点で今年一番の暑さとなりました。県内では午後4時の時点で31人が熱中症の疑いで救急搬送され、22人の方が65歳以上の高齢者とのことでした。

 熱中症は、その症状の進行に応じて適切な判断をして対処する必要があります。めまいや立ちくらみなどの熱中症の初期に現われる「サイン」を見逃さず、頭痛や吐き気、倦怠感などの中等症の症状が現れる前に、早めに風通しの良い、涼しい場所で体を休め、水分や塩分などの補給が必要です。意識を失うなどの重症者が出たら、救急車の要請をするとともに、すぐに全身を冷やす応急手当をすることが大切です。

【校長ブログ】川高への思いを語り合いました~学校評議員会・学校評価懇話会を開催~

 6月20日、梅雨入り前の真夏を思わせる強い日差しの1日でした。校長室や廊下には、華道部の作品が華やかさを演出しています。今回は、バラ、かすみ草、ソケイの作品です。  

 本日は、第1回学校評議員会・学校評価懇話会を本校会議室で開催しました。学校評議員会は評議員5名、学校評価懇話会は評議員5名に加え、生徒代表8名、保護者代表4名に参加いただきました。

 5時間目は各教室の「総合的な探究の時間」を見学していただきました。

 学校評議員会では、今年度の学校自己評価システムシート、進路状況について職員から説明を行い、評議員の皆様から、「川口高校の個別最適学習の取組はどのようになっているか」「川口高校の自慢は生き生きとした生徒」などのご意見・ご要望等をいただきました。

 学校評価懇話会では、生徒代表、保護者代表も加わり、本校の学習活動、部活動、情報発信について2グループに分かれて意見交換を行いました。「高校生の今でなければできない活動をやってもらいたい」「学校説明会での受験生へのエールは最高だった」などのご意見をいただきました。

 年度末に第2回を行い、年度目標の達成状況等についてご意見をいただくことになります。

【校長ブログ】ウエイトリフティング部 インターハイ出場決定

 6月18日、梅雨入りを思わせる雨の中ですが、川口高校では、早朝から生徒が活動しています。川口高校は諏訪山という高台にあり、校庭は椎の木などの巨木に囲まれています。6月のこの時期、各運動部では3年生が高校生活最後の大会に出場しています。今日も、女子バレー部、卓球部、剣道部など奮闘しています。悔いのない高校生活を一人ひとりの生徒に送ってもらいたいと思っています。

 6月16日、川口高校ウエイトリフティング部は、埼玉栄高校(さいたま市西区)で開催された全国高校総体埼玉県予選会に出場しました。この大会は、国民スポーツ大会埼玉県予選会も兼ねており、高校生だけでなく、小学生・中学生や大学生、社会人も参加しています。私も激励に駆けつけました。

 本校からは男子10名、女子2名が出場し、男子55kg級 三浦虎哲 君、男子61kg級 田口温司 君の2名が全国高等学校総合体育大会(インターハイ)への出場を決めました。全国総体は8月1日~5日に長崎県諫早市で開催されます。川口高校ウエイトリフティング部への応援、よろしくお願いいたします。

 また、ALTのマシュー・ドーン先生も出場し、活躍していました。

【校長ブログ】見事なハーモニーを披露しました~吹奏楽部定期演奏会を開催~ 

 6月15日、川口高校吹奏楽部は、戸田市文化会館(戸田市)において、第12回定期演奏会を開催しました。私も激励のために駆けつけました。

 川口高校吹奏楽部は昭和35(1960)年に創部し、今年65年目を迎える伝統ある部活動です。学校史を調べてみると「昭和35年7月、管楽器の音が川口高校校庭の木陰、廊下の片隅に響き始めた。結成して1週間後には講堂で楽器購入の報告と紹介を兼ねた最初の演奏会を行った」と記録されています。

 歴代の先輩達のバトンを受け継いだ現役部員は、毎日、勉学との両立に格闘しながら懸命に練習を重ねてきました。今回の定期演奏会は一年間の集大成です。部員一人一人が、皆様への感謝の気持ちをあらわす場であるとともに、日頃の成果を発揮して見事なハーモニーを醸しだしてくれました。ご来場いただいた皆様に、吹奏楽部の演奏をお楽しみいただいたと思います。

 ご来場いただいた皆様、お世話になった皆様に心から感謝とともに御礼申し上げます。

【校長ブログ】“青春”の想いはいつまでも~早朝の教室風景~

6月11日、早朝の教室を巡回していたら、3年生の教室に素晴らしい黒板アート。

先日の体育祭優勝のメモリアルです。

 

 令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症が、感染法上の2類から5類に移行して行動制限が大幅に緩和されました。あれから1年がたち、川口高校の生徒たちは、充実した高校生活を送るために日々奮闘しています。

 子どもたちが自立に向かい成長していくためには「リアルな学び」は欠かせません。人が生きていく上で必要な「現実的な」学びです。そのためには、地域社会の教育資源である「ひと・もの・こと」を活用して、子どもたちに多様な経験ができる機会と場を提供することが重要だと改めて思いました。

【校長ブログ】スポーツが持つ「力」とは~関東高等学校ウエイトリフティング競技大会~

 6月8日、川口高校ウエイトリフティング部は、駒沢オリンピック公園屋内競技場(東京都世田谷区)で開催された第57回関東高等学校ウエイトリフティング競技大会に出場しました。男子55㎏級に三浦虎哲君、小原羚貴君、男子61㎏級に田口温司君、江端希未煌君がエントリーし、私も応援に行きました。強豪が競うなか、田口温司君が見事5位に入賞しました。

 

 応援していてスポーツが持つ「力」を改めて感じました。スポーツに熱中している高校生もいずれは社会人になります。スポーツとビジネスの共通点について考えてみました。正解のない課題に取り組むこと、チームで探究しながら前進すること、目標を達成するために全力で取り組むことなどでしょう。高校時代に全力で取り組むことに無駄なことはないと思います。がんばれ、川高生!

 

 

【校長ブログ】今年も 熱くなれる 季節がやってきた。~川口高校体育祭~

 6月6日、川口高校では、体育祭を開催しました。400名以上の保護者の皆様にもご来校いただき、活躍する川高生の姿をご覧いただきました。応援ありがとうございました。

 川口高校の体育祭の歴史を調べてみました。40周年記念誌(1981年刊行)によると、川口高校の体育祭は、当時は男子校でもあり独特の内容であったようです。クラスごとの入場行進に始まり最後の“仮装行列”まで見せる種目が多く、長い練習時間と内容の精査が必要だったそうです。朝から保護者や近所の方が見学する一大イベントであったとのこと。先生も生徒も一緒に浴衣で秩父音頭を踊ったりもしたそうです。競技だけでなく、昭和29(1954)年の体育祭では「牛若丸と弁慶」「映画『君の名は』」などの仮装行列が盛り上がったそうです。

 私は川口高校が8校目の学校勤務となりますが、開会式から川高生の元気な声に感動しました。特に集団演技を思わせる体操は圧巻でした。学年縦割りで「団」を編成し、個人競技、集団競技などで総合優勝を目指します。今年の目玉は応援合戦。1年生、2年生、3年生が混合で編成される「団」ごとのパワーに感動しました。

 総合優勝は、赤団。爽やかな初夏の空に感謝の気持ちを込めた閉会行事では、最後は校歌を高らかに全員で歌って今年の体育祭は幕を閉じました。          

 御来校いただいた保護者の皆様に御礼申し上げますとともに、運営に御協力いただきましたPTA後援会の皆様に感謝申し上げます。

【校長ブログ】ピンクのガーベラの花言葉は「前進」~華道部「初夏の始まり」~

 5月30日、川口高校では本日から6月5日まで三者面談期間です。

 川口高校では、校内各所に華道部の素晴らしい作品があります。川口高校は創立の昭和16(1941)年から平成8(1996)年まで男子校でした。華道部は共学化の平成9(1997)年度に華道同好会として発足しました。

今回の作品テーマは「初夏の始まり」。校長室に作品を持ってきてくれました。管理棟とホームルーム棟の2階渡り廊下を中心に作品が展示してあります。保護者の皆様、面談だけでなく是非とも校内をご見学ください。作品が校内を華やかにしてくれています。

 華やかさと可愛らしさを併せ持ったガーベラの花は、色数も豊富でお花屋さんでも手に入れやすく、プレゼントとして人気のお花です。ガーベラ全体の花言葉は「神秘・崇高美」。赤いガーベラの花言葉は「燃える神秘の愛」。赤いバラとともに、その花言葉から、愛情を伝える贈り花としても人気があります。ピンクのガーベラの花言葉は「前進」。すっきりと伸びた長い茎と、気持ちを明るくしてくれる色合いが合わさると、新しい門出を迎える方のお祝いの花としてぴったりです。

 元気で可愛らしいお花ですが、カジュアルなアレンジだけでなくエレガントなあしらいも似合い、アレンジごとにさまざまな表情を見せてくれます。ガーベラ全体の花言葉は、そんな不思議な魅力に由来しているのかもしれません。

【校長ブログ】川高生全員が激励!~ウエイトリフティング部関東大会出場~ 

 5月29日、川口高校では関東大会に出場するウエイトリフティング部の壮行会を全校生徒が集い、本校アリーナで開催しました。

 6月8・9日に駒沢オリンピック公園屋内競技場(東京都世田谷区)第57回関東高等学校ウエイトリフティング競技大会に出場する4名の選手への壮行会です。

 男子55㎏級 三浦虎哲 君

 男子55㎏級 小原羚貴 君

 男子61㎏級 田口温司 君

 男子61㎏級 江端希未煌 君

 校長、生徒会長からの激励の後、生徒会から激励金が贈呈されました。最後に部長の田口温司君から力強い決意表明があり、満場の拍手で激励しました。

川高生978名全員が応援をしています。がんばれ!ウエイトリフティング部。

【校長ブログ】カワタカ食堂を知っていますか?~川口高校の学生食堂~ 

 早いもので5月も終わろうとしています。川口高校では中間考査も終わり、1年生も高校生活に慣れてきたと思います。

 中学校では、お昼ごはんに給食がありますが、高校では給食はありません。高校のお昼ごはんは、お弁当などを各自が持参します。お昼休みに教室でお弁当を食べている生徒もたくさんいますが、お弁当がなかった時やお弁当だけでは物足りない時もありますよね。そんな時に頼りになるのが、諏訪山会館の1階にあるカワタカ食堂です。私も時々利用しますが、高校の学生食堂とは思えないクオリティの高さです。

開放感のある明るい食堂です。

 

 

 

 

 

 

 

 

入口にはメニューの紹介、お持ち帰りもできます。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、今日はA定食。450円です。現在高値のキャベツも山盛りです。お昼に、温かいご飯が食べられるのはとてもうれしいですね。

 

 カワタカ食堂ではInstagramもやっています。是非フォローしてくださいね

【校長ブログ】母校川口高校での教育実習が始まりました

 5月27日、川口高校では前期の教育実習が始まりました。11名の本校卒業生が実習に臨んでいます。国語1名、地歴1名、公民1名、数学2名、理科1名、英語1名、保体3名、書道1名です。川口高校を卒業してから久しぶりの川口高校での3週間の生活です。職員朝会の自己紹介では全員が緊張していました。「高く正し」を実践した先輩として、現役生に良い刺激を与えてもらいたいと思います。

 現在、教職員との面談期間中ですが、午後、校長としての教育実習についての講話と意見交換を行いました。「高校生活は充実して楽しかった」と語ってくれたのが、私としては何よりの収穫です。新型コロナウイルスの感染防止のために多くの行動制約を受けた世代です。3週間という短い期間ですが、アップデートしてもらいたいと思っています。

【校長ブログ】今も昔も子育ての悩みは同じです~学校に求められるもの~ 

 5月25日、風薫る五月と言われますが、青葉を吹きわたる爽やかな初夏の風が感じられます。川口高校では、午前中は吹奏楽部、ラグビー部の保護者会、午後にはPTA・後援会総会が開催されます。グラウンドでは、野球部、サッカー部、陸上部、体育館でもバスケットボール部、バレーボール部をはじめ活発に活動しています。

 

 PTAの活動は19世紀末にアメリカで始まりました。日本には戦後、アメリカから導入されたものです。PTAとは、Parent-Teacher-Associationの略で、「親と教師の会」という意味です。保護者と教師が互いに学び合い協力し合って、子どもたちの健全な成長を図ることが目的の団体です。

 川口高校は、昭和16(1941)年に創立されました。学校史を見てみると、PTAの発足は昭和22(1947)年11月です。父母会はありましたが、戦後にPTAが発足しています。

 後援会は、前身の運動部後援会が結成されたのが昭和31(1956)年4月でした。昭和30(1955)年に野球部が春季高校野球大会で準優勝を遂げ、夏季には全国高等学校野球選手権大会南関東地区大会の出場権を得て、埼玉県・千葉県の代表校4校で代表校の座を目指して対戦しましたが惜しくも敗れました。甲子園出場を後押しするために運動部後援会が結成され、運動部全体を援助するようになり、文化部支援の声が強まり、昭和49(1974)年から後援会として川口高校全体の教育活動をサポートする団体として発足しました。

昭和36(1961)年の川口高校全景(周囲は田んぼだけです)

 川口高校は、戦前の旧制中学校からの伝統校です。校長室の資料の中から、他校の保護者への「御願」と題した資料がありましたので要約して紹介します。なかなか興味深い内容です。

・家庭においては、絶えずお子さんの登校・帰宅に注意し、異常があった場合には、すぐに学校にご連絡ください。遅刻・欠席等はやむを得ない場合に限るようにしてください。

・起床・勉強等を規則的にし、夜間の外出・娯楽施設等への出入りは十分に注意してください。悪友の誘惑は青少年にとっては一番危険であり、堕落の原因になりますから、友人の選択には特にご注意ください。

・読物の影響も非常に大きく、雑誌や文学書を読みふけって、教科書を打ち捨てて顧みないなどは学力低下の最大の原因ですから、日頃の読物にご留意ください。

 ※今ならスマホに夢中ならないように、ということでしょうか。

・保護者会の開催のご連絡を差し上げた場合には、万障お繰り合わせの上、ご来校くださるとともに、機会あるごとにご来校・ご懇談をお願いします。

という4つの留意事項ですが、これ、いつ頃書かれたものだかおわかりですか?何と、今からちょうど90年前の1933(昭和8)年2月7日に出された「我等が學校」という、今でいう「学校便り」のような配布物の中の文章です。この「我等が學校」の中には、学校と保護者との連携の大切さや、社会との交流・協力の必要性、そして、そのことによる生徒自身の自覚と奮起によって、初めて教育効果が上がる旨の内容が、格調高い文章で書かれています。

 1933(昭和8)年とは、その前年に陸海軍の青年将校たちが内閣総理大臣官邸に乱入し、犬養毅首相を暗殺した5・15事件(1932年)が起きています。また、1933年は、ドイツではアドルフ・ヒトラーによるナチス政権が成立したり、日本が1931(昭和6)年に勃発した満州事変の対応をめぐり国際連盟から脱退をするなど、世界的にも不安定な時代に突入していきます。

 90年前も現在も、保護者と学校の連携の大切さなど同じようなことが言われています。子供を健全に成長させるという教育の本質は、変わらないということでしょうか。

旧制川口中学校野球部(1946年12月17日)

【校長ブログ】先生も勉強しています~AEDの使い方、わかりますか?~

 5月21日、川口高校では1学期中間考査2日目です。生徒は考査が午前中で終了しました。

 午後、川口市消防局の方にご来校いただき、教職員はAED(自動体外式除細動器)の使用方法を学ぶ「救命講習会」を受講しました。この講習会は、授業中や課外活動時に急病人や負傷者に対して、迅速かつ適切に応急措置を行うことができる知識を身につけ、AEDを用いてより効果的な心肺蘇生法を行い、救命率向上につなげることが目的です。

 AEDの設置は全国各地で広がっていますが、いざという時に利用できなければなりません。私も受講しましたが、先生方も熱心に受講していました。

 川口市消防局の皆様、ありがとうございました。

【校長ブログ】天使の主張と悪魔のささやき~テストの不正行為を考える~

 川口高校では、5月20日から1学期中間考査が始まります。この土日、試験勉強に追われていると思います。テストは、実施する教員の側からすると、一人ひとりの学習到達度を把握するための方法の一つですが、受験する生徒の側からすると、1点でも多く点数を取りたいと思うもの。

 テストにおける不正行為は、宮崎市定さんの名著『科挙―中国の試験地獄―』(中公新書 1963年)に詳しい。中国の科挙制度研究の権威が解き明かした名著です。私も大学生の時に読みました。かつて中国では、官吏登用のことを選挙といい、その試験科目による選挙を「科挙」と呼んでいました。官吏登用を夢みて、中国各地から秀才たちが続々と大試験場に集まってきまし。浪人を続けて老齢になってしまった人もいました。なかには、70万字にもおよぶ四書五経の注釈を筆写したカンニング襦袢をひそかに着こんだ者もいました。

 5月16日付けの新聞各紙では、早大受験生のSNSを利用した不正行為について報道しています。5月17日付けの朝日新聞朝刊の「天声人語」を中間考査直前の高校生に紹介します。精一杯勉強をして、正々堂々とテストに臨もう。

 明日のテストで0点になるのは、どうしても避けたい。のび太は、タイムマシンで一週間後の出木杉くんの部屋に忍び込む作戦を立てる。返却された100点の解答を写せばいい。藤子・F・不二雄さんの『ドラえもん』である。

 ところが部屋に行くと、もう一人の自分が現れ、こう説く。「他人の答案をみて百点とろうなんて。セコいことを考えるなよ」。のび太は言い返す。「出木杉くんの答案をみるしかぼくの生きる道はないんだ」。心の中の天使と悪魔。葛藤が彼にもあったのだろうか。

 男子受験生が早稲田大の入試で不正に使ったのは、ひみつの道具さながらの「スマートグラス」だった。カメラや通信機能付きメガネで問題を外部に流して、他人が解いた答えを書き込んだ。入試を妨害した疑いで書類送検された。

 「国立大に落ち、ほかの大学も落ちることが不安で思いついた」というから、浪人生活を重ねた末かと思えば、当時は高校生だったという。何が愚行に駆り立てたのだろう。もう道がないと思ってしまったのか。

 『ドラえもん』のその後を伝えたい。結局、のび太はやれるところまでやるしかない、と思い直す。ドラえもんが取り出した道具は「時門」。水門のように時の流れをゆっくりにする。徹夜で勉強してテストは65点。「自分だけの力でここまでやれた」と、のび太は泣いた。

 青年よ。てんとう虫コミックスの第37巻をどこかで手にとってほしい。秘密の道具はないけれど、やり直す時間は、まだ、たっぷりある。

                  (2024年5月17日 朝日新聞「天声人語」)

【校長ブログ】やりたいことは、知っていることの中からしか生まれない~川口高校で公開授業・保護者会~

 5月11日、川口高校は公開授業、1・2学年保護者会、PTA後援会新旧理事会を開催しました。朝、校内を巡回していると街並みの向こうに富士山が見えました。

 保護者の皆さんには、自由に校内の授業の様子をご覧いただきました。その後、アリーナで学年別保護者会。学習への取組、進路指導、修学旅行などの説明を行いました。

 これからの予測困難な時代、お子さんたちはどのように過ごしたらよいでしょうか。よく大人は子どもたちに「自分のやりたいことをやりなさい」というアドバイスをします。私も担任していた生徒に言っていた言葉の一つですが、今では反省しています。よく考えてみてください。やりたいことは、知っていることの中からしか生まれないからです。

 私は、お子さんに、教員だけでなく人生の先輩である保護者の方も含めた大人が、「良い情報」を積極的に提供し、お子さん自身が興味関心を深め、自考しながら「知っている世界」を広げてあげるサポートが大切だと思っています。

【校長ブログ】パワーだけでない、滑らかで美しい動作~川口高校ウエイトリフティング部関東大会出場へ~

 春の大型連休も後半になりましたが、夏を感じさせる陽気となっています。5月3日、埼玉県高等学校ウエイトリフティング競技大会関東予選が埼玉栄高校で開催され、川口高校ウエイトリフティング部も出場し、私も激励に行きました。

 国際大会でメダリストを輩出するなど、日本の選手が世界的に数多く活躍するスポーツの一つである、ウエイトリフティング。強豪埼玉栄高校の活躍の中、川口高校の選手は奮闘し、田口温司君(3年)、三浦虎哲君(2年)、小原羚貴君(2年)、江端希未煌君(2年)の4名が、6月の関東大会(神奈川県藤沢市)への出場を決めました。今後も応援よろしくお願いいたします。

 ウエイトリフティングの魅力は、パワーだけでない、滑らかで美しい動作。

 ウエイトリフティング競技は、プラットフォーム(床)から両手でバーベルを握り、一気に頭上まで持ち上げる「スナッチ」。プラットフォームからいったん鎖骨の位置までバーベルを持ち上げ(クリーン)、次の動作で頭上に差し上げる(ジャーク)「クリーン&ジャーク」。スナッチとクリーン&ジャークをそれぞれ3回ずつ行いそれぞれの最高重量の合計を競います。ただし、前半のスナッチで3回とも失敗した場合は失格となり、クリーン&ジャークに進むことができません。

 川口高校ウエイトリフティング部は、川口高校が男子校から男女共学校へ移行した翌年の平成10(1998)年度に発足し、高校総体(インターハイ)にも出場したことのある伝統ある部です。引き続き、応援をよろしくお願いいたします。

【校長ブログ】“伝えたい”の思いを大切に~演劇部春季演劇祭~

 春の大型連休に入り、高校の部活動は各地で大会が開催されています。4月27日、埼玉県高等学校演劇連盟南部地区春季演劇祭が、戸田市新曽福祉センター(埼玉県戸田市)で開催され、川口高校演劇部も出場し、私も激励に行きました。

 上演作品は青春ものの作品が多い石岡 克さんの『生きてますかぁ!?』。廃屋となった洋館。幽霊が出るという噂のあるその場所に、大学生のカップルが二人やってくる。ところが、そこには既に空き巣が一人侵入していて…。

 私は初見でしたので、ホラー系の展開かと思いましたが、思春期の悩みをいかに乗り越えるkかを示唆する青春ドラマで、観客に勇気を与えてくれました。演出、照明、音響、演者が一体となった作品でした。

演劇部活動のご紹介 → 演劇部

 

 劇作家、演出家である平田オリザさんは、『わかりあえないことから―コミュニケーション能力とは何か』(講談社現代新書 2012年)で次のように述べています。「『伝える技術』をどれだけ教え込もうとしたところで、『伝えたい』という気持ちが子どもの側にないのなら、その技術は定着していかない。では、その『伝えたい』という気持ちはどこから来るのだろう。私は、それは、『伝わらない』という経験からしか来ないのではないかと思う。」と述べています。平田オリザさんの本もお勧めです。

【校長ブログ】私も読んでいます~川口高校の「朝読書」~

 4月26日、天気予報では昨日と同じように初夏のような1日になるそうです。川口高校は避難訓練を行うために短縮45分6時間授業です。川口高校では、毎朝10分間の「朝読書」の時間があります。平成15(2003)年から実施しており、21年の歴史があります。今朝も各教室では生徒は読書をして穏やかに1日がスタートしています。

今日は、導入の経緯について紹介します。

 本校の朝読書は、平成14(2002)年に生徒指導主任をされていた 鯨井 聡 教諭が「朝読書」の効果に注目し、校務委員会(現在の企画委員会)に働きかけ、準備期間を経て平成15(2002)年9月から開始されました。当時、千葉県の船橋学園女子高校(現在の東葉高校)の 林  公 教諭と 大塚 笑子 教諭が「朝読書」の取組をとおして学校を再生させた実践が話題になっていました。全国的にいじめ問題やキレる生徒への問題への対応が求められ、それを解決するための「心の教育」が重要視されていました。

 川口高校『70周年記念誌』(2011年)に朝読書導入の記録がありました。「これからも全教員・生徒の理解を得ながら実施していく困難はあるだろうが、全校が1つになり取り組む具体的な教育活動としての意味は大きいと思う。」とありました。当時からの基本的な原則である①みんなでやる ②毎日やる ③好きな本でよい ④ただ読むだけ という取り組みを継承しています。

 よく教育では、「不易と流行」という言葉が言われます。松尾芭蕉が示した俳諧の理念で、いつまでも変わらないことを示す「不易」と、時代に応じて変化することを示す「流行」という相反する概念がひとつになった言葉です。私は「朝読書」は流行から不易になったと思っています。

 私も読んでいます。ちなみに現在読んでいるのは、大好きな作家のひとりである 万城目 学 さんの直木賞受賞作『八月の御所グラウンド』(文藝春秋 2023年)です。