校長日誌
【校長ブログ】私たちの一票は明日への一歩~7月20日は参議院選挙投票日~
7月15日、県立川口高校では特編授業日です。明日以降は、講演会や学年集会などがあるため、今日が1学期最後の授業です。図書館前の展示コーナーには、選挙に関する特設コーナーがありました。
7月20日(日)は参議院議員選挙投票日です。高3生の一部は選挙権が付与され、初めての投票になります。生徒自身が対象者である「18歳選挙権」をとおして大人としての「自由と責任」「権利と義務」について考えてみました。
大人とは何歳からなのでしょうか。電車やバスの運賃は12歳以上、自動車運転免許は18歳以上、飲酒は20歳以上など大人の年齢は異なります。
2016年の夏の国政選挙から1945年の改正以来、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられました。なぜ、70年ぶりの改正が行われたのでしょうか。若者の選挙離れも背景の一つです。令和6(2024)年に行われた第50回衆議院議員選挙全体の投票率は53.85%でしたが、十歳代の投票率は39.43%、二十歳代の投票率は34.62%でした。投票率の低さは日本だけの問題ではなく、民主主義の発祥地であり先進地でもある欧米でも同様です。国政選挙では、英国66%、フランス55%、ドイツ72%、米国43%と、日本を始め、欧米の民主主義国家の政治が閉塞感を強めています。
英国の首相であったウィンストン・チャーチルは「民主主義は最悪の政治形態であると言える。ただし、これまで試されてきたいかなる政治体制を除けば」と述べ、民主主義の素晴らしさを説いたことがあります。
日本の場合、若者の投票率の低さは、選挙に対する理解不足も要因の一つかもしれません。候補者や政党の情報を収集する方法としては、選挙公報、政見放送、街頭演説やインターネットなどがあります。選挙は投票日に投票することが原則ですが、期日前投票の制度があります。投票日に仕事や用務のある人は、期日前であっても投票ができます。
人間は年齢を重ねて子供から大人に成長するなかで、自由は拡大し、様々な権利が与えられるようになります。しかし、自由には責任、権利には義務が伴います。自分自身で獲得したものならその重みを自覚できますが、何となく与えられたものではその重みになかなか気付きません。「選挙権」の重みをしっかりと認識し、大人の一人であることを自覚し、世の中をしっかりと支える人になってもらいたいと思います。
私は、これまで選挙を棄権したことは一度もありません。時に誰に投票してよいのか分からない選挙もありましたが、自分なりに判断して一票を投じてきました。選挙は、自分の意見を政治に反映する機会です。高校生の皆さんには、大人の一人であることを自覚し、世の中をしっかりと支える人になってもらいたいと思います。
【校長ブログ】心をひとつに夢の先まで!県立川口高校野球部
7月13日、全国高校野球選手権大会埼玉大会に県立川口高校が登場し、昌平高校と対戦しました。昌平高校は昨年の準優勝校、県立川口高校は6年前の準優勝校です。両校とも春の県大会ではシード権を逃しています。
野球部応援のために、一般生徒の他、吹奏楽部、サッカー部、女子バレーボール部などは部活動単位で応援に来てくれました。その他、野球部父母会、卒業生など約300名で3塁側のスタンドは紫色一色になりました。私も、応援に駆けつけました。
試合は、1回表に先頭打者の瀧谷圭祐君(3年)が右前安打。スタンドは大いに盛り上がりました。
その後はなかなか相手投手を打てずに打線が沈黙。エースの長井健一君(3年)の思いを胸に武藤柚樹君(2年)が先発。強打の昌平高校打線相手に初回に1点、3回に4点、4回にも1点を失い、五十嵐玲大君(2年)、原田勘太郎君(3年)と継投しましたが、7回コールド0-9で無念の初戦敗退となりました。控え選手含めチーム一丸となり、最後まで戦い抜きました。
応援いただいた皆さん、ありがとうございました。
【校長ブログ】暑い夏がやってきました~彩の国進学フェア~
7月8日、県立川口高校では昨日で期末考査が終わり、今日から特編授業になっています。ホームルーム棟1階ではゴーヤの花も開花し、ゴーヤカーテンが涼しげです。今日も埼玉県では熱中症警戒アラートが発令されているので、早朝の教室巡回の際に、各教室のエアコンを入れています。
中学3年生にとっては、進路実現に向けての暑い夏になります。
彩の国進学フェアが7月12日、13日にさいたまスーパーアリーナで開催されます。今年も県立川口高校はブース参加して、魅力をお伝えいたします。入場に際しては事前予約が必要になります。主催者のホームページから登録をお願いします。
県立川口高校 ブース番号 A-86
主催者ホームページはこちら → 2025彩の国進学フェア
【開 催 日】 2025年 7月12日(土)・13日(日)
【開催時間】両日 ①9:30~ ②10:55~ ③12:20~ ④13:45~ ⑤15:10~
【参加定員】 各時間5,500人
【参加方式】 時間毎の完全事前予約制 (申込受付順)
【校長ブログ】音について調べてみました~期末考査始まる~
7月2日、県立川口高校では1学期の期末考査が始まりました。どの教室でも試験問題と格闘していました。試験で解答することを目的に覚えたら、試験が終われば忘れてしまいがちです。学ぶことの本質に気付いてもらうために、先生方は授業だけでなく試験問題も工夫をしています。しかし、これはこれで難しい…。県立川口高校の先生方は学ぶことの理想を求めて奮闘しています。試験は、先生と生徒の真剣勝負。生徒諸君の知的闘争心の奮起を期待しています。
高校では試験中はしーんとした静かな空間です。そこで、校長室で「物理基礎」と「物理」の教科書で「音」について読んでみました。
話し声や音楽など、私たちの暮らす世界はいろいろな音に満ち溢れています。音もまた波の一種であり、私たちは空気を伝わる波を音として受け取っています。工事現場で鉄パイプと叩くと、振動によって、まわりの空気は圧縮と膨張を繰り返すため、空気に圧力の高い部分(密部)と低い部分(疎部)ができ、空気の振動が縦波となって伝わります。一般に媒介を伝わるこのような縦波を音波sound wave(音 sound)といいます。私たちは、音の高低や音の大小を聞き分けることができます。リコーダーとギターの音色の違いを感じ取ることができます。音の特徴は、その高さ、大きさ、音色により決まり、これらを音の3要素 three factors of sound といいます。オスロスコープを使うと、音波の波形を観察できます。
音波(音)では、反射、屈折、回避、干渉などの現象がみられるそうです。
●音波の反射…大きな建物の前で手をたたくと、戻ってきた音が聞こえることがあります。これは音が建物に当たって反射したためです。山びこも同様の例です。音が短時間に何度も繰り返し反射すると、音源が振動をやめた後もしばらく聞こえることがあります。これが残響であり、音楽ホールは残響によって心地よく響くように設計されています。工事現場で鉄パイプをたたく音は心地よくないので騒音ですね。
●音波の屈折(refraction)…音波は、水面のような2つの異なる媒質の境界面に入射したとき、屈折派を生じます。昼間には聞こえない遠くの電車の音が、夜間には聞こえることがあります。これは音波の屈折の様子が、昼と夜では異なるためです。昼間は地表近くの温度が高く、音波は上向きに曲がって進みます。一方、夜間は空気の温度分布が逆転し、音波が下向きに曲がって進み、遠くまで届きます。
●音波の回折(diffraction)…道路に面した部屋の窓を少し開けると、窓を広く開けた時と同じように、外の音が聞こえます。これは、音波が回折し、部屋の内側に回り込むためです。新型コロナ感染防止のために、教室ではエアコンを入れながら窓を開放しており、自動車音などを完全に遮断するのは困難です。
●音波の干渉(interference)…波が重なって振動を強めあったり弱めあったりする現象を波の干渉といいます。同じ振動数の音を2つのスピーカーから出すと、音がよく聞こえる場所と聞こえない場所が出てきます。これは音の干渉により、空気が強く振動する所としない所ができるからです。
物理は、運動とエネルギー、波動、電気と磁気、原子など日常生活に結びついている内容です。公式や計算式だけを意識すると無味乾燥な内容になってしまいがちですが、日常生活と結びつけながら「なぜ?」に迫ってみることが大切です。
【校長ブログ】諏訪山町会長さんが野球部激励に来校
今日、7月1日で令和7年も後半になりました。昨年度の校長ブログでも夏越の祓について書きました。今年も私が利用している駅のポスターには、鳩ケ谷氷川神社のポスターで“夏詣”のご案内。初詣と同じように、夏詣でをして心を新たにして後半に臨む方もいます。鳩ケ谷氷川神社にも茅の輪が作られています。大晦日と同じように、穢れを取り払うために除災行事があります。
諏訪山町会の 奥田 誠 会長さんが来校され、全国高等学校野球選手権大会埼玉大会に出場する本校野球部に激励の差入をいただきました。毎年、県立川口高校野球部へ応援をいただいております。奥田 誠 会長さん、ありがとうございます。
今日の読売新聞「高校野球 新しい風 公立の雄 市立川越高 学年超えて結束」という記事がありました。その中で、「県内の公立校が夏の甲子園に出場したのは、1998年記念大会の滑川高校(現在の滑川総合高校)まで遡る。その後は、2004年の所沢商、06年の鷲宮、08年の上尾など公立9校が決勝まで進出したが、いずれも私立の壁にはね返された。」とありました。県立川口高校も公立9校の1校です。2018年に決勝に進出しましたが、浦和学院高に敗れ、甲子園出場まであと一歩でした。
甲子園を目指し、今年は7月13日(日)に川口市営球場で昌平高校と対戦します。県立川口高校の応援よろしくお願いいたします。
【校長ブログ】グラジオラスの花言葉は「勝利」~華道部の作品「夏野」~
6月26日、県立川口高校では7月2日からの期末考査の一週間前に入っています。放課後には試験勉強をしている生徒の姿を多く見かけます。
先日、華道部の生徒が校長室に素晴らしい作品を持ってきてくれました。テーマは「夏野」。グラジオラス、テッポウユリ、ハナナマサジ(スターチス)。
県立川口高校は創立の昭和16(1941)年から平成8(1996)年まで男子校でした。華道部は共学化の平成9(1997)年度に華道同好会として発足し、現在は華道部として活躍しています。
グラジオラスの花言葉は「「勝利」です。「勝利」の花言葉は、立ち登る立派な姿から感じる力強さが由来となっています。
期末考査での生徒一人ひとりの「勝利」を期待しています。華道部の皆さん、ありがとうございました。
【校長ブログ】自分だけの勝ち方を見つけよう。~女子バレー部、県大会で躍動!~
6月は、部活動で高校3年生の多くが引退し、進路実現に向けて切り替える時期です。運動部では、高校総合体育大会(インターハイ)の予選大会で3年生が引退する部活動がほとんどです。
部活動の応援に行っても、なかなか子供たちの活躍する姿をじっくり見ることができないのですが、それでも応援に行きたい、と思うのは、子供たちがそれぞれの部活で一所懸命に頑張っているからです。どの会場でも応援に来られた大勢の保護者の方々の姿を目にします。皆さん、おそらく家では見られないお子さんの姿を見られたことだろうと思います。
試合や発表会を応援に行くと、子供たちの「いい場面」に出会います。運動部であれば、試合ですから勝つこともあれば負けることもあります。優勝しない限り最後はどこかで負けて無念な思いを味わうわけですが、子供たちは、そこで様々なことを学びます。
試合後や発表会後に、学校で「校長先生、応援に来てくれてありがとうございます」と言ってくれる子供たちが結構いて、とてもうれしく思います。その時の子供たちの顔は、試合の結果にかかわらず、とても爽やかです。
6月16日、私は女子バレーボール部の県大会激励のために、深谷ビックタートル(埼玉県深谷市)に行きました。県大会1回戦は所沢高校に2-0で勝利しましたが、2回戦は小川高校に0-2で惜敗しました。応援に来ていただいた保護者の皆様に、感謝申し上げます。スタンドで応援していたベンチ入りできなかった生徒もがんばりました。
苦手を克服したい人がいる。
得意分野を伸ばしたい人もいる。
人によって、目標も強みも違うから。
自分だけの勝ち方を見つけよう。
それはきっと、その先の人生を生き抜く力になります。
【校長ブログ】よりよい県立川口高校を目指して~学校評議員会・学校評価懇話会~
6月19日、県立川口高校では、学校評議員会・学校評価懇話会を開催しました。
学校評議員会は、地域に開かれた特色ある学校づくりを一層推進するために、学校や地域の実情に応じて、学校運営に関し、①保護者や地域住民等の意向を把握・反映すること、②保護者や地域住民等の協力を得ること、③保護者や地域住民等に対して学校運営の状況等を周知するなど学校としての説明責任を果たしていくことができるようにするものです。県立川口高校では、学識経験者、保護者代表など5名の委員の皆様で構成しています。
学校評価懇話会は、学校において、その年度の教育活動等の達成状況に関して、学校自己評価の結果を踏まえた意見交換等を通じて評価を行い、学校の自律的改善を図るため、学校関係者及び生徒から構成するものです。川口高校では、学識経験者、保護者代表、教職員、生徒代表など25名で意見交換を行いました。
2学年の「総合的な探究の時間」を視察した後、今年度の学校教育活動等について説明をいたしました。協議では、学校の情報発信の方法について、授業の体力向上について、学習指導について、学校の施設設備について、文化祭をより魅力的にすることについてなど多岐にわたる意見交換ができました。皆様のご意見を参考に、よりよい県立川口高校を目指してまいります。
【校長ブログ】ひんやりする本~県立川口高校図書館の展示コーナー~
県立川口高校の図書館入口にはショーウインドがあります。毎月、川野司書さんと図書委員が工夫をしながら展示物を更新しています。先日、通りがかったら作業中でした。
図書委員に聞いてみると今月のテーマは「ひんやりする本」。どのような本を展示してくれるのか楽しみでした。
次の6冊が選ばれています。
●吉野雄輔『海の本』(角川書店 2005年)…原初、生物がそこか生まれた海。初めて触れる、広大で生命あふれるもう一つの世界。海のすべてを知り尽くした水中写真の第一人者が、人知れず息づく神秘の世界を1冊にまとめました。
●村崎なぎこ『ナカスイ!~海なし県の水産高校~』(祥伝社 2023年)…この高校、濃すぎる! 栃木県立那珂川水産高等学校(ナカスイ)は、内陸県にある日本唯一の水産高校。“脱普通”をもくろむ鈴木さくらは、淡水魚専門の水産高校“ナカスイ”に入学。青春を謳歌するはずが、鮎に恋する神宮寺先生、魚ファーストの小百合、アニオタの地元ギャルかさね、釣りバカの渡辺ら、くせ者ぞろいで大打撃を受ける。水産実習では溺れかけ、おまけに少子化で学校は存続の危機。水没寸前のさくらの前に、あるポスターが……。「求ム! 地元食材&オリジナルレシピ&仲間 一緒に”ご当地おいしい!甲子園”を目指そう!」ナカスイの未来と青春をかけて、さくらは大勝負に挑む!
●岡本 信明・川田洋之助監修『金魚 長く、楽しく飼うための本』(池田書店 2009年)…魚は、たとえば、家族が集まるお茶の間や、オフィスの応接間のテーブルにさりげなくいるのがよく似合います。口をパクパクさせてエサをねだる金魚と対話する。そんな光景は、どんなにすてきでしょうか。本書は、今まで金魚の飼育が上手くいかなかった人、金魚はすぐ死んでしまう生き物だと思っている人に向けて、とてもシンプルでかんたんな飼い方を紹介しています。ぜひ、金魚のかわいさ、飼育の面白さを体験してみてください。
●『アイス一年中』(地球丸 2016年)…手づくりするのには、理由があります。それは、アイスをいちばんおいしく食べられるタイミングが「つくりたて」だから。生クリームや卵を泡立て、ふっくらと空気をふくんだつくりたてのアイスは、驚くほどなめらか。フレッシュなおいしさにあふれています。ご家庭で、手づくりアイスの世界を、ぜひ、ご堪能ください。人気料理家8人の絶品氷菓レシピ集。
●汐見夏衛『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』(スターツ出版文庫 2016年)…親や学校、すべてにイライラした毎日を送る中2の百合。母親とケンカをして家を飛び出し、目をさますとそこは70年前、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰に助けられ、彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。しかし、彼は特攻隊員で、ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だった――。のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る…。
●凪良ゆう『星を編む』(講談社 2023年)…第20回本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語
【校長ブログ】好きになった教科には、好きにしてくれた先生がいる。~教育実習が終わりました~
6月20日、本日で3週間の教育実習は最後となりました。9名の教育実習生が3週間取り組んでくれました。3週間の間に、体育祭もあり、充実した教育実習ができたとおもいます。
3週間の間に、教育実習生一人ひとりと校長室で個別に面談をしました。あえて一人ひとりの話題は変えて面談をしましたが、大学時代の経験や教師を目指した理由や高校時代の思い出、大学時代に経験など各自が熱く語ってくれました。埼玉県でなく東京都の教員採用試験を目指す実習生もいました。また、教員だけではなく、児童福祉施設で子どもたちの成長を支えたいという人もいました。教育実習生の皆さん、大変お疲れ様でした。良い先生になってください。
「教員はブラックだ」という報道は、2010年代後半から特に増え始めました。2016年度の文部科学省の調査で、教員の勤務時間が増大していることが明らかになり、それ以降、教員の多忙化がクローズアップされるようになりました。
教育実習生へのエールを込めて、コピーライター谷野栄治さんの元気が出る言葉を紹介します。教育に完璧はないと思いますが、理想を追い続けることが大切です。
誰にでも、好きな教科、嫌いな教科はあるものです。
大人になって振り返ってみると、好きになった教科には必ず印象に残る先生がいます。
世界の広さを語ってくれた英語の先生。
生き物の不思議に目を開かせてくれた理科の先生。
歴史に眠る人間のドラマを教えてくれた社会科の先生。
そんな先生たちの共通点は、その教科が好きで好きでたまらない気持ちが伝わってきたこと。伝えたいことがあふれ出てくること。だから、暗記しようと思わなくても、自然に記憶に残るし、次の授業が楽しみになる。
どんな時代でも求められるのは、教科指導を通じて、授業で想いを伝えられる教員。授業で子どもたちをひきつけられてこそ、プロフェッショナル教員なのです。