校長日誌
【校長ブログ】川高生全員が激励!~ウエイトリフティング部関東大会出場~
5月29日、川口高校では関東大会に出場するウエイトリフティング部の壮行会を全校生徒が集い、本校アリーナで開催しました。
6月8・9日に駒沢オリンピック公園屋内競技場(東京都世田谷区)第57回関東高等学校ウエイトリフティング競技大会に出場する4名の選手への壮行会です。
男子55㎏級 三浦虎哲 君
男子55㎏級 小原羚貴 君
男子61㎏級 田口温司 君
男子61㎏級 江端希未煌 君
校長、生徒会長からの激励の後、生徒会から激励金が贈呈されました。最後に部長の田口温司君から力強い決意表明があり、満場の拍手で激励しました。
川高生978名全員が応援をしています。がんばれ!ウエイトリフティング部。
【校長ブログ】カワタカ食堂を知っていますか?~川口高校の学生食堂~
早いもので5月も終わろうとしています。川口高校では中間考査も終わり、1年生も高校生活に慣れてきたと思います。
中学校では、お昼ごはんに給食がありますが、高校では給食はありません。高校のお昼ごはんは、お弁当などを各自が持参します。お昼休みに教室でお弁当を食べている生徒もたくさんいますが、お弁当がなかった時やお弁当だけでは物足りない時もありますよね。そんな時に頼りになるのが、諏訪山会館の1階にあるカワタカ食堂です。私も時々利用しますが、高校の学生食堂とは思えないクオリティの高さです。
開放感のある明るい食堂です。
入口にはメニューの紹介、お持ち帰りもできます。
私は、今日はA定食。450円です。現在高値のキャベツも山盛りです。お昼に、温かいご飯が食べられるのはとてもうれしいですね。
カワタカ食堂ではInstagramもやっています。是非フォローしてくださいね
【校長ブログ】母校川口高校での教育実習が始まりました
5月27日、川口高校では前期の教育実習が始まりました。11名の本校卒業生が実習に臨んでいます。国語1名、地歴1名、公民1名、数学2名、理科1名、英語1名、保体3名、書道1名です。川口高校を卒業してから久しぶりの川口高校での3週間の生活です。職員朝会の自己紹介では全員が緊張していました。「高く正し」を実践した先輩として、現役生に良い刺激を与えてもらいたいと思います。
現在、教職員との面談期間中ですが、午後、校長としての教育実習についての講話と意見交換を行いました。「高校生活は充実して楽しかった」と語ってくれたのが、私としては何よりの収穫です。新型コロナウイルスの感染防止のために多くの行動制約を受けた世代です。3週間という短い期間ですが、アップデートしてもらいたいと思っています。
【校長ブログ】今も昔も子育ての悩みは同じです~学校に求められるもの~
5月25日、風薫る五月と言われますが、青葉を吹きわたる爽やかな初夏の風が感じられます。川口高校では、午前中は吹奏楽部、ラグビー部の保護者会、午後にはPTA・後援会総会が開催されます。グラウンドでは、野球部、サッカー部、陸上部、体育館でもバスケットボール部、バレーボール部をはじめ活発に活動しています。
PTAの活動は19世紀末にアメリカで始まりました。日本には戦後、アメリカから導入されたものです。PTAとは、Parent-Teacher-Associationの略で、「親と教師の会」という意味です。保護者と教師が互いに学び合い協力し合って、子どもたちの健全な成長を図ることが目的の団体です。
川口高校は、昭和16(1941)年に創立されました。学校史を見てみると、PTAの発足は昭和22(1947)年11月です。父母会はありましたが、戦後にPTAが発足しています。
後援会は、前身の運動部後援会が結成されたのが昭和31(1956)年4月でした。昭和30(1955)年に野球部が春季高校野球大会で準優勝を遂げ、夏季には全国高等学校野球選手権大会南関東地区大会の出場権を得て、埼玉県・千葉県の代表校4校で代表校の座を目指して対戦しましたが惜しくも敗れました。甲子園出場を後押しするために運動部後援会が結成され、運動部全体を援助するようになり、文化部支援の声が強まり、昭和49(1974)年から後援会として川口高校全体の教育活動をサポートする団体として発足しました。
昭和36(1961)年の川口高校全景(周囲は田んぼだけです)
川口高校は、戦前の旧制中学校からの伝統校です。校長室の資料の中から、他校の保護者への「御願」と題した資料がありましたので要約して紹介します。なかなか興味深い内容です。
・家庭においては、絶えずお子さんの登校・帰宅に注意し、異常があった場合には、すぐに学校にご連絡ください。遅刻・欠席等はやむを得ない場合に限るようにしてください。
・起床・勉強等を規則的にし、夜間の外出・娯楽施設等への出入りは十分に注意してください。悪友の誘惑は青少年にとっては一番危険であり、堕落の原因になりますから、友人の選択には特にご注意ください。
・読物の影響も非常に大きく、雑誌や文学書を読みふけって、教科書を打ち捨てて顧みないなどは学力低下の最大の原因ですから、日頃の読物にご留意ください。
※今ならスマホに夢中ならないように、ということでしょうか。
・保護者会の開催のご連絡を差し上げた場合には、万障お繰り合わせの上、ご来校くださるとともに、機会あるごとにご来校・ご懇談をお願いします。
という4つの留意事項ですが、これ、いつ頃書かれたものだかおわかりですか?何と、今からちょうど90年前の1933(昭和8)年2月7日に出された「我等が學校」という、今でいう「学校便り」のような配布物の中の文章です。この「我等が學校」の中には、学校と保護者との連携の大切さや、社会との交流・協力の必要性、そして、そのことによる生徒自身の自覚と奮起によって、初めて教育効果が上がる旨の内容が、格調高い文章で書かれています。
1933(昭和8)年とは、その前年に陸海軍の青年将校たちが内閣総理大臣官邸に乱入し、犬養毅首相を暗殺した5・15事件(1932年)が起きています。また、1933年は、ドイツではアドルフ・ヒトラーによるナチス政権が成立したり、日本が1931(昭和6)年に勃発した満州事変の対応をめぐり国際連盟から脱退をするなど、世界的にも不安定な時代に突入していきます。
90年前も現在も、保護者と学校の連携の大切さなど同じようなことが言われています。子供を健全に成長させるという教育の本質は、変わらないということでしょうか。
旧制川口中学校野球部(1946年12月17日)
【校長ブログ】先生も勉強しています~AEDの使い方、わかりますか?~
5月21日、川口高校では1学期中間考査2日目です。生徒は考査が午前中で終了しました。
午後、川口市消防局の方にご来校いただき、教職員はAED(自動体外式除細動器)の使用方法を学ぶ「救命講習会」を受講しました。この講習会は、授業中や課外活動時に急病人や負傷者に対して、迅速かつ適切に応急措置を行うことができる知識を身につけ、AEDを用いてより効果的な心肺蘇生法を行い、救命率向上につなげることが目的です。
AEDの設置は全国各地で広がっていますが、いざという時に利用できなければなりません。私も受講しましたが、先生方も熱心に受講していました。
川口市消防局の皆様、ありがとうございました。
【校長ブログ】天使の主張と悪魔のささやき~テストの不正行為を考える~
川口高校では、5月20日から1学期中間考査が始まります。この土日、試験勉強に追われていると思います。テストは、実施する教員の側からすると、一人ひとりの学習到達度を把握するための方法の一つですが、受験する生徒の側からすると、1点でも多く点数を取りたいと思うもの。
テストにおける不正行為は、宮崎市定さんの名著『科挙―中国の試験地獄―』(中公新書 1963年)に詳しい。中国の科挙制度研究の権威が解き明かした名著です。私も大学生の時に読みました。かつて中国では、官吏登用のことを選挙といい、その試験科目による選挙を「科挙」と呼んでいました。官吏登用を夢みて、中国各地から秀才たちが続々と大試験場に集まってきまし。浪人を続けて老齢になってしまった人もいました。なかには、70万字にもおよぶ四書五経の注釈を筆写したカンニング襦袢をひそかに着こんだ者もいました。
5月16日付けの新聞各紙では、早大受験生のSNSを利用した不正行為について報道しています。5月17日付けの朝日新聞朝刊の「天声人語」を中間考査直前の高校生に紹介します。精一杯勉強をして、正々堂々とテストに臨もう。
明日のテストで0点になるのは、どうしても避けたい。のび太は、タイムマシンで一週間後の出木杉くんの部屋に忍び込む作戦を立てる。返却された100点の解答を写せばいい。藤子・F・不二雄さんの『ドラえもん』である。
ところが部屋に行くと、もう一人の自分が現れ、こう説く。「他人の答案をみて百点とろうなんて。セコいことを考えるなよ」。のび太は言い返す。「出木杉くんの答案をみるしかぼくの生きる道はないんだ」。心の中の天使と悪魔。葛藤が彼にもあったのだろうか。
男子受験生が早稲田大の入試で不正に使ったのは、ひみつの道具さながらの「スマートグラス」だった。カメラや通信機能付きメガネで問題を外部に流して、他人が解いた答えを書き込んだ。入試を妨害した疑いで書類送検された。
「国立大に落ち、ほかの大学も落ちることが不安で思いついた」というから、浪人生活を重ねた末かと思えば、当時は高校生だったという。何が愚行に駆り立てたのだろう。もう道がないと思ってしまったのか。
『ドラえもん』のその後を伝えたい。結局、のび太はやれるところまでやるしかない、と思い直す。ドラえもんが取り出した道具は「時門」。水門のように時の流れをゆっくりにする。徹夜で勉強してテストは65点。「自分だけの力でここまでやれた」と、のび太は泣いた。
青年よ。てんとう虫コミックスの第37巻をどこかで手にとってほしい。秘密の道具はないけれど、やり直す時間は、まだ、たっぷりある。
(2024年5月17日 朝日新聞「天声人語」)
【校長ブログ】やりたいことは、知っていることの中からしか生まれない~川口高校で公開授業・保護者会~
5月11日、川口高校は公開授業、1・2学年保護者会、PTA後援会新旧理事会を開催しました。朝、校内を巡回していると街並みの向こうに富士山が見えました。
保護者の皆さんには、自由に校内の授業の様子をご覧いただきました。その後、アリーナで学年別保護者会。学習への取組、進路指導、修学旅行などの説明を行いました。
これからの予測困難な時代、お子さんたちはどのように過ごしたらよいでしょうか。よく大人は子どもたちに「自分のやりたいことをやりなさい」というアドバイスをします。私も担任していた生徒に言っていた言葉の一つですが、今では反省しています。よく考えてみてください。やりたいことは、知っていることの中からしか生まれないからです。
私は、お子さんに、教員だけでなく人生の先輩である保護者の方も含めた大人が、「良い情報」を積極的に提供し、お子さん自身が興味関心を深め、自考しながら「知っている世界」を広げてあげるサポートが大切だと思っています。
【校長ブログ】パワーだけでない、滑らかで美しい動作~川口高校ウエイトリフティング部関東大会出場へ~
春の大型連休も後半になりましたが、夏を感じさせる陽気となっています。5月3日、埼玉県高等学校ウエイトリフティング競技大会関東予選が埼玉栄高校で開催され、川口高校ウエイトリフティング部も出場し、私も激励に行きました。
国際大会でメダリストを輩出するなど、日本の選手が世界的に数多く活躍するスポーツの一つである、ウエイトリフティング。強豪埼玉栄高校の活躍の中、川口高校の選手は奮闘し、田口温司君(3年)、三浦虎哲君(2年)、小原羚貴君(2年)、江端希未煌君(2年)の4名が、6月の関東大会(神奈川県藤沢市)への出場を決めました。今後も応援よろしくお願いいたします。
ウエイトリフティングの魅力は、パワーだけでない、滑らかで美しい動作。
ウエイトリフティング競技は、プラットフォーム(床)から両手でバーベルを握り、一気に頭上まで持ち上げる「スナッチ」。プラットフォームからいったん鎖骨の位置までバーベルを持ち上げ(クリーン)、次の動作で頭上に差し上げる(ジャーク)「クリーン&ジャーク」。スナッチとクリーン&ジャークをそれぞれ3回ずつ行いそれぞれの最高重量の合計を競います。ただし、前半のスナッチで3回とも失敗した場合は失格となり、クリーン&ジャークに進むことができません。
川口高校ウエイトリフティング部は、川口高校が男子校から男女共学校へ移行した翌年の平成10(1998)年度に発足し、高校総体(インターハイ)にも出場したことのある伝統ある部です。引き続き、応援をよろしくお願いいたします。
【校長ブログ】“伝えたい”の思いを大切に~演劇部春季演劇祭~
春の大型連休に入り、高校の部活動は各地で大会が開催されています。4月27日、埼玉県高等学校演劇連盟南部地区春季演劇祭が、戸田市新曽福祉センター(埼玉県戸田市)で開催され、川口高校演劇部も出場し、私も激励に行きました。
上演作品は青春ものの作品が多い石岡 克さんの『生きてますかぁ!?』。廃屋となった洋館。幽霊が出るという噂のあるその場所に、大学生のカップルが二人やってくる。ところが、そこには既に空き巣が一人侵入していて…。
私は初見でしたので、ホラー系の展開かと思いましたが、思春期の悩みをいかに乗り越えるkかを示唆する青春ドラマで、観客に勇気を与えてくれました。演出、照明、音響、演者が一体となった作品でした。
演劇部活動のご紹介 → 演劇部
劇作家、演出家である平田オリザさんは、『わかりあえないことから―コミュニケーション能力とは何か』(講談社現代新書 2012年)で次のように述べています。「『伝える技術』をどれだけ教え込もうとしたところで、『伝えたい』という気持ちが子どもの側にないのなら、その技術は定着していかない。では、その『伝えたい』という気持ちはどこから来るのだろう。私は、それは、『伝わらない』という経験からしか来ないのではないかと思う。」と述べています。平田オリザさんの本もお勧めです。
【校長ブログ】私も読んでいます~川口高校の「朝読書」~
4月26日、天気予報では昨日と同じように初夏のような1日になるそうです。川口高校は避難訓練を行うために短縮45分6時間授業です。川口高校では、毎朝10分間の「朝読書」の時間があります。平成15(2003)年から実施しており、21年の歴史があります。今朝も各教室では生徒は読書をして穏やかに1日がスタートしています。
今日は、導入の経緯について紹介します。
本校の朝読書は、平成14(2002)年に生徒指導主任をされていた 鯨井 聡 教諭が「朝読書」の効果に注目し、校務委員会(現在の企画委員会)に働きかけ、準備期間を経て平成15(2002)年9月から開始されました。当時、千葉県の船橋学園女子高校(現在の東葉高校)の 林 公 教諭と 大塚 笑子 教諭が「朝読書」の取組をとおして学校を再生させた実践が話題になっていました。全国的にいじめ問題やキレる生徒への問題への対応が求められ、それを解決するための「心の教育」が重要視されていました。
川口高校『70周年記念誌』(2011年)に朝読書導入の記録がありました。「これからも全教員・生徒の理解を得ながら実施していく困難はあるだろうが、全校が1つになり取り組む具体的な教育活動としての意味は大きいと思う。」とありました。当時からの基本的な原則である①みんなでやる ②毎日やる ③好きな本でよい ④ただ読むだけ という取り組みを継承しています。
よく教育では、「不易と流行」という言葉が言われます。松尾芭蕉が示した俳諧の理念で、いつまでも変わらないことを示す「不易」と、時代に応じて変化することを示す「流行」という相反する概念がひとつになった言葉です。私は「朝読書」は流行から不易になったと思っています。
私も読んでいます。ちなみに現在読んでいるのは、大好きな作家のひとりである 万城目 学 さんの直木賞受賞作『八月の御所グラウンド』(文藝春秋 2023年)です。