校長日誌
【校長ブログ】言葉のキャッチボールの大切さ~英語コミュニケーションⅢの授業~
10月24日、早朝に校内を巡回していたら、うっすらと富士山が見えました。
今日は川口高校では修学旅行特編授業のため午前中授業です。今日は3年9組の「英語コミュニケーションⅢ」の授業にお邪魔しました。最初の5分は、No Japanese,No Gesture,No Sentencesの英語によるクイズタイム。「釜めし」「絵馬」を英語で説明することに教室中盛り上がりました。ペア・ワークによる発音練習やパワーポイントを活用した英語構文解説など多岐にわたる授業内容でした。50分の授業の中で、密度の濃い英語4技能5分野を意識した授業内容でした。
先生に伺ったら、突然の校長登場で生徒の皆さんは緊張気味だったようです…
現在の高校英語教育は、4技能5分野の習得が必要とされています。4技能とは、「聴くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」。かつての英語教育は「読む」「書く」といった暗記に頼ることばかりと言われてきました。中学英語で現在形・過去形・未来形・進行形・完了形とさまざまな時制を覚えたり、疑問詞・助動詞・前置詞・動名詞・不定詞と用法を覚えたり、文法の勉強を重視してきました。でも、それだけでは英語の双方向のコミュニケーションを身につけることができなかいとの議論がありました。そこで、英語を話す人からの質問を理解し、英語での的確なやりとりができることを目指して、英語教育改革が進められることになりました。
英語の4技能5分野とは、英語4技能の「話すこと」を「話すこと(やりとり)」と「話すこと(発表)」の2領域に分けたものを指します。「話すこと(やりとり)」は双方向でのコミュニケーション、つまり相手と言葉のキャッチボールをすること、「話すこと(発表)」は自分のことや身近な出来事などを相手に伝えることになります。
【校長ブログ】せっかくの不正解から目をそらさない~中間考査が始まりました~
10月16日、川口高校の校内もキンモクセイの香りにつつまれ、秋を感じます。今日から3日間の中間考査が始まりました。今朝も早朝から登校して教室で自習をしている生徒が多数いました。1時間目から各学年の教室は緊張感が廊下まで伝わります。
世の中は「解」のない課題がたくさんありますが、学校のテストは基本的には「正解」があります。しかし、なかなか満点はとれません。不正解は、正解のもと。不正解を大切にしてほしいと思います。人は間違えないと、間違えに気づかずに成長しないものです。自分で解くからこそ課題が見えてきます。せっかくの不正解から目をそらさない。
【校長ブログ】口は一つなのに耳は二つあるのはどうして…?
10月10日、かつての体育の日。1964年の東京オリンピック開会式に伴って、体育の日が祝日となりました。私の中では、小中高と体育の日といえば10月10日。平成12(2000)年から10月第3月曜日に移行しました。祝日を月曜日化して三連休を増やす、いわゆるハッピーマンデーです。早朝に校内を巡回していると、校舎4階からは校内の色づき始めた木々と共に、秩父の山々が遠くに見渡せました。
以前先輩に、「なぜ私たち人間には口は一つ、耳は二つあるのだと思う?」と聞かれたことがあります。私は、疑問に思ったり、考えたりしたこともありませんでした。口は「食べ物を食べるところ」「人と話す言葉を出すところ」などですが、耳は「人の話や物音を聞くところ」ぐらいしか浮かびません。先輩からは「耳が二つあるのは、口の二倍必要だから。つまり、話すことの二倍聞きなさいということ。」そのようなことを教えてもらったことがあります。「人の話をろくに聞きもしないで、自分の主張ばかりしてはいけない。ついつい、自分の意見を先に分かってもらいたくなるけれども、そのような時こそ、口と耳の数を思い出してみよう。」というものです。そして、素晴らしい言葉を教えてもらいました。
「口は一つ、耳は二つ。されば、言うことを少なくして、多く聞くことよかりけり」
一般的に教えられるコミュニケーション能力を高める方法は、「正しい話し方」や「話術のテクニック」などの話す能力のことばかりが多く語られているかもしれません。コミュニケーション能力を高めるのであれば、まず人の話を聞く。この聞く力を高めるべきではないでしょうか。上手にコミュニケーションをおこなうための非常に的を得た言葉だと私は思います。
まず「聞く」「聴く」ことなのです。「聞く」は、音・声を耳に感じること。「聴く」は傾聴という言葉が示すように、耳を傾けて熱心に聞くことです。「聴く」は、心を込めて二つの耳をしっかりと相手に近づけること、そのことが、相手の話しや相手の子ことを感じることにつながります。自分が話して得られることよりも、話を真剣に聞くことによって、得られ学べることの方がはるかに多く、自身の知識や考え方の引き出しが幅広く増えていくのだと思います。
米国のデール・カーネギーは、「人の話を聴くことで、人生の80%は成功する!」と言っています。相手を優先する、相手を気持ちよくさせることが成功の秘訣なのでしょう。デール・カーネギーは、次の6つの心得を守れば良いコミュニケーションを身につけることができると言っています。
1.相手の話には熱心に耳を傾ける。
2.相手の話に口をはさまない。
3.初対面の人の名前はすぐ覚えて、 できるだけ使う。
4.もし相手の言い分が間違っていても、 そっけなくやりこめるのはよくない。
5.自分のほうが偉いといった態度を見せない。
6.自分の考えが間違っていれば、 素直にあやまる。
私もまだまだ修行中。「二つ聞いて、一つ話す」を心掛けていかなければと思っています。
【校長ブログ】一足先に総選挙~県立川口高校の新生徒会誕生~
10月3日、県立川口高校では生徒会役員選挙が行われました。佐藤未波 生徒会会長、武田晃誠 副会長、久保菜々実 副会長、成田達也 監査委員長の新執行部が信任されました。「快適な学校に!」「今の部活動に満足していますか?」「より良い川高の為に全力を尽くします!」「真面目にコツコツと生徒会への貢献!!」などの抱負を語っています。今後の活躍に大いに期待しています。
石破首相は新内閣の信任を問いたいとして、臨時国会会期末の10月9日に衆議院を解散し、10月27日投開票の日程で選挙を行うと表明しました。生徒会も生徒の代表、国政も国民の代表、1票の重さを大切にしてもらいたいと思います。
【校長ブログ】非認知能力も育てます~イブニング学校説明会を開催~
10月3日、県立川口高校では、イブニング学校説明会を開催しました。100名を超えるの中学3年生、保護者の皆様にご来校いただきました。ご多忙の中、ご来校いただき、御礼申し上げます。
私からは、県立川口高校の教育活動の説明だけでなく、非認知能力の大切さを説明しました。非認知能力とは、学力検査などのテストでは測定できない能力を意味しています。具体的には、やる気、忍耐力、協調性、自制心など、人の心や社会性に関係する力です。自分を動機づけて高めようとしたり、自分の感情をコントロールしたりしながら、自分と他者を大切にできる非認知能力の育成が、変化の激しい社会のなかで求められています。
県立川口高校では学校説明会を年3回開催していますが、今年度から、平日の夕方に本校視聴覚室で100名の皆様を対象としたミニ学校説明会を開催しています。部活動見学も可能ですので、是非ご来校ください。
〇第3回イブニング説明会 令和6年10月28日(月)本校視聴覚室(17:30~18:00)
の 参加お申し込みは10月14日(月)18:00から先着50組(100名)の受付をホームページで開始します。
〇第2回学校説明会 令和6年11月16日(土)本校アリーナ(9:30~11:00)
〇第4回イブニング説明会 令和6年11月26日(火)本校視聴覚室(17:30~18:00)
〇第3回学校説明会 令和6年12月21日(土)本校アリーナ(9:30~11:00)
〇ミニ学校説明会 令和7年 1月 7日(火)本校視聴覚室(10:00~11:00)
【校長ブログ】熱い「一言」の大切さ
先週あたりから川口高校の校内も秋の気配を感じるようになりました。今日10月2日は、気温が上がっていて、午後1時には最高気温は32.5℃になりました。10月に30℃以上の真夏日になるのは3年ぶりだそうです。
「学校は良くも悪くも時代の変化に鈍感だ」と言われることがあります。校長として4月に着任して7カ月が過ぎ、先生方の授業観察を行っています。戸田市教育委員会の 戸賀崎 勤 教育長は「教育現場における“気合、経験、感”の3Kからの脱却」を提唱され、戸田市内の小・中学校において積極的にICTを学校教育に取り入れています。県立川口高校でも授業においても部活動においてもICTの活用の場面が増えています。
EdTech(エドテック)という言葉が近年注目されています。EdTechは、教育(Education)とテクノロジー(Technology)からなる造語です。「場所や時間を問わず学習できる」「生徒が学びたいことを学習できる」など、従来はできなかった多様な学び方が現実のものとなりつつあります。それらを可能にしているのが、「EdTech(エドテック)」です。
EdTechが注目される背景には、文部科学省が進める「GIGAスクール構想」の影響があります。GIGAスクール構想(「GIGA」はGlobal and Innovation Gateway for All)とは、児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、ICTを取り入れた新たな教育を実現する構想です。文科省によると令和5(2023)年3月時点で、全国の公立学校(小・中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校および特別支援学校)における児童生徒1人あたりの教育用コンピュータ台数は、平均値で1.2台となっています。GIGAスクール構想によってEdTechの導入基盤が整いつつあるといえます。
EdTechの時代、ICTを活用して教材の共有化などにより教員の授業準備の時間を短縮することは可能だと思います。また、民間事業者の自学自習用の動画コンテンツを活用して、個別学習に取り組ませることもできるようになりました。授業でも部活動でも、生徒一人ひとりの心に仕掛けるのは教員です。何事も最後は、生徒一人ひとりに“やる気”を呼び起こすのかがポイントです。その仕掛けはICTだけでは難しいように感じます。最後は、教員の“熱い一言”ではないでしょうか。
【校長ブログ】“いいものみたな”という感覚~演劇部秋季発表会~
9月28日、埼玉県高等学校演劇連盟南部地区秋季発表会が、戸田市新曽福祉センター(埼玉県戸田市)で開催され、川口高校演劇部も出場し、私も激励に行きました。
今回の上演作品はアシノユメさんの『人という病』。ある高校の図書館で「精神世界」という異空間に迷い込んだ高校生3人が案内人パンセの導きのなかで“本当の自分”に気づいていく物語です。高校生という多感な時代において省察を深める姿を演劇部の皆さんが自然体で演じてくれました。演出、照明、音響、演者が一体となった作品でした。
高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルとした2023年のNHK連続テレビ小説『らんまん』の脚本を手掛けた劇作家・脚本家の長田育恵さんは、演劇の魅力を次のように言っています。「演劇は、目の前の俳優に魅せられるのかもしれないし、美術や照明、ダンスなど、自分の五感がどこに反応するかは、生の舞台の場に行ってみなければわかりません。素敵な舞台を見た後の客席には、観客の「いいものを見たな」という雰囲気がふっくらと漂って、元気になって帰る感覚があります。あの何とも言えない幸せな空気を味わっていただきたい。」
埼玉県高等学校演劇連盟南部地区秋季発表会は9月29日も開催されています。ぜひ、高校生の素晴らしい演劇をご覧ください。
【校長ブログ】イブニング学校説明会を開催
9月18日、県立川口高校では、イブニング学校説明会を開催しました。約100名の中学3年生、保護者の皆様にご来校いただきました。ご多忙の中、ご来校いただき、御礼申し上げます。県立川口高校の魅力を感じていただければ幸いです。
県立川口高校では学校説明会を年3回開催していますが、アリーナ(体育館)での開催のため、中3生や保護者の方々との距離が遠い感じがしていました。今年度から、平日の夕方に本校視聴覚室で100名の皆様を対象としたミニ学校説明会を開催しています。ご質問や部活動見学も可能ですので、是非ご来校ください。
〇第2回イブニング説明会 令和6年10月 3日(木)本校視聴覚室(17:30~18:00)
参加申込みは9月19日(木)18:00から先着50組(100名)の受付をホームページで開始します。
以下、今後の学校説明会の予定です。参加申込みは開催日の2週間前の18:00からホームページで受け付け開始をします。
〇第3回イブニング説明会 令和6年10月28日(月)本校視聴覚室(17:30~18:00)
〇第2回学校説明会 令和6年11月16日(土)本校アリーナ(9:30~11:00)
〇第4回イブニング説明会 令和6年11月26日(火)本校視聴覚室(17:30~18:00)
〇第3回学校説明会 令和6年12月21日(土)本校アリーナ(9:30~11:00)
〇ミニ学校説明会 令和7年 1月 7日(火)本校視聴覚室(10:00~11:00)
【校長ブログ】中秋の名月に「読書」を思う~国語世論調査の結果~
昨日9月17日は中秋(ちゅうしゅう)の名月でした。県立川口高校からも中秋の名月を見ることができました。しかし、必ずしもこの日が満月ではないことを報道で知りました。今年は今日9月18日が満月だそうです。中秋の名月とは、旧暦8月15日の十五夜に月見をする習わしのことです。平安時代に中国から伝わった中秋の名月を愛でる風習は、今ではあまり馴染みがないかも知れません。旧暦では秋を7月~9月としており、その真ん中にあたる8月15日を中秋と呼んでいました。この中秋にあたる8月15日の夜に昇る月を「中秋の月」と呼び、さらにこの頃の月が特に美しく見えることから、「中秋の名月」と呼ばれるようになったとされています。
9月17日、文化庁が令和5(2023)年度の「国語に関する世論調査」の結果を公表しました。5年に1度調べている「1か月に読む本の冊数」は、電子書籍も含めて「読まない」が過去最多の63%に上がったそうです。読書量が以前よりも減った人も過去最多の69%に達しました。文化庁は、「スマートフォンやSNSの利用に押され『読書離れ』が加速しているのではないか」と分析しています。
今日9月18日の読売新聞の社説は「国語世論調査 読書習慣の喪失は危機的だ」。「本を読むことは、新しい知識を得るだけでなく、登場人物に感情移入して喜怒哀楽を共にしたり、深く考えて内省したりすることで、人格形成にも大きな影響を及ぼす。一冊との出会いが、その後の人生を左右することもある。」という主張に私も同感です。私の場合、三浦綾子さんの『塩狩峠』(新潮文庫)はそのような一冊でした。夜長、スマートフォンとちょっと距離を置いて読書をしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、私は現在、今年の芥川賞を受賞した松永K三蔵さんの『バリ山行』(講談社 2024年)を読んでいるところです。
【校長ブログ】縁起よく三本締め~諏訪山祭(文化祭)閉幕セレモニー~
9月7日、県立川口高校の諏訪山祭(文化祭)の一般公開日でした。午前9時の開場直後から多くの皆様がご来校され、2094名の方々がお見えになりました。御礼申し上げます。
中庭では、軽音楽部のライブ演奏、書道部の書道パフォーマンスなどで盛り上がりました。アリーナ(体育館)では、有志団体、演劇部、吹奏楽部が活躍しました。
閉幕セレモニーでは、ソングライブ、ビンゴ大会のあと、校長挨拶、文化祭実行委員長挨拶がありました。諏訪山祭の閉幕にあたり、私は全校生徒と三本締めをしました。
三本締めは江戸時代初期から、物事が無事に終わったことを祝って行われてきました。「物事が無事収まりました」という感謝の思いを込め、ひとつの区切りとしてやるそうです。三本締めは「パ・パ・パン(3回)、パ・パ・パン(3回)、パ・パ・パン・パン(3+1回)」。手拍子9回で漢字の九。これに最後の「パン」が点を意味して、「丸」を表す。「丸く収まりました」という解釈だそうです。
最後に文化祭実行委員長の大嶋康仁君が感謝の思いを全校生徒に伝えました。
県立川口高校の生徒が諏訪山祭で一体になったと実感しました。