【校長ブログ】点と点をつなげること~2学期始業式~
9月1日、県立川口高校は、2学期始業式でした。始業式、表彰式、軽音楽部全国大会報告、シェイクアウト埼玉の訓練を行いました。
始業式では、スティーブ・ジョブズ(1955 - 2011)が2005年にスタンフォード大学でのスピーチで「点は点はあとからつながる」と語ったことを紹介しました。将来を予想して、点(知識や経験など)と点をつなぐことはできない。後々の人生で振り返った時にしか、点と点をつなぐことはできない。今やっていることが、将来、自身の役に立つ(点と点がつながる)と信じて取り組むことの大切さを話しました。
県立川口高校軽音楽部のバンド「コルリ」(鈴木 司、五十嵐 苺、ポー・ミンカン、井筒詩遊奈)が8月19日・20日にレイボックホール(市民会館おおみや)(埼玉県さいたま市)で開催された第12回全国高等学校軽音楽コンテストに出場した報告をしてくれました。バンド名の「コルリ」とは、青い鳥の名前だそうです。鈴木 司 君のオリジナル曲である♪青春鳥歌 をイメージしてつけられたバンド名。7月18日の1学期終業式では県大会前で激励会もできなかったので、今日は報告会と生徒会からの激励金の授与。「コルリ」の 皆さん、とても良い笑顔でした。私は、「スティーブ・ジョブズが言ったように、点と点はあとからつながる」と激励しました。
シェイクアウト埼玉は、災害への備えと対応力を高めることを目的にシェイクアウト訓練を埼玉県議会が取り組んでいる防災訓練です。「短時間で」「誰でも」「どこにいても」できる訓練であり、県立川口高校は毎年参加しています。生徒は真剣に訓練に参加していました。
最後に始業式の校長講話の内容を紹介します。
皆さんは、いつからスマートフォンを持っていますか?中学生の時ですか? 小学生の時ですか?私は、携帯電話は持たない主義でしたが、教頭の仕事で必要になり、38歳の時にやむを得ず購入しました。私は10年前から米国アップル社のiPhoneを使っています。
皆さんは「Z世代」といわれ、1990年代半ばから2010年代初頭に生まれた世代を指し、デジタル技術が普及した環境で育った「デジタルネイティブ」であることが特徴です。
私が生まれた1960年代は、中高時代は大人から「しらけ世代」といわれ、物事に対して無気力・無関心・無責任といった世代といわれていました。中学・高校・大学・社会人になっても携帯電話やパソコンがないという「昭和」時代です。
私たちは環境を直ちに変えることはできません。たとえば地球温暖化の課題などは一例です。誰もが心の中に「やりたいこと」や「なりたい自分」を持っています。しかし、その思いを抱きながらも、「まだ自信がない」「もう少し準備してから」と足を止めてしまう人は少なくありません。けれども未来を変えるのは、完璧な準備ではなく、小さな一歩を踏み出す勇気なのです。「自分の希望に向けて一歩を踏み出す大切さ」です。
このiPhoneを開発した米国のアップル社を創業したスティーブ・ジョブズ(1955 - 2011)の若き日の逸話があります。彼は米国のリード大学を1年で中退し、将来の方向も定まらない中で、自分の興味に従ってフォント(書体)の講習を受けました。その時は役に立つとは思えなかった学びでしたが、のちにマッキントッシュという革新的なコンピュータを開発する際に、美しいフォントの概念が生かされました。
彼は2005年にスタンフォード大学の卒業式でのスピーチで「点は点はあとからつながる」と語っています。「将来を予想して、点(知識や経験など)と点をつなぐことはできない。後々の人生で振り返った時にしか、点と点をつなぐことはできない。今やっていることが、将来、自身の役に立つ(点と点がつながる)と信じて取り組みなさい。」ということです。希望に従って動いた小さな一歩が、未来に思いもよらぬ形で実を結んだのです。
皆さんにも同じことが言えます。希望に向けた一歩は、今すぐ大きな成果を生むとは限りません。しかし、その経験や出会いは確実に未来の自分を形作る糧になります。大切なのは「失敗を恐れず、まずやってみる」ことです。挑戦してうまくいかなければ、それは自分を磨く経験となり、次に進む力となります。
何もしないまま時間が過ぎてしまうことこそ、最も惜しいことです。興味のある分野の本を一冊読んでみる、大学のオープンキャンパスに参加してみる、あるいは部活動や地域活動に思い切って飛び込んでみるといったことです。そうした小さな行動が、自分の視野を広げ、次の希望へとつながっていきます。
皆さんの未来は、誰かが決めるものではなく、自分自身がつくるものです。どうか心にある希望を信じ、勇気を持って一歩を踏み出してください。その小さな一歩が、やがて大きな飛躍につながるはずです。
川高生の皆さん
元気に挨拶してますか。
他人に優しくしてますか。
夢を諦めていませんか。
志高く。