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【校長ブログ】中秋の名月に「読書」を思う~国語世論調査の結果~

 昨日9月17日は中秋(ちゅうしゅう)の名月でした。県立川口高校からも中秋の名月を見ることができました。しかし、必ずしもこの日が満月ではないことを報道で知りました。今年は今日9月18日が満月だそうです。中秋の名月とは、旧暦8月15日の十五夜に月見をする習わしのことです。平安時代に中国から伝わった中秋の名月を愛でる風習は、今ではあまり馴染みがないかも知れません。旧暦では秋を7月~9月としており、その真ん中にあたる8月15日を中秋と呼んでいました。この中秋にあたる8月15日の夜に昇る月を「中秋の月」と呼び、さらにこの頃の月が特に美しく見えることから、「中秋の名月」と呼ばれるようになったとされています。

 9月17日、文化庁が令和5(2023)年度の「国語に関する世論調査」の結果を公表しました。5年に1度調べている「1か月に読む本の冊数」は、電子書籍も含めて「読まない」が過去最多の63%に上がったそうです。読書量が以前よりも減った人も過去最多の69%に達しました。文化庁は、「スマートフォンやSNSの利用に押され『読書離れ』が加速しているのではないか」と分析しています。

 今日9月18日の読売新聞の社説は「国語世論調査 読書習慣の喪失は危機的だ」。「本を読むことは、新しい知識を得るだけでなく、登場人物に感情移入して喜怒哀楽を共にしたり、深く考えて内省したりすることで、人格形成にも大きな影響を及ぼす。一冊との出会いが、その後の人生を左右することもある。」という主張に私も同感です。私の場合、三浦綾子さんの『塩狩峠』(新潮文庫)はそのような一冊でした。夜長、スマートフォンとちょっと距離を置いて読書をしてみてはいかがでしょうか。

 ちなみに、私は現在、今年の芥川賞を受賞した松永K三蔵さんの『バリ山行』(講談社 2024年)を読んでいるところです。