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2024年4月の記事一覧

【校長ブログ】“伝えたい”の思いを大切に~演劇部春季演劇祭~

 春の大型連休に入り、高校の部活動は各地で大会が開催されています。4月27日、埼玉県高等学校演劇連盟南部地区春季演劇祭が、戸田市新曽福祉センター(埼玉県戸田市)で開催され、川口高校演劇部も出場し、私も激励に行きました。

 上演作品は青春ものの作品が多い石岡 克さんの『生きてますかぁ!?』。廃屋となった洋館。幽霊が出るという噂のあるその場所に、大学生のカップルが二人やってくる。ところが、そこには既に空き巣が一人侵入していて…。

 私は初見でしたので、ホラー系の展開かと思いましたが、思春期の悩みをいかに乗り越えるkかを示唆する青春ドラマで、観客に勇気を与えてくれました。演出、照明、音響、演者が一体となった作品でした。

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 劇作家、演出家である平田オリザさんは、『わかりあえないことから―コミュニケーション能力とは何か』(講談社現代新書 2012年)で次のように述べています。「『伝える技術』をどれだけ教え込もうとしたところで、『伝えたい』という気持ちが子どもの側にないのなら、その技術は定着していかない。では、その『伝えたい』という気持ちはどこから来るのだろう。私は、それは、『伝わらない』という経験からしか来ないのではないかと思う。」と述べています。平田オリザさんの本もお勧めです。

【校長ブログ】私も読んでいます~川口高校の「朝読書」~

 4月26日、天気予報では昨日と同じように初夏のような1日になるそうです。川口高校は避難訓練を行うために短縮45分6時間授業です。川口高校では、毎朝10分間の「朝読書」の時間があります。平成15(2003)年から実施しており、21年の歴史があります。今朝も各教室では生徒は読書をして穏やかに1日がスタートしています。

今日は、導入の経緯について紹介します。

 本校の朝読書は、平成14(2002)年に生徒指導主任をされていた 鯨井 聡 教諭が「朝読書」の効果に注目し、校務委員会(現在の企画委員会)に働きかけ、準備期間を経て平成15(2002)年9月から開始されました。当時、千葉県の船橋学園女子高校(現在の東葉高校)の 林  公 教諭と 大塚 笑子 教諭が「朝読書」の取組をとおして学校を再生させた実践が話題になっていました。全国的にいじめ問題やキレる生徒への問題への対応が求められ、それを解決するための「心の教育」が重要視されていました。

 川口高校『70周年記念誌』(2011年)に朝読書導入の記録がありました。「これからも全教員・生徒の理解を得ながら実施していく困難はあるだろうが、全校が1つになり取り組む具体的な教育活動としての意味は大きいと思う。」とありました。当時からの基本的な原則である①みんなでやる ②毎日やる ③好きな本でよい ④ただ読むだけ という取り組みを継承しています。

 よく教育では、「不易と流行」という言葉が言われます。松尾芭蕉が示した俳諧の理念で、いつまでも変わらないことを示す「不易」と、時代に応じて変化することを示す「流行」という相反する概念がひとつになった言葉です。私は「朝読書」は流行から不易になったと思っています。

 私も読んでいます。ちなみに現在読んでいるのは、大好きな作家のひとりである 万城目 学 さんの直木賞受賞作『八月の御所グラウンド』(文藝春秋 2023年)です。

【校長ブログ】最後まで諦めない!仲間を信じる力~野球部春季県大会初戦突破~

 4月25日、初夏を思わせる晴天のもと、川口高校野球部はUD上尾スタジアム(上尾市民球場)で秀明英光高校と対戦しました。私も野球部父母の会の皆さんと一緒にスタンドで応援しました。

1回に失策がらみで秀明英光高校に先取点を奪われ、淡々と試合が進み7回までノーヒットに抑えられ、0-4の劣勢でした。8回裏に初安打。適打が続き川口高打線が爆発し、一気に6点を入れ、逆転勝利をあげました。

苦しい試合展開の中、チームメイトを信じ、最後まで諦めないプレーが良い結果を生んだと思います。がんばれ!川高野球部

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【校長ブログ】学校内にあふれる気配り~華道部・剣道部~

 4月24日、春雨の中、川口高校では年度当初のオリエンテーションや内科検診も終了し、平常授業が行われています。野球部は明日のUD上尾スタジアムでの県大会(秀明英光高校と対戦)に向け、体育館で朝練習をしていました。校内を巡回して校長室に戻ると、昨日、華道部の皆さんが持ってきてくれた作品が室内を爽やかにしてくれています。校内の随所で、華道部の皆さんの新しい作品が彩りを添えています。

                                          

体育館の剣道場では、素晴らしい言葉がありましたのでご紹介します。

「真剣だと 知恵が出る

 中途半端だと 愚痴が出る

 いい加減だと 言い訳ばかり」

 

【校長ブログ】そこが知りたい!進路情報~3学年保護者・生徒対象進路説明会を開催~

 4月18日、川口高校では、3学年保護者・生徒対象進路説明会をアリーナで開催しました。本校では保護者と生徒が一緒になって進路実現に向けた説明会を行っています。複雑多様化する大学入試情報や専門学校、公務員試験の最新情報、私立大学に進学した場合の奨学金シミュレーションなど多岐にわたりましたが、皆さん熱心に聞き入っていました。

 私も、3学年の保護者の皆様に、着任のご挨拶とこれからの2030年代に求められる力として「自分で学び続ける力」の大切さについてお話ししました。

 私は毎朝午前7時30分過ぎに教室を巡回していますが、教室で自学自習をしている者、グラウンドや体育館では部活動の朝練習をしている者など、早朝から川口高校は活気にあふれています。川高生一人ひとりが自分の進路を切り拓いてもらいたいと思います。がんばれ!川高生

【校長ブログ】雑草という草はない~川口高校内の木々が芽吹いています~

 4月15日、川口高校では芽吹きの季節です。一週間前とは全く木々の様子も変わっています。生徒諸君も同様に2・3年生を中心に部活動で頑張っています。川口高校野球部は、13日に浦和麗明高校に10-0の5回コールド勝ちで県大会出場を決めました。

 以前勤務していた高校では農業系の学科があり、ある先生に「一気に春ですね。高校の農場の畑も雑草が一斉に芽吹きました。春の芽吹きはすごいですね。」と話したことがあります。その時に農業科の先生から「雑草という草はない」という昭和天皇(1901~1989)の箴言をうかがいました。

 調べてみたら昭和天皇の侍従長をされた入江相政さん(1905~1985)が、『宮中侍従物語』の中で触れられています。

 終戦直後の初秋、天皇皇后両陛下が御用邸からご帰京されるので、宮殿の庭に草が茂っていたら見苦しいだろうと、侍従たちが草刈りをしたそうです。しかし、人手が足りずに刈りきれなかったそうです。昭和天皇がお帰りになった時に「どうして草を刈ったのかね」と尋ねられ、入江侍従は「雑草が生い茂っておりましたので、一部お刈りしました。」とお詫びしたそうです。すると昭和天皇は「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考え方で、これを雑草と決め付けてしまうのはいけない。注意するように。」と諭されたそうです。                                                      どんな植物にも名前や役割があり、人間の都合で邪険に扱うような呼び方をすべきではないと伝えたかったようで、入江侍従は強烈な印象を受けたそうです。

 人間は思いを伝えるために、言葉を使います。農業の世界では、春に植物が一斉に芽吹くことを「スプリングフラッシュ」と言うそうです。私は、その時、春の芽吹きの素晴らしさを伝えようと思って、「雑草」という単語を使ってしまい真意を伝えられませんでした。思いを正確に伝えることはなかなか難しいことです。言葉の大切さを昭和天皇の箴言から学びました。

【校長ブログ】川高野球部 投打に好発進!~川口高校野球部6回コールド勝ち~

 4月11日、爽やかな春空のもと、川口高校野球部が春季埼玉県高校野球南部地区大会に登場しました。古豪の大宮工業高校野球部と川口市営球場で対戦しました。私も応援に駆けつけました。

 

 父母会のAll for One. One for All.の横断幕のもと、野球部員、野球部父母会の皆さんの一体となった応援でスタンドは盛り上がりました。川口高校は、初回から適打を重ね、好投もあり、10-0の6回コールド勝ちの好発進でした。応援ありがとうございました。

 次の試合は、4月13日に浦和麗明高校と県大会出場をかけて対戦です。がんばれ川高野球部!

【校長ブログ】桜舞い、木々も芽吹く~♪富士も秩父も 高く正し~

4月10日、昨日の春の嵐とは一転して久しぶりの晴天です。早朝、校内を巡回していると、校歌のとおり♪富士も秩父も 高く正し♪。木々も芽吹き、春の美しさに感動しました。

3年生の教室では早朝から自学自習している生徒の姿もあります。1年生の教室では、高校生活に胸躍らせる新入生の姿もありました。1年生は到達度テスト。2・3年生は授業が始まりました。3年生の教室では、一人ひとりが進路実現に向けて真剣に授業を受けていました。

廊下には華道部の素晴らしい作品がありました。川口高校は創立の昭和16(1941)年から平成8(1996)年まで男子校でした。華道部は共学化の平成9(1997)年度に華道同好会として発足しました。作品が校内を華やかにしてくれています。ご来校の際は、華道部の作品をぜひともご覧ください。

【校長ブログ】ショートコントに笑いがあふれる~対面式・部活動紹介~

 4月9日、朝からの強い雨風で、川口高校のある諏訪山では桜吹雪が舞っていました。

 川口高校ではアリーナ(川口高校体育館は重層で「アリーナ」と呼んでいます)で対面式を行いました。1年生319名を、2年生313名、3年生346名が迎えました。2・3年生はクラスごとに次々とショートコントや一発芸を披露して、笑いのあふれる対面式でした。午後からは、14の文化部、16の運動部が趣向をこらして部活動紹介を行いました。大トリは書道部の書道パフォーマンス。圧巻でした。

 

【校長ブログ】「高く 正し」新たに319名の新入生~令和6年度入学式~

 4月8日、川口高校では第79回入学式を挙行しました。319名の新入生が、チーム川高に加わりました。新入生一人ひとりの希望に満ちた笑顔が印象的でした。

式後の校歌披露では、2・3年生の運動部に所属する生徒有志約200名が各部のユニフォーム姿で登場し、川口高校校歌を声高らかに斉唱し、新入生を祝しました。

 入学式の校長式辞を紹介します。

 今日の晴れの日を待ち望んでいたかのように、ここ諏訪山の桜の樹々が、満開の花びらを揺らしております。この春の佳き日に、御来賓の本校PTA会長の御臨席、多くの保護者の皆様の御列席を賜り、令和6年度 埼玉県立川口高等学校 第79回入学式を挙行できますことは、本校にとりまして大きな喜びでございます。

 ただ今、入学を許可いたしました319名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。教職員、在校生一同、皆さんを心から歓迎いたします。

 本校は、昭和16(1941)年に旧制川口市立川口中学校として開校し、今年で84年目を迎える歴史ある学校です。校訓「高く正し」のもと、生徒は高い目標を持ち、その実現に向かって正々堂々とひたむきに努力する校風を伝統としています。地域の大きな期待を担いながら、二万五千名の卒業生を世に送り出し、社会の様々な分野に、多くの有為な人材を輩出してまいりました。

 日本も、世界も、コロナ禍をとおして、世の中には「正解」のない課題がたくさんあることに改めて気づきました。「正解」は一つではないでしょう。皆さんの今までの勉強の多くは、一つの答えのある問題を解くことでした。しかし、このように何が問題か分からない場合もあれば、問題が分かったとしても誰も答えを知らないという状況に遭遇します。21世紀を生き抜く皆さんは、この「解」のない課題に立ち向かう力を身に付けることが必要です。指示されたことをしっかりとやり遂げることのできる力は確かに大切な力の一つではありますが、指示されることに慣れてはいけません。慣れてしまうと、人は次第に指示をされないと動けない人間に変わってしまいます。

 文武自考の精神が大切です。文武、つまり学習と部活動など全ての教育活動において、自考、つまり自ら考え、習得した知識をフルに活用して、まず、問題や課題を認識し、それを解決する方法を考え、そして、自分なりの解決策を見出すトレーニングをしましょう。このような困難な状況だからこそ、この力、つまり「課題発見解決力」は、今日の将来を見通すことが困難な社会にあって、最も必要とされる生きるための力でもあります。本校の一員となった新入生の皆さんには、様々な学びをとおして、知識・能力を身に付けるとともに、考え抜く力を養い、皆さん一人一人のチャレンジ力を身に付けてください。

 高校入学にあたり、英国初の女性首相であったマーガレット・サッチャー(1925-2013)の言葉を皆さんに贈ります。

 考えは言葉となり

 言葉は行動となり

 行動は習慣となり

 習慣は人格となり

 人格は運命となる

 是非とも川口高校で、自分の運命を切り拓きましょう。

 御参列の保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。教育は、学校、家庭、地域が一体となってお子様一人一人を育むことが大切でございます。私達教職員は、お子様が、自らの生きる道を、自らが切り開いていけるよう、全力を尽くしてまいります。お子様の健全な成長を望み、豊かな個性を育てていくためには、学校、家庭、地域がそれぞれの役割を果たしながらも、連携を密にしていくことが重要でござます。そのためにも、是非とも本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 結びに、本日御臨席を賜りました皆様に改めて御礼申し上げますとともに、新入生の皆さんの高校生活が充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。