2024年9月の記事一覧
【校長ブログ】“いいものみたな”という感覚~演劇部秋季発表会~
9月28日、埼玉県高等学校演劇連盟南部地区秋季発表会が、戸田市新曽福祉センター(埼玉県戸田市)で開催され、川口高校演劇部も出場し、私も激励に行きました。
今回の上演作品はアシノユメさんの『人という病』。ある高校の図書館で「精神世界」という異空間に迷い込んだ高校生3人が案内人パンセの導きのなかで“本当の自分”に気づいていく物語です。高校生という多感な時代において省察を深める姿を演劇部の皆さんが自然体で演じてくれました。演出、照明、音響、演者が一体となった作品でした。
高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルとした2023年のNHK連続テレビ小説『らんまん』の脚本を手掛けた劇作家・脚本家の長田育恵さんは、演劇の魅力を次のように言っています。「演劇は、目の前の俳優に魅せられるのかもしれないし、美術や照明、ダンスなど、自分の五感がどこに反応するかは、生の舞台の場に行ってみなければわかりません。素敵な舞台を見た後の客席には、観客の「いいものを見たな」という雰囲気がふっくらと漂って、元気になって帰る感覚があります。あの何とも言えない幸せな空気を味わっていただきたい。」
埼玉県高等学校演劇連盟南部地区秋季発表会は9月29日も開催されています。ぜひ、高校生の素晴らしい演劇をご覧ください。
【校長ブログ】イブニング学校説明会を開催
9月18日、県立川口高校では、イブニング学校説明会を開催しました。約100名の中学3年生、保護者の皆様にご来校いただきました。ご多忙の中、ご来校いただき、御礼申し上げます。県立川口高校の魅力を感じていただければ幸いです。
県立川口高校では学校説明会を年3回開催していますが、アリーナ(体育館)での開催のため、中3生や保護者の方々との距離が遠い感じがしていました。今年度から、平日の夕方に本校視聴覚室で100名の皆様を対象としたミニ学校説明会を開催しています。ご質問や部活動見学も可能ですので、是非ご来校ください。
〇第2回イブニング説明会 令和6年10月 3日(木)本校視聴覚室(17:30~18:00)
参加申込みは9月19日(木)18:00から先着50組(100名)の受付をホームページで開始します。
以下、今後の学校説明会の予定です。参加申込みは開催日の2週間前の18:00からホームページで受け付け開始をします。
〇第3回イブニング説明会 令和6年10月28日(月)本校視聴覚室(17:30~18:00)
〇第2回学校説明会 令和6年11月16日(土)本校アリーナ(9:30~11:00)
〇第4回イブニング説明会 令和6年11月26日(火)本校視聴覚室(17:30~18:00)
〇第3回学校説明会 令和6年12月21日(土)本校アリーナ(9:30~11:00)
〇ミニ学校説明会 令和7年 1月 7日(火)本校視聴覚室(10:00~11:00)
【校長ブログ】中秋の名月に「読書」を思う~国語世論調査の結果~
昨日9月17日は中秋(ちゅうしゅう)の名月でした。県立川口高校からも中秋の名月を見ることができました。しかし、必ずしもこの日が満月ではないことを報道で知りました。今年は今日9月18日が満月だそうです。中秋の名月とは、旧暦8月15日の十五夜に月見をする習わしのことです。平安時代に中国から伝わった中秋の名月を愛でる風習は、今ではあまり馴染みがないかも知れません。旧暦では秋を7月~9月としており、その真ん中にあたる8月15日を中秋と呼んでいました。この中秋にあたる8月15日の夜に昇る月を「中秋の月」と呼び、さらにこの頃の月が特に美しく見えることから、「中秋の名月」と呼ばれるようになったとされています。
9月17日、文化庁が令和5(2023)年度の「国語に関する世論調査」の結果を公表しました。5年に1度調べている「1か月に読む本の冊数」は、電子書籍も含めて「読まない」が過去最多の63%に上がったそうです。読書量が以前よりも減った人も過去最多の69%に達しました。文化庁は、「スマートフォンやSNSの利用に押され『読書離れ』が加速しているのではないか」と分析しています。
今日9月18日の読売新聞の社説は「国語世論調査 読書習慣の喪失は危機的だ」。「本を読むことは、新しい知識を得るだけでなく、登場人物に感情移入して喜怒哀楽を共にしたり、深く考えて内省したりすることで、人格形成にも大きな影響を及ぼす。一冊との出会いが、その後の人生を左右することもある。」という主張に私も同感です。私の場合、三浦綾子さんの『塩狩峠』(新潮文庫)はそのような一冊でした。夜長、スマートフォンとちょっと距離を置いて読書をしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、私は現在、今年の芥川賞を受賞した松永K三蔵さんの『バリ山行』(講談社 2024年)を読んでいるところです。
【校長ブログ】縁起よく三本締め~諏訪山祭(文化祭)閉幕セレモニー~
9月7日、県立川口高校の諏訪山祭(文化祭)の一般公開日でした。午前9時の開場直後から多くの皆様がご来校され、2094名の方々がお見えになりました。御礼申し上げます。
中庭では、軽音楽部のライブ演奏、書道部の書道パフォーマンスなどで盛り上がりました。アリーナ(体育館)では、有志団体、演劇部、吹奏楽部が活躍しました。
閉幕セレモニーでは、ソングライブ、ビンゴ大会のあと、校長挨拶、文化祭実行委員長挨拶がありました。諏訪山祭の閉幕にあたり、私は全校生徒と三本締めをしました。
三本締めは江戸時代初期から、物事が無事に終わったことを祝って行われてきました。「物事が無事収まりました」という感謝の思いを込め、ひとつの区切りとしてやるそうです。三本締めは「パ・パ・パン(3回)、パ・パ・パン(3回)、パ・パ・パン・パン(3+1回)」。手拍子9回で漢字の九。これに最後の「パン」が点を意味して、「丸」を表す。「丸く収まりました」という解釈だそうです。
最後に文化祭実行委員長の大嶋康仁君が感謝の思いを全校生徒に伝えました。
県立川口高校の生徒が諏訪山祭で一体になったと実感しました。
【校長ブログ】驚きのギョギョ!~諏訪山祭(文化祭)で体験しました~
9月6日、第60回諏訪山祭が始まりました。開幕セレモニーでは、生徒有志のダンスなどで盛り上がりました。
校内巡回しながらサイエンス部のドクターフィッシュ体験と藍染め体験をやりました。ドクターフィッシュ(ガラ・ルファ)は西アジアに生息しているそうです。川底や石などに付着する苔などが主な餌だそうですが、人間の皮膚の角質をついばんでくれるそうで、トルコでは皮膚疾患の治療にも利用されるとか…。私も指を入れてみましたが、くすぐったいような不思議な感覚でした。藍染め体験は、自分でも想像以上の出来ばえで自分でも大満足です。
書道部の作品も圧巻でした。文化部の甲子園と言われる全国高等学校総合文化祭(今年度は岐阜県で開催)で展示された大作もあります。
見どころたくさんの県立川口高校諏訪山祭(文化祭)。ぜひお越しください。
【校長ブログ】諏訪山祭(文化祭)直前の県立川口高校
9月5日、川口高校は9月6日7日開催の諏訪山祭(文化祭)の準備の一日です。早朝の教室巡回時に、素晴らしい黒板アートに出会ったりすると、「文化祭直前だなあ」と実感します。文化部にとっては文化祭は活躍の場です。ぜひ、県立川口高校の文化祭をご覧ください。
校内で文化祭準備に取り組む一日ですが、県立川口高校野球部は秋季地区大会があり、県立大宮公園野球場で古豪の大宮高校と対戦しました。3年生が引退し、新チームになって初めての公式戦。私も激励のために県営大宮公園野球場に駆けつけました。試合は、県立川口高校が3回表に3番山口君のタイムリー3塁打で先制し、県立川口高校の猛打が爆発し12‐2で8回コールド勝ちをしました。応援をしてくださった父母会の皆様に感謝申し上げます。
【校長ブログ】「壁」を乗り越えよう!~2学期が始まりました~
9月2日、久しぶりの青空のもと、県立川口高校では2学期が始まりました。県立川口高校がある場所は諏訪山という高台で、学校からは川口のタワーマンションや新宿方面の高層ビル群を見ることができました。
本日は、新たに着任された2人の先生の着任式、2学期始業式、表彰式、シェイクアウト埼玉(避難訓練活動)をオンラインで行いました。
表彰式では、男子バドミントン部、吹奏楽部、書道部、軽音楽部(歌楽反応、DUMMY DAHLIA)、美術部、日本赤十字社からの献血継続50年の感謝状を表彰しました。校長講話では、養老孟司さんのベストセラー新書『バカの壁』(新潮新書2003年)をもとに「壁を乗り越えよう!」というテーマでお話ししました。9月6・7日は諏訪山祭(文化祭)です。充実した2学期を過ごしてください。
校長講話の内容を紹介します。
この夏休み、学校では、照りつける太陽の下、校庭で部活動に励む姿がありました。体育館では蒸し暑い中、元気に声をかけ合う姿がありました。校舎内では、補習、部活動、文化祭の準備などに取り組んでいる姿がありました。特に3年生は、自分の進路に向けて、とても暑い夏を過ごしたと思います。
今日は、「壁を乗り越えよう」という話をします。皆さんは、「壁」というとどういうイメージを持ちますか。私は、高校の時に山岳部に所属していました。1年生の時に、夏合宿5泊6日で北アルプスに行きました。標高3180mの槍ヶ岳が最終目的地です。東京の上野駅から夜行列車に乗り、富山県から北アルプスに入山したとき、先輩があれが槍ヶ岳だと指差しました。自分の目測だと5cmです。自分の背中の荷物は30kg。ふと、「生きて帰れないかな」と15歳の自分は思いました。4日後、槍ヶ岳の頂上に立てた自分を今でも覚えています。
皆さん。この2学期、「壁を乗り越えましょう」。人生は、毎日、大きな壁、小さな壁の連続です。解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司さん(1937-)の「バカの壁」(新潮新書 2003年)という本から、誰もがぶつかる可能性のある「バカの壁」について詳しくお話しようと思います。今から21年前に発行されたこの本は、累計450万部が発行された戦後第5位のベストセラーです。
養老孟司さんは、「人間の脳は、つい楽をしようとする。しかし、自分がどこまでならできるのかを認識することが大切だ。そのためには、迷い、挑戦し、失敗を繰り返すことが大切だ。そうやって育てた感覚が“自信”となるのだ」と言っています。壁だと認識した時、その壁の半分は超えているのです。壁があることは何かにチャレンジしている証拠です。皆さんには限りない可能性があります。壁を乗り越えるたびに、人間は強くなります。
でも、どうしても乗り越えられない壁に出会ったとき、回り道をすることも大切です。
バカの壁とは、“バカ”な人と賢い人を分ける壁のことだそうです。一体、“バカ”な人と賢い人を分ける壁とは何なのでしょうか。結論から言うと、『自分の知らない世界を知ろうとするかどうか』ということだそうです。つまり、バカな人は自分の知らない世界のことを知ろうとしない人のことであり、賢い人は、自分の知らない世界について頑張って知ろうとする人のことだということです。養老孟司さんが言うには、“バカ”な人には、いくつか特徴があると言います。その中でも、人が陥ってしまいがちで、私自身も陥りがちな二つの特徴について紹介します。一つ目は、すぐに「分かった気になる」というものです。二つ目は「正解が一つと思いがち」というものです。
皆さんも、4年にわたる新型コロナウイルス感染症への対応で、「正解」は一つではないことに気付いたと思います。ポストコロナの時代はコロナ禍前に戻るのではなく、新しい時代を創り上げることが大切だと思います。2020年に経済産業省が、これからの社会で求められる力について調査分析を行いました。今まで求められた力は「注意深さ・ミスがないこと」です。典型的なのは学校のテストですね。その他、責任感・まじめさ・信頼感・誠実さ。今までも大切ですし、これからも大切な資質でしょう。しかし、皆さんが40歳代になる2050年には「問題発見力」、つまり物事を見極める力が求められると分析しています。
そのためには、「自分で学び続ける力」が子供も大人も求められます。
2学期は諏訪山祭、修学旅行など、大きな行事が続きます。3年生は進路決定の時期です。皆さん、生徒・先生・保護者が一体となったチーム川高で力をあわせて壁を乗り越えましょう。
川高生の皆さん
元気に挨拶してますか。
他人に優しくしてますか。
夢を諦めていませんか。
志高く。