2025年2月の記事一覧
【校長ブログ】これまでのがんばりは、必ず力になります~高校入試が終わりました~
2月26日、県立川口高校では、埼玉県公立高等学校入学者選抜の学力検査日。無事に学力検査を終了しました。
先週の真冬を思わせる厳しい寒さから一転し、春を少し感じさせる今朝、緊張した受検生諸君が続々と川口高校に来校しました。国語、数学、社会、理科、英語の試験が終わり、家路に向かう受検生の皆さんのホッとした笑顔が印象的です。
受検生(埼玉県では学力検査を受けるので、“受験生”ではなく“受検生”と言っています。)の皆さんは、本日まで、勉強だけでなく、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ対策など、本当に大変だったと思います。また、ご家族の皆さまは、誰よりも応援されてきたことと拝察いたします。
入試業務は、事故がなくて当たり前ですが、担当する学校にとっては、とても気を遣う業務です。天候や、交通機関の遅延対策など、いろいろな危機管理の想定をして実施しています。そのような中で本日を迎え、受検生の皆さんに実力を発揮してもらえる環境づくりができたて良かったと思っています。
一生懸命に取り組んできた受検生の皆さんに、改めてエールを送りたいと思います。これまでのがんばりは、必ず大きな力になります。今夜はゆっくりと過ごしてくださいね。
【校長ブログ】さあ、次の扉をノックしよう~がんばれ受験生~
埼玉県公立高校の出願・志願先変更が終わり、志願者数が確定しました。2月26日が学力検査です。県立川口高校は401名の出願で1.26倍となっています。
大学受験では、私立大学入試がピークを迎え、国公立大学が2月25日から第2次試験(個別試験)前期日程、3月12日から第2次試験(個別試験)後期日程です。
受験生の皆さん、入学試験は、人生において大きな試練の一つですが、最後の最後まで自分の力を信じましょう。
私は、高校時代は山岳部に所属していました。1年生の夏合宿では標高3,180mの北アルプス槍ヶ岳の山頂を目指し、30キロの荷物をザックの中に入れ、登り道を一歩一歩登っていきました。一緒に登っている先輩や仲間に迷惑をかけないように、「あと少し、あと少し」と登ったことを覚えています。背負う荷物の重みは、全て肩に食い込みます。しかし、標高が高ければ高いほど、その山頂に立った時の達成感は今でも忘れません。
私の好きな歌の一つにMr.Childrenの「終わりなき旅」(1998年リリース)があります。この曲は受験・就職の失敗など色々な挫折を経験した人が新しい一歩を踏み出すため、あるいはこれから大きなチャレンジをしようとする人が、その背中を押してもらうための定番の一曲といわれます。私の好きな部分の歌詞を紹介します
♪難しく考え出すと 結局全てが嫌になって
そっとそっと 逃げ出したくなるけど
高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいものな
まだ限界だなんて認めちゃいないさ
♪閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて
きっときっとって 君を動かしている
いいことばかりでは無いさ でも次の扉をノックしよう
もっと素晴らしいはずの自分を探して
♪胸に抱え込んだ迷いが プラスの力に変わるように
いつも今日だって僕らは動いている
嫌な事ばかりではないさ さあ次の扉をノックしよう
もっと大きなはずの自分を探す 終わりなき旅
これからの人生、いろいろな扉や壁に出会うと思います。これからも、もっと素晴らしい自分を探すための旅は続きます。次の扉をノックして、もっと大きなはずの自分に出会いましょう。
がんばれ川高生!がんばれ未来の川高生!
【校長ブログ】社会問題を考えてキャラクターで伝える~立体ポスター~
高校の芸術科は音楽、美術、書道、工芸の4科目から構成されています。県立川口高校では、1年次の必履修選択科目として「音楽Ⅰ」「美術Ⅰ」「書道Ⅰ」を開講しています。
高校教育の教育課程の基準である学習指導要領では、芸術科の目標は、「芸術の幅広い活動を通して、各科目における見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の芸術や芸術文化と豊かに関わる資質能力を次のとおり育成することを目指す。①芸術に関する各科目の特質について理解するとともに意図に基づいて表現するための技能を身に付けるようにする ②創造的な表現を工夫したり,芸術の良さや美しさを深く味わったりすることができるようにする ③生涯にわたり芸術を愛好する心情を育むとともに、感性を高め、心豊かな生活や社会を創造していく態度を養い,豊かな情操を培う とあります。
県立川口高校の芸術科(美術)の 齋藤 幸栄子 教諭は、美術の授業で、「立体ポスター」と題して今日の社会問題を考察させ、キャラクターを通して立体的に表現するというユニークな取組を行っています。いわゆる闇バイト防止を訴える「学生の闇バイト 高収入バイトは犯罪!」や海洋プラスティック問題を訴える「ペットボトルの使用を減らせ!水筒を持ち歩こう」などユニークな作品が展示されています。
大切なのは社会問題を認識する力と表現力。より良い社会にしたいという若者の純粋な気持ちを大切にしたいものです。
【校長ブログ】「できる高卒」と「できる大卒」~自ら学ぶ力~
2月3日、県立川口高校では、本日から3学年が家庭研修です。大学受験をする生徒諸君の第一志望校合格を祈念しています。
今日は立春。暦のうえでは春になりましたが、寒いですね。この週末、教育社会学者である 濱中淳子 早稲田大学教授の『検証・学歴の効用』(勁草書房 2013年)を読みました。濱中淳子教授には、データ分析等でご教示をいただいたことがあります。学校教育にとても造詣の深い先生です。先生の大学入試センター研究開発部准教授時代の著作です。
「できる高卒」と「できる大卒」の分析をされています。「仕事ができる人」「仕事ができない人」を所得で表すことによって分析しています。人生において収入が全てとは思いませんが、一つの指標として興味深い分析でした。分析で吟味した要因は、①上司との対話の頻度 ②あこがれる先輩がいるかどうか ③自己学習時間 だそうです。
「できる高卒」は、①②は相関があり、③は影響があまりなかったとのこと。上司とよく対話し、先輩や同僚の中にお手本となる人を探し、そこから学んでいる傾向が強いとのこと。他者との関わりの中で成長しているようです。「できる大卒」は、①②は他者と違いが少なく、影響があるのが③の自己学習時間だったそうです。自分で何かテーマを決めて勉強するとか、新しい課題について調べたりする人が「できる大卒」になるとの指摘。国際比較調査でも、日本の社会人は学校を卒業すると自ら勉強しない傾向が強いと指摘されています。
また、社会教育学者の 広田照幸 日本大学教授も「高卒の人でも、大卒の中の『できる人』と同じように、自分で何かテーマを決めて、コツコツ勉強してほしい。気づくと、あまり努力もしていない大卒の『できない人』を尻目に、会社の中の出世頭になったりするかもしれませんよ」と指摘しています。
いつの時代でも自ら学ぶ力は大切だと思います。